正直な話、もう少し「削る」作業をしていただけないものかと思う。
ハヤカワの編集者は何をやってるんだ?
100巻で終わりそうにもない原因の一つが、この「削る作業」の放棄が大きな要因の一つといえるかもしれない。
栗本薫という作家の良い部分はそのうんざりするほどの緻密な描写であったけれど、必要以上の回想を入れる事や、登場人物たちの冗長な発言は、このような緻密な描写に当たらないだろうと思う。
今回、あえて厳しく書かせてもらったのは、グインサーガが好きだからだ。
100巻もあるため、ストーリーの浮き沈みが各巻ごとにあるのは仕方がないと思う。
だけれど、この文章の錬成の不足は、グインサーガの今までの努力を無に帰してしまうような危険性をはらんでいる。
是非とも作者にはもう一度作家として、勢いだけではなく、その技量をこの小説に十二分に注いでもらいたいと思う。
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