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 ◇「熱砂の放浪者」 栗本薫 (ハヤカワJA文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 戦乱渦巻くクリスタル・パレスから、アモンは、グインとともに古代機械によって転送され、消滅した。ついにパロは解放されたのである。しかし、喜びに沸く民衆をよそに、ともに戦った者たちは、グインの姿が見えないことに困惑の色を隠すことができなかった。彼は、熱砂におおわれた世界にいた!広大な死の砂漠をさまようグインは、運命の手に誘われるかのように、さまざまな怪異を目撃することになる。怒涛の新展開。

+-+- 感想 -+-+

 正直な話、もう少し「削る」作業をしていただけないものかと思う。

 ハヤカワの編集者は何をやってるんだ?

 100巻で終わりそうにもない原因の一つが、この「削る作業」の放棄が大きな要因の一つといえるかもしれない。

 

 栗本薫という作家の良い部分はそのうんざりするほどの緻密な描写であったけれど、必要以上の回想を入れる事や、登場人物たちの冗長な発言は、このような緻密な描写に当たらないだろうと思う。

 

 今回、あえて厳しく書かせてもらったのは、グインサーガが好きだからだ。

 100巻もあるため、ストーリーの浮き沈みが各巻ごとにあるのは仕方がないと思う。

 だけれど、この文章の錬成の不足は、グインサーガの今までの努力を無に帰してしまうような危険性をはらんでいる。

 

 是非とも作者にはもう一度作家として、勢いだけではなく、その技量をこの小説に十二分に注いでもらいたいと思う。

 

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