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 ◇「陰摩羅鬼の瑕」 京極夏彦 (講談社ノベルス)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 凄い!京極小説。
あの「夏」の衝撃が甦る。未体験の京極ワールド。

 白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」は、主の5度目の婚礼を控えていた。過去の花嫁は何者かの手によって悉く初夜に命を奪われているという。花嫁を守るよう依頼された探偵・榎木津礼二郎は、小説家・関口巽と館を訪れる。ただ困惑する小説家をよそに、館の住人達の前で探偵は叫んだ。

 ――おお、そこに人殺しがいる。

+-+- 感想 -+-+

 まず、犯人は最初の方でわかってしまう。

 だから、純粋に犯人探しのミステリとしてはあまりお勧めはできないものだろう。

 なので、京極堂シリーズにそのような意味合いを求める人はあまりお勧めできない。

 僕自身は薀蓄を読む事も楽しみにしているので、他の作品同様に面白く読めた。

 

 ある意味、この小説はカタルシスがテーマになっているような気がする。

 だから「夏」との共通項も必要だったのだろう。

 それがミステリ部分の魅力を半減させたにも関わらず…。

 

 そんなわけで、決して京極堂シリーズの中では飛びぬけて優れた作品ではないにせよ、一連の作品群としては必要な作品だと思う。

 薀蓄の内容も理解しやすかったしね。

 

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