シドニー!の後半部分。
お勧めシーンは「キャシー・フリーマンの400m走」の描写だ。
筆者自身、走るからかもしれない。
コアラ純情篇では有森裕子のマラソンで、そしてこのワラビー熱血篇ではこのキャシー・フリーマンの400m走の描写が群を抜いて、その臨場感までしっかり肌に伝わってきた。
あとは個人的に面白かったのが、村上春樹的、オーストラリアの歴史である。
なるほどなぁ!と感心させられるので、オーストラリアの健気な歴史をみんなも読んでもらいたいと思う。
総括部分では村上春樹らしいとてもシンプルなオリンピックへの回帰への想いを語っている。これは賛否両論だと思うけれど、確かにオリンピックは商業主義しすぎると僕も考えている。
そんなわけで、クールに駆け抜けたシドニーオリンピックの23日間。
村上春樹と一緒に美味しいオーストラリアの料理とビールをおかずに楽しんでもらうのが一番合っているような気がする本である。
|