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 ◇「四日間の奇蹟 」 浅倉卓弥 (宝島社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、

 「描写力抜群、正統派の魅力」

 「新人離れしたうまさが光る!」

 「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」

 「ここ十年の新人賞ベスト1」

 と絶賛された感涙のベストセラーを待望の文庫化。

 脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。

+-+- 感想 -+-+

 東野圭吾の「秘密」にネタが類似しているのは否めない。

 だが、だからと言って、この作品の価値が落ちる事は無いだろう。

 ミステリとして読むと、がっかりしてしまうかもしれないが、ファンタジーとして読めば、この作品はとてもよくできていると断言できる。

 

 人は社会で生きる限り、様々に傷ついていく。

 癒せる人もいれば、癒せない人もいる。

 人はそうして少なからず傷を抱えて、歩みを進めているはずなのだ。

 

 奇蹟が起こるのは、この本の舞台のように「いい人」がたくさんいる場所でだと思う。

 そして、僕たち読者もこの本を通じて、感動する事によって、なんだか癒されていくような気がするのだ。

 

 緻密な描写で、脳裏に情景を描き出しやすく、それがストーリーだけじゃなく、この作家の優れた美点の一つと言えるかもしれない。

 

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