◇「スカーレット・スターの耀奈」 梶尾真治 （アスペクト）  ◇

+-+- あらすじ -+-+

　地球を離れ四百時間、惑星「ズヴゥフル5」の大学で出会った少女「耀奈」。

　その胸には真紅のネックレスが輝いていた…。

　付き合い始めた地球人の“ぼく”の周りで起きる異変、耀奈と別れなければ不幸を背負うという謎の警告。

　そして、彼女の身体に秘められた、母国を救うためのある使命とは―。

　少女との切ない邂逅を描いた表題作他、異空間を舞台にした「泣ける」ファンタジー四編。

+-+- 感想 -+-+

　「黄泉がえり」の作者といえば、わかる人もいるかもしれない。

　実際、僕自身、そのタイトルの作者と言われるまで、気が付かなかった。

　短編が四つ。

　その中でもやはり表題作の完成度が一番高い。

　異文化と恋愛。

　純粋な想いの描き方はさすがだと思った。

　SFにつきまとう世界の終末という概念もうまく描いているし、さすが星雲賞を受賞した作家なだけあるなと思った。