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 ◇「エイリアン蒼血城」 菊地秀行 (朝日ソノラマ文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 俺が宝捜しに乗り込んだのは、明治以降“神隠し”事件が頻発する山間の蒼木村だった。 住人には個性派が多く、特に女子高生の活きの良さには眼を見張るものがある。

 その唯一の例外が蒼木良美だった。

 一週間の行方不明の後、姿を見せた彼女はやつれ果て、生肉に涎を滴らせていたのだ。

 俺の狙いでもある蒼木家の謎の一端が早くも目の前に提示されようとしている。

+-+- 感想 -+-+

 久しぶりのエイリアン・シリーズ。

 痛快な登場キャラクターに乗せられて、ポンポンとページがめくれる。八頭大は相変らず滅茶苦茶ながら、カッコいいし、ゆきはゆきでこれぞ、女王様と言うワガママぶりを発揮している(笑)。

 

  しかし、時々、そうだけど、展開はかなり悲哀に満ちている。

 八頭大の視点だからかもしれない。

 彼はかなりばっさり状況を切ってしまうが、だからと言って、気持ちを汲み取らない機械人間ではない。

 すごく人間的だけど、彼の現実主義がその感情をどこか切ってしまっているそんな感じなのだ。

 

 だから、カッコいいのだろう。

 人はその時々を精一杯生きなければならない。

 過去を振り返るのは現実・未来を良いものにするなら構わないけど、それ以外は何にもする事がない時にしろ。過去を振り返るより、今を見つめて生きろ。

 八頭大の生き方って、そんな生き方のように思えてくる。

 彼は強い男だ。

 

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