◇「蜃気楼の旅人」 栗本薫 （ハヤカワJA文庫）  ◇

+-+- あらすじ -+-+

　ケイロニアはグイン探索のために、一大遠征部隊を組織し、ノスフェラスへと出発した。

　部隊には、ヴァレリウス、グラチウス、そしてマリウスもオクタヴィアに別れを告げ、同行していた。

　いっぽう、記憶を失ったまま、ひたすら中原を目指すグインは、ケス河のほとりで思いがけない人物に再会する。

+-+- 感想 -+-+

　どうも最近のグインを読んでいて、作者が不調かな？と思っていたけど、なんだか調子を戻してきている感じがする。やはり、１００巻間近になり、ネジを巻きなおしたのだろうか？

　記憶を失っていても、グイン。

　しかし、なんだかグインじゃない感じがするところもある。

　特に悩み多きグインはなんとなくそぐわないなと感じた。

　もっとも、そこから徐々に記憶を戻していく様が面白いのだろうけど。

　「ルードの森」と言えば、グインが現れた因縁の場所。

　そこで彼はこれまた係わり合いの深い人物と再会し、ついに物語は収束していく感じがする。これから栗本薫が今まで広げてきた大風呂敷をどうやって仕舞うのか楽しみで仕方がない。