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 ◇「仮面の国」 柳美里 (新潮文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 芥川賞受賞後、右翼を名乗る男性からの脅迫で、予定されたサイン会は中止に追い込まれた。

 そんな事件をきっかけに、作家である著者は、言論界のグラウンドに舞い降りる。

 地下鉄サリン事件、慰安婦問題、神戸市須磨区少年殺人事件、援助交際、児童虐待…。

 

 日本社会を内部腐蝕させる「仮面」を果敢に暴き、欺瞞な言論界に侃侃諤諤の議論を引き起こした怒涛のバトル・エッセイ。

+-+- 感想 -+-+

  なんと言えば、いいのだろう?

 はっきり言うけど、僕はこのエッセイに妙な違和感を覚えずにはいられなかった。

 妙な違和感の原因。

 それは柳美里が自分の感性に従って、様々な論を張り、推測である事を妙な断言によって、この日本を断じる事に起因しているかもしれない。

 

 確かに頷ける部分も多くあるけど、首を傾げずに入られない論のところもある。

 中傷的なものもあり、僕はかなり読むのに苦労した。

 何が正しくて、何が間違っているなどと考えて読んではいけないのかもしれない。

 

 面白い角度で閉鎖的な現代日本について、深く考えさせられる一冊であると思う。

 

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