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 ◇「連鎖」 真保裕一 (講談社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品がヨーロッパから検査対象外の別の国経由で輸入されていた!厚生省の元食品衛生監視員として、汚染食品の横流しの真相究明に乗り出した羽川にやがて死の脅迫が…。

 

 重量感溢れた、意外性豊かな第三十七回江戸川乱歩賞受賞の作。

+-+- 感想 -+-+

 ドキドキ。

 この人の作品はいつもこんな気持ちに読者をさせる。ページをめくるのが怖いけど、けど、気になって、読みたい♪

 そんな気持ちになってしまう。

 先が読めない展開。

 汚染食品を問題にした社会派ミステリの上に、主人公はかなりのハードボイルド。様々な人間が複雑に織りなす結末へ向かって、歩み出したら、もう止まらない。

 

 人々は何かしら負の部分を持ち、その負の部分をどう処理するのか。負の部分を処理する時に人は孤独になってしまうと、これほどまでに弱いものなのか。

 読み終わったときに、少しだけ安堵し、そして少しだけ怖くなった。

 

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