読書中、何度、僕は怖さのあまり、身震いしたのだろう。
この本はホラーではないけど、ホラーよりも怖いような気がした。
あまりにも赤裸々に日本を描き、日本人を描き、そして若者を描いているような気がした。もちろん、違和感を覚えるのもかなりある。しかしそれがあっさり色あせてしまうほどに、日本はリアリティに本の中に存在した。
村上龍は「現代を巡る絶望と希望を書き尽くす」と書いたけど、それはかなりのレベルで成功しているように思えた。
僕たちが抱える言葉にできない恐怖。
時代に取り残されてしまう現実。
僕たちはいつ、思考を停止させてしまったのだろう。
なぜ、現実感がないのだろう??
答えはない。
けど、この本には現在がたくさん凝縮されていた。
そこから読者は誰もが何かを感じずにいられないだろう。
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