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◇「本所深川ふしぎ草紙」 宮部みゆき (新潮文庫) ◇
+-+- あらすじ -+-+
近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だと言う噂が流れたが……。幼い頃、お美津い受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る「片葉の芦」。
お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く七編。
+-+- 感想 -+-+
宮部みゆきの時代小説は初挑戦だったけど、読みやすい文体、そして練られたプロットはミステリのときと相変わらずで、きっと、宮部みゆきのミステリにはまった人なら、読めると思う。それに主人公格の岡引の茂七もいい感じ。
怪異をミステリとして、とらえると、なるほどとストーリーが落ち着く。しかも江戸っ子風の心が温かくなる話もあり、時代小説としての完成度も高い。
どこか寂しげなキャラクターたちに茂七親分が江戸っ子の粋を見せてくれる七編は気風の良さを人に思い出させてくれるかもしれない。
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