+ 京極夏彦 +
〜京極夏彦の小説に関する考察〜
<プロフィール>
1963年3月26日、北海道生まれ。作家。
広告代理店勤務を経て、制作プロダクションを設立する。仕事の傍ら執筆した妖怪シリーズ第一作『姑獲鳥の夏』を講談社に持ち込み、出版決定。デビュー作となった。以後、二作目の『魍魎の匣』(日本推理作家協会賞)から着実に本の太さに厚みが増しており、読者の間からは「製本技術の限界に挑戦する男」というもっぱらの評判である。また、97年には「嗤う伊右衛門」で泉鏡花賞を受賞した。
仕事に応じて名義を使い分けるため、「10の顔を持つ男」とも言われ、アートディレクターとしても活躍中。綾辻行人らの本の装丁なども手掛けている事で有名。
また妖怪の知識も豊富で、昨今の妖怪ブームの火付け人の一人でもある。
トレードマークは手袋。
代表作:「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」などの妖怪シリーズ 「巷説百物語」 「どすこい(仮)」
<魅力>
妖怪シリーズの魅力と言えば、どこか幻想的な世界観とその事件性のマッチングがあげられるだろう。そして、その巧妙な舞台に相応しいキャラクターたちが所狭しと駆け回り、複雑に絡まった糸を解していくのだ。その解す過程が読者に快感を与えている。その方法は長々とした妖怪の薀蓄と超能力なのだから、毎回その解決方法には新鮮味があり、他のミステリと大きな違いを醸し出している。つまりそれこそ妖怪シリーズの色なのだろう。
本の厚さもやはり一つの魅力になっている。長々とした薀蓄だけではなく、異常心理と紙一重のきわどい心理を巧みに描いたり、また情景描写も独特のものがある。全体的に難解な単語を駆使し、難しい言葉も乱立するけれど、それがまた読者のこの妖怪シリーズへの深みにハマらせる道具のように思える。
1000ページと聞くと、気が遠くなりそうな感じがするけれど、実際読むと、その1000ページを一気に読破させてしまうだけの小説を書ける作家である。今、一番人気のある男性作家というのも納得できる。