皆さんから寄せられたりんごに関する素朴な疑問などをQ&A(質問、回答)形式でまとめてみました。


「ふじ」と「サンふじ」では何か違いがあるの?
違いがあります。
一般的に「ふじ」というと、色づきをよくする為に袋をかけて作られたふじ(有袋ふじ)のことをいいます。ある程度実が大きくなった段階でりんごに袋をかけます。収穫する少し前に袋をとると、人間が日焼けするのと同じ原理でりんごも綺麗に色がつきます。ただし、袋をかけている間りんごの実には太陽が当たらないので、袋をかけないで栽培したりんごより味が落ちると言われています。
これに対して、袋をかけることなく栽培したふじを「サンふじ」(無袋ふじ)といいます。色つきは多少悪くなり、枝などにあたってキズも出来やすいのですが、太陽の光をいっぱい浴びて美味しいりんごができると言われています。
要するに、「ふじ」と「サンふじ」は栽培方法の違いということです。
ヒロニワのりんごは全て「サンふじ」です。
(あと、サンふじでも色つきをよくする為に、着色に邪魔になる葉っぱを摘んでしまう(葉摘み)場合もあります。葉摘みも行わず、全く自然のままの状態で栽培したものを特に「葉とらずサンふじ」といいます。その意味ではヒロニワのふじは全て「葉とらずサンふじ」です)

送られてきたりんごの表面に白い粉のようなものがついています。消毒、またはカビなどではないですか?
それは消毒、カビなどではありません。
果粉という、りんごが熟してくるとりんごから自然発生する過熟防止の為の粉です。保存時には磨かずにそのままの状態にし、召し上がる直前に洗ってお召し上がり下さい。(皮をむいて召し上がる場合は洗わなくても特に問題ありません)
スーパーなどで売られているりんごは見た目をよくするために磨いてあったりするのでちょっと驚かれる方がいるようです。
磨く前
磨いた後
また、消毒に関しても、現在栽培管理が厳しく規定されており、ある農薬を散布した場合は、散布後人体に影響がないとされる期間経過後でないと販売してはいけない事になっています。当農園の農薬散布計画及び実施歴はこちらでご覧になれます。

送られてきたりんごのへたの部分の実が割れています。このまま食べても大丈夫ですか?
そのまま召し上がっていただいて問題ありません。
それは裂果という症状です。りんごが熟してくるとへたの付け根の部分の実が割れてしまう症状です。果実自体には何ら影響ありませんので、そのままお召し上がり下さい。
裂果しやすい品種:新世界、秋田ゴールド、ふじ
正常果
裂果果
裂果果(拡大図)

りんごを食べようと切ってみたら、種子の付近が黒い、またはカビの様なものがあります。このまま食べても大丈夫ですか?
そのまま召し上がっていただいて問題ありません。
それは芯カビという症状です。りんごを切ってみないと分からない症状な為、芯カビ果が混入している場合があります。品質には特に問題ありませんので芯の部分を取り除いてそのままお召し上がり下さい。
芯カビが発生しやすい品種:シナノスイート、秋田ゴールド
正常果
芯カビ果
芯カビ果(拡大図)

りんごの保存方法はどのようにしておくのがよいですか?
比較的湿度の高い、涼しいところに保存して下さい。
普段暖房をつけない部屋などに保存してください。贈答りんごの場合は送られて来た段ボールのままで構いません。その時、贈答りんごの中に入っていた白いシート(発砲緩衝材:オカパックシートS)は捨てないでそのままにしておいて下さい。白いシートは輸送時の緩衝材であるとともにりんごの日持ちを良くする為に入れてある物です。
冷蔵庫などに入れておくのもよいです。しかし、沢山だと入りきりませんし、りんごはエチレンガスを発生しますので、他の果物、野菜などに影響を与えないという理由からもビニール袋などに包んで保存して下さい。
ヒロニワでは収穫したりんごは、収穫コンテナに入れて、日が直接当たらないようにして倉庫に置いています。倉庫に置ききれないものは、雨で濡れないようにビニールシートをかぶせて外に置いています。(あまり参考にならないですね。。。)

倉庫に保存
ビニールシートをかぶせて外に保存
また、「ふじ」であれば、その年に収穫したものは、翌年の1月までは充分美味しく召し上がっていただけると思います。但し、日が経つにつれ、甘みが徐々に抜け、水分が少なくなってしまいます。また、場合によってはミツが入った部分が黒くなって痛んできてしまうことがあります。
最近では「シナノゴールド」という「ふじ」よりも日持ちが良い品種もあります。「シナノゴールド」は3月頃まで美味しく召し上がっていただけるとのことです。

美味しいりんごの見分け方はありますか?

りんごのおしりの部分が黄色または飴色のものが完熟しており、美味しいです。

写真1.「上から見た状態」

写真2.「下から見た状態」
「ふじ」を例に説明します。
左の写真1.「上から見た状態」だと右のりんごの方が大玉で、色つきもよく美味しそうに見えます。
しかし、写真2.「下から見た状態」だと左のりんごの方がおしりの部分がより黄色(飴色)です。
この場合は、左のりんごの方がより熟しており、美味しいりんごであるといえます。
(右のりんごも充分熟しており美味しいと思いますが。。。)
全体的に着色がよく、おしりの部分まで真っ赤なふじもありますが、注意深く見ると地色の部分が青みがかっていたりします。そういったりんごは熟しきっておらず、あまり美味しくないと思っていただいていいと思います。
(写真2.のそれぞれのりんごのおしりの部分を切り出した画像の色を確認してみて下さい。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、右のりんごの方が青みがかっているのがわかると思います)