フレ−ム 基礎編

●セッティング
 乗り方、エンジン、ドライバ−の好み、タイヤで違います。また、基本的にはすべてのカ−トがヨ−ロッパの高速サ−キットにあわせて作られているので日本のクソ狭いサ−キットでは計算以上のしなりを要することなどから予想どおりにならないことがあります。
 下に書いてあることは参考であり、逆のパタ−ンが生じることもあります。また、前後バランス等ト−タルで考えないとセットは出ません。また、人のセットはあくまでも参考程度に・・・

シート位置  シート取り付け位置によって操縦感覚がまったく変わります。どのフレ−ムにも基本位置があります。ただ、全日本等のハイグリップタイヤでのシ−ト位置なので大体そこから2、3cm後ろに付けます。
 基本位置は輸入元、カ−トショップに聞けば教えてくれます。
後はブレ−キングしてリアタイヤがハ−フロックするかどうかで前後を微妙に調整します。
 ミッションカートはフロントブレ−キの装着、ホイルスピンが起こりやすい為から、アンダ−が出ない範囲で後ろで寝たシートポジションになります。
 雨等は荷重が掛かり易くするため前にしたり、上にしたり立てたりします。
ウェイト  レースに出る場合、規定の最低重量があるので、規定に満たない場合付けなければなりません。多い人で10キロ位付けることになるので、カートのバランスに大きな影響を与えます。
 逆に言うとウェイトの位置でバランスを変える事ができます。
リアトレッド  コ−ナ−の脱出でアクセルを早く踏めるかが決まるため重要です。
 リアのトレッドを広げると、コーナーで横方面のグリップ感が増し、安定感が増します。また、リアのばたつきを抑える効果もあります。
 また、リアのトレッドを狭めると縦方向のグリップが増し小回りが利きやすくなり低速コーナーが乗り易くなります。
 フレ−ム剛性にも関係しますが滑る、横に逃げる感じがする時は狭く、引っ掛ったり、止まる様な感じがする時は広く。
 路面のグリップが低いときにはトレッドを狭めし、グリップが高いときにはトレッドを広げる傾向となります。mm単位でかなり変わりますのでセットを出すときは慎重に。
 大体1370〜1390mm程度になります。
フロントトレッド  トレッドを広げると、タイヤにインに向く力(走行抵抗)が強くなるが荷重はあまりかかっていない。コ−ナ−の中でグリップする感じになる。
 狭くすると逆の事が言える。コ−ナ−初期のグリップが増す。
 フロントトレッドはステアリングの感触で判断し、一発で向きを決めれるように調整します。
 常にハンドルを切らないといけない時は広く、カウンタ−を当てたり調整しないといけない時は狭くが一般的。
 また、狭いほうが抵抗も少なく良いが丁寧な操作が要求される。
トーイン/トーアウト  トーインにすると直進安定性が良くなりますが、その反面、走行抵抗が大きくなるめ、車速が低下します。
 トーアウトにセッテイングするとアンダーが強い時や路面状況が悪くコーナー進入時にアンダーが出やすい場合は、効果的な場合があります。
 実際にはトーイン、トーアウト共に0〜5mmの範囲で調整します。
 結構この調整をおろそかにしている人がいますが適切に調整しないとハンドリングが悪くなったり、タイヤが偏磨耗しますので、レ−ス前クラッシュ後にはチェック。
 大体、トーアウト2mmで人が乗ったときにトー0になります。
車高フロントリア  フロントの車高はフレームとナックルに入っているカラーの位置で、リアはシャフトのベアリングホルダ−の位置で車高を調整します。
 基本的には通常時は真中にセットしておき、路面に応じて変化させます。
車高を下げるとアクセル全開で抜けるような進入から割と高速なコーナーで安定感(旋回性)が増します。
 また、リアの車高を上げることによってリアトレッドを狭めたのと同じ効果がある。
 スプリントではブレ−キの効きを良くさせるため雨の時などグリップが足りないときは車高を上げます。
 コースレイアウト/路面状況、前後の荷重を少し変化させたいときにセッテイングします。
キャンバー、キャスター角度  偏心カラーを用いてキャスター/キャンバー角を同時に変更します。
 キャスターを起こすとリアの巻き込みが大きくなるためにオーバーステア的な挙動を示すようになります。
 キャスターを増やす(寝かせる)とリアのグリップが失われるためにアンダーステアを解消できます。
 キャンバー角度はコースコンディション・フレームなどの状況に応じてドライバーの好みにセットする必要があります。

 カートを前から見てタイヤの上側を広げる(ポジティブキャンバー)と、フロントの初期反応が良くなり、コーナー進入がクイックになります。
 逆に、上側を狭める(ネガティブキャンバー)と、フロントタイヤの初期反応は鈍くなりますが、コーナリングの最中で粘りが増すため安定します。
フロントアッカ−マン  ハンドルポストとタイロッドを繋ぐアッカ−マンを変更(取り付け位置を変える)とフロントの切れ角が左右の前輪で変わります。
 アッカーマンがきつくなるとクイックになります。
タイヤ  BSの場合、回転方向が指定されていますので、装着前に確実に回転方向を合せましょう。
 空気圧は、コンディションによって調整しますが、前後共温間で1.0〜1.1Kgになるよう調整します(冷間0.7Kg〜1.0Kg)。
 エア圧が低いほうが安定感は増すが、パワーロスが大きくなります。低すぎるとたわみが出て不安定に・・・
 エア圧が高すぎるとタイヤの接地面が少なくなるため、路面からの影響を受けやすくなり、コーナでの跳ね、ブレーキロックしやすくなります。
 タイムに一番影響を与える部分なので、TT、レ−ス用セットを決める事を勧めます。
フレ−ム剛性  フロントスタビ、リアスタビを使い調整。
滑って曲がらない時は外し、柔らかくしフレ−ムをしならせる。
パワ−を掛けたとき引っ掛ったり食われる時は装着し固くする。
タイロッド  ステアが安定せず引っ掛ったり食われる時は硬いものを使います。
スプリントではあんまり関係無いかも・・・
フロントバンパーボルト  シャシーとフロントバンパーを固定しているボルトを緩めるとフロント周りがやわらかくなります。
雨のときに緩めると効果があります。
最近のカートは雨でも良くしなるので緩めない人が多い。
リアバンパー取り付けボルト  このボルトを緩めるとリア周りの剛性が落ちます。
雨の時などカートを柔らかくしたいときにここを緩めることがあります。ただし緩めると脱落する危険性があるので、必ずバンアーとシャシーをタイラップで繋いでおきましょう。
サイドバンパーボルト  バンパーの取り付けボルト(前)を付けているとシャシー剛性は上がり、取ると、剛性が下がり、よれが出てインリフトしやすくなる。
シートステー  シートステーを足すことによってシートまわりの剛性をあげることができる。
踏ん張りがよくなり、コーナー脱出の際の蹴りだしがよくなる。
一方でリアが突っかかってしまうときもある。
シートステー交換  シートステーを足すだけではなく、設置場所を変えたり、形状や材質が違う物に変更する。できるだけリアのトラクションのかかりを良くし、その反面突っかかりは出さないようなコンビネーションを探す。
丸いタイプの方が硬く、平らな方が柔らかい。
スプロケ  スプロケはコースにあわせてフロント/リアの枚数を変化させてセッティングします。エンジン特性、ジャバラ、チャンバ−特性、タイヤ、乗り方、重量によってスプロケのセットは変わりますので、他人のセットは参考程度に・・・。
ロングなギア比を使う場合は、丁寧な乗り方で回転数を落さないように注意します。
ミッションでは半クラッチで回転数を合わせたりもします。
リアシャフト  オプションパーツで硬さの異なるタイプのリアシャフトが販売されています。
シャフトを交換することによってリア周りの剛性を変更することができ、コースやコースコンディションによって使い分けるのがベターです。
 基本的にはグリップが低い場合には硬いシャフトを使い、グリップが高い場合には柔らかいシャフトに交換します。
センターベアリング  コースコンディションが悪くグリップレベルが低い場合、センターベアリングを緩めることによって、グリップを得られる場合があります。
 このとき緩めたボルトが外れないように工夫する必要があります。
リアホイルハブ  ショートハブ、ロングハブ・スーパーロングハブがある。
短いとしなりが出て、長いと剛性が増す。
基本はグリップが低いとロング、高いとショートですが、ドライビングスタイルによって好みもある。
フロントホイルハブ 短いとしなりが出て、長いと剛性が増す。
このことから最近ではフロントをスプリントでもハブ仕様にし、剛性を上げる事もある。
基本はグリップが低いとハブ仕様、高いとノ−マルですが、ドライビングスタイルによって好みもある。
ホイル材質  アルミとマグネシウムがある。マグのほうが剛性が高い。剛性が高いとタイヤが真円を作りやすい。普通はアルミで足りるが、夏場など路面のグリップが高いときはSLでもマグのほうが良い時がある。
フロントとリアで変える時もある。
一般的にマグの方が軽い為、クルマで言う「バネ下重量の軽量化は効果的」なんでオススメです。
シャフト交換  シャフトを交換することによってリア周りの剛性を変更する。
基本的にはグリップが低いと硬いシャフト、グリップが高いと柔らかいシャフトにする。
シート交換  シートまわりの剛性とシャシーの返りのスピードを変えるため材質の違うものに変更する。
カーボンケブラーのものなどがある。カーボン繊維の枚数や貼る方向によっても性能差がある。
フロアパネル交換  フロントまわりの剛性とシャシーの返りのスピードを変えるため、硬さや材質の違う物に変更する。
アルミのほかにカーボンのものがある。
キングピン  フロントのキングピンを硬さの違う物に変更する。硬いものを入れるとフロントの剛性が増す。
柔らかいものはシャシーに優しい。
シャシー改造  どうしてもシャシーの動きに気に入らない部分がある場合は、切断・溶接したりすることがある。地方戦以上ではシートポストを切るというのは常套手段。