これが同じ世界に属する国か。 何においても見知らぬ、珍しい、戸惑う地。 湯煙の中で、暫しの安らぎが、彼らを癒す。
だが平和な里にも火種は在った。 「…本当は、結婚なんてしたくない」 でも、しょうがないんだ―――部外者へ吐露する少女は、そこだけで涙を見せた。 誰もいなくなってしまった。 少女の周りは有象無象に囲まれて、細い肩に圧し掛かる重圧は彼女を押し潰さんとしていた。
執拗に狙う黒い影の、素顔。 彼らは、光と影だったろうか。 ある一族の末路と、 またある一族の、迫る終焉。 運命に翻弄された少年と少女は、闘いを選ばねばならないのか。
「もう―――終わりにしようよ。…アスラン」
見開かれた瞳が湛える感情は、誰に伝われば救われるだろう―――。
「私たちは…殺し合っちゃ、いけないんだ!」
異国の地で、騎士の剣は翻らない。 沈黙を守る銀の刃は、何よりも雄弁に心を語る。
王武編 coming soon.
+++++++ カガリ・ユウナ…オーブの面々のおはなし。
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Date: 2005/07/19(火)
No.1
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