★運営委員会まとめ 女子挺身隊の過酷な労働のため身体を病んでいるみこ。 娘を思い、住みなれた豪邸を売り払い安普請の家に移って きた梯二郎。そんな父の願いをも砕く過酷で理不尽な税。 原作者 小島政二郎さんの実話にもとづいた作品の、父娘 を演じられたお二人に『息の合った絶妙の演技、父と娘の 心あたたまる思いやりがしっかりと伝わってきた』『娘を 思う父親は喜怒哀楽の激しい中にも、とっても暖かい心情 があふれていて、いつのまにか涙』など、沢山の賛辞が寄 せられました。 このように、今回の芝居の最大の魅力は、大滝秀治さん 奈良岡朋子さんの見事な演技力でした。『重いテ−マを喜 劇風に、見事に演じきった』という感想のように、コミカ ルな所作や台詞まわしが、『悲しくつらい話のはずなのに 観終わった後のさわやかで温かい気持』や、『幕切れの父 柾二郎の「みこ、お前は今どこにいるんだ」の台詞にあふ れ出る涙をおさえることが出来なかった』と、感動を深め |
たのではないでしょうか。 また、「学徒動員」「挺身隊」という言葉が幾人もの感 想文にあるように、柾二郎やみこと同時代を生きてきた会 員から寄せられた感想文が圧倒的な例会でした。 みこと同じように、挺身隊がもとで入院生活が続いた先 輩と、彼女を支え続けた挺身隊仲間の同級生たちの実話を 書いてくださった感想文。『戦後五十年がたつというのに、 彼女および彼女たちの戦争はいまだ消えていない』とあり ます。 声高に戦争反対を訴えるわけではないが、罪無き人々が 身も心も深く傷つき、それを背負って生きていかなければ ならない、みこの生きざまはそれに負けまいとする壮絶な 叫びだったのではないでしょうか。 戦争を知らない世代の会員は、この「未だ消えやらぬ『 戦争』」をどう感じたのだろうか。 |
感想文 ◎お二人の息がとてもぴったりと合っていて本当にたのし いお芝居でした。特に大滝さんの着替えの速さには感心し ました。人間というものは、みがき続ければ何歳になって も光り輝くことが出来ると改めて感じました。奈良岡さん のセリフとても聞きやすかったです。美声〜! うぐいす 50代 ◎よかった。カ−テンコ−ルの時、これだけの舞台をたっ た六名の出演者でやっていたのかというおどろき。大滝・ 奈良岡のご両人ならではのやりとり。前々回と似たセリフ の多い出し物でしたが、中身のこい考えさせられる内容で した。でも何かもう一つピタッとこない。 自分なら別の選択をするだろうと思う場面も何度かあり 気持がもう一つのってこない。ちょっと距離をおいて観て いた。設定の親子関係が特殊なのか、自分が変わっている のか考えてしまった。 親子ではあるけれど各々が相手の人格を認め自立した関 係。困った時は助け合うのが家族だと思うが。いつ、どん な選択をするのかがむつかしい。そりによって人生も大き く変わる。 良子 50代 ◎三月例会で芝居の醍醐味を久しぶりに満喫。他人への思 いやりを直截に表現する事のてれくささ・嘘っぽさ。それ を避けようとして人は頑固な、伝法な口のききかたをする。 そのおかしさを大滝・奈良岡ご両人が見事に演じた。 役者は自分の台詞を喋っておれば済むものではない。相 手方との丁々発止の台詞のやり取りこそが舞台の命である。 『君はいま、何処に・・・』にはそれがあった。『リチャ −ド三世』の致命的な失敗はそれがなかったことである。 アカンサス 60代 ◎さすがはベテラン大滝さん奈良岡さんのすばらしい演技 でした。言葉は荒っぽかったけど本当の親子の様な暖かさ がにじみ出ており息のあったところを見せて戴けて楽しか ったです。 お手伝い清子役の入江産さん、さりげない演技で家庭の ぬくもりといったものを出しており、目立たなかったけれ ど、すばらしかったと思いました。 実話にもとづいたものとの事に尚更胸うつものがありまし た。最後の「みこ、お前は今どこにいるんだ」との大滝さ んの絶叫には思わず涙してしまいました。 桜の園 60代以上 ◎最愛の娘が他界してしまう悲しくてつらい話のはずなの に、見終わった後のさわやかで温かい気持ち、これは何な のでしょうか。大滝さんと奈良岡さんの息のあった絶妙の 演技、父と娘の心あたたまる思いやりがしっかり伝わって きていたからでしょう。それと「ささ」役の伊藤さんの台 詞まわしがたんたんとしていて、一見かみ合ってないのか と思ったのですが、それがなんとも味わいのある温かさを 伝えて来て父と娘の仲にじゃまにならず快く受け取れ、よ い脇役を演じられているように感じました。 幕が開いて、今回の舞台美術はもしかしたら転換に時間 がかかるのかしらと思ったのも取り越し苦労、第一場の引 っ越ししたばかりの場から第二場もあっという間に片付づ いた部屋になっていておどろきました。裏方さんもご苦労 さんです。私の転勤の時の引っ越しも手伝ってほしいナな んて思ったりして...。 ワインレッド 50代 ◎父親に対する娘の言葉使いが最後までなじめなかった.. .と言うか、そういうタイプの娘を演じるのに、あの上品 でおっとりして美しい声の奈良岡さんでは何だか不自然で した。 それにしても大滝秀治さんの演技はすごい! 芝居が終 わって人影もまばらになったロビ−の椅子に毛糸の帽子を かぶった老人が疲れ切った顔をして座っている。よく見る とついさっき迄舞台の人だった大滝さんでした。近づくと 「どうだっかナ...今日の芝居は?」「この芝居は決し てとちってはいけない、それがず〜っとこわいんだよナ」 厳しい顔つきでやっと聞き取れる位の声でつぶやいていた。 舞台では楽しそうに演じているように見えて役者にとって 舞台は命がけなんだナ、ベテランの役者が命がけで演じて る芝居を地元でジカに見ることの出来る倖を、あらためて 思い、市民劇場に感謝! 阿修羅 50代 ◎素晴らしい舞台でした。 お芝居を観たというより人生そのものを一齣切り取って 見せて貰ったようです。戦前、中座で見た伊井容峰、河合 武雄、北村緑郎の大年増のやり取りを思い起こしました。 お二人に拍手を送ります。 清晃 60代以上 ◎君はいま何処にで戦争中から戦後、学徒勤労動員、成長 期にある中、食糧難にもなるし、この時代を体験したお二 人が演じてくださりましたので、当時の思い出が滲み出る ような表現力。 豪邸を売り払い小さな家に移り理不尽な税を取られた親 子の会話、他の人が立ち入る透き間がない本当の親子のよ うで、息のぴったり合った演劇で感激致しました。 グルメ族 女性 ◎君はいま何処に長いこと待った様な気がしていそいそと 出掛ける。雨降りが少々心配したがまあまあのいりでほっ とした。 さすが(ハップ)(デコ)と呼ぶ仲との由これほど繊細な 息の合った父娘の関係。私も女学校時代学徒動員に行った 自分を思いだし感動することも一塩でした。奈良岡さんの 言葉の悪いのが芝居をおもしろくしていた。大滝さんのパ ワ−にもびっくりしました。感動の余韻で寝つきが悪かっ た。 南天 60代 ◎大滝秀治さんも奈良岡朋子さんもからりの年齢と思われ ますが、声にはりもあり、二人は一期生として本当に息の 合った芝居でした。 みこ(娘)にそそぐ限りない父の愛情、そしてラストシ− ンの父親の絶叫、涙なしでは見られませんでした。久しぶ りに心に沁みるものでした。 桜の園 60代以上 ◎みこたちは、いまも・・・。 「君はいま何処に」を見ていて、ず−っと私は一人の方に 思いを馳せていた。彼女は私の先輩で、戦時中、丸女から 山口県の海軍光工廠に挺身隊として動員されていた。勤務 中病気になりそれがもとで下半身の自由がきかなくなった。 戦中から戦後を通して彼女の入院生活がつづいた。現在リ ハビリのかいがあり、やっと少しは歩け、身の回りのこと もできるようになられた。その間、彼女を支え続けたのは 挺身隊仲間の同級生達であった。 戦後五十年がたつというのに、彼女および彼女たちの戦 争はいまだ消えていない。香川県下の学徒動員数はおよそ 一万八千人、学徒死者三、挺身隊二千六百十一人(香川県 史)が記録されている。 幕切れの父、柾二郎のせりふが終わったとき、あふれ出 る涙をおさえることができなかった。 長月 60代 |
◎今回の公演、大滝さんの声が小さくてマイクがはずれて いるのか、私達のサ−クルは皆不満でした。丸亀の方は広 いので高松にくらべて全体に皆声が聞き取りにくいです。 今後よろしくお願いします。 みやこわすれ 60代 ◎家族それぞれの思いようが無理なく伝わってきました。 ベッドの上のミコの顔が、白く美しく残っています。素直 に感情移入することができ、あと庵治の良い観劇ができま した。 ありがとう 50代 ◎芸達者のお二人の息の合った芝居を楽しませていただき ました。父と娘の関係って、確かにそういう所があるなあ と共感する部分がありました。実生活の中でふと、このお 芝居を思い出す瞬間が、これからあるのではないかという 予感 ミント コッコ 40代 ◎現代にマッチした我が身の出来事の様でとっても感動し ました。一つだけ残念なのは、私は二階席だったから言葉 が聞き取れなかったのがとってもとっても残念でした。 でも私もう仕事の都合で・・・。 飛行船 50代 ◎こんかいの「君はいま何処に」は実話をもとにまとめた 作品とのことでして、とても感動しました。娘を思う父親 は、喜怒哀楽の激しい中にも、とっても温かい心情があふ れていて、所々でいつの間にか涙が流れて胸がいっぱいに なってしまいました。 実は、私の父も江戸っ子だったんです。「べらんめえ」 とまでは口調は激しくありませんでしたが、歯切れのいい 、腹に陰が残っていない、さっぱりした気性でしたので、 又、病気にも無縁の家庭だったから、毎日がさわやかな家 で過ごすことが出来ました。こういう病気というものが家 庭の誰かが背負っていると、どうしても陰気になりやすい と思うのに、陰がない、その日その時を精一杯明るく生き ている。 私も、今は三児の母親ですが、実生活は、ついつい愚痴 がでたりしてマイナス思考になり、暗い空気が流れるとき があります。でも、やはり一生一度の人生、出来る限り明 るく、楽しい生活を心がけなくては、両親に申し訳がない という気持になりました。 南天 50代 ◎主人公の父親の年令に近づいたためか、父娘の愛情の深 さが十分に伝わってきた。戦争中の「勤労奉仕」という言 葉を理解できる人々が少なくなりつつある現在では若干の 補足がいるのでなかろうか。 声高に戦争反対を叫ぶのでなく、重たいテ−マを喜劇風 の仕立てでさらりと流した脚本と、そりを見事に演じきっ た奈良岡、大滝両氏の演技はすばらしかった。 私の叔母もまた戦争に巻き込まれているが(更に言えば 叔父も義父もだが)あれやこれやの思いがこみ上げて来て 涙があふれて困った。 舞台装置も美しく、照明の見事さ、退屈させるものがな く、すばらしいの一言でした。それにつけても観客が中年 高年を中心とした女性たちで男性が少ないことにも驚かせ された。 こんな舞台を見ている女性たちは、日々賢くなって確実 に成長を続けていることを思うと、日本の将来は明るいと 感じた。 60代以上 ◎老いについて色々考えさせられる劇だったので、自分の 立場等色々対比しながら見させていただきました。 これからの人生色々過ごし方はあると思いましたが、ル −ルに入らないこう云う過ごし方もいいものだなあと思う 所が多々ありました。奈良岡様大滝様の芸達者の方々、劇 中に入り込んで色々考えさせられる事がしばしばでした。 大変な熱演、有り難うございました。 劇団チャイム 50代 ◎幕が開いて、引越し後の荷物のゴタゴタを見て、私は軽 くほっ、とつぶやいた。そして第二場の座敷と洋室(物の 配列を含む)を見て、今度はほ、ほとつぶやいて「洒落て るなあ」と思った。冒頭の舞台に何をしつらえるかは重要 なポイント稼げになるし、乱雑さと整然さの対称は観るひ との心を引き止めるに十分であった。そして数十秒の幕間 にいかな手法であのゴタゴタ荷物を片づけたのか、私は短 絡的に大いなる疑問を持った。(暗い幕間に、まわり舞台 が動いたとは...) ところで、大滝さん。ほんとに憎めないおひとですよね。 あのクシャクシャ顔・どなりたてるハスキ−な声・めがね 越しの頓狂な鼻筋・突き出す下唇と直立不動のまじめ姿態 などなど。けだし特異なキャラクタ−の持ち主であり、本 劇の田島柾二郎ははまり役といえるし、私は大喝采してま すます熱烈に贔屓筋のひとりに加えました。 他方、揺れるチェアに毛糸編み姿の奈良岡さん。めいっ ぱいのおめかしで娘役に挑戦したが、所詮演じることと、 なりきることのはざまには、一定の距離があるやに思いま す。父への心遣いは、はるかに越えてめ観る目には「夫婦」 のそれに近く映る。劇団民芸にはみこ役をこなす若い人は いないのかなあ。 白と赤の毛糸玉・「空」と「和」の掛け物・一輪挿しの 花・庭の草木・盆栽の移動位置等々細かい小物類の取り換 えは配慮ある効果演出として見届くが、いきなり抱かれた .まがいもののワン公はいただけない。それはなくとも芸 達者な大滝さんはちゃんと「心理描写」してくれますよ。 ちらしには彼と彼女「ハップ」「デコ」と呼びあう同期 生とある。別の素材でちょうちょうはっしと華々しくわた りあう熱演をひたすら念じ期待するものある。 六つ松 60代以上 ◎久々の民藝の私小説物に触れて快感を覚えた。生の空気 感にあふれ、舞台の光と陰が身体に浴びるかのようにふり かかり、装置の左右の明暗も見事で拍手を送りたい。 これはテレビや映画では得られない芝居の醍醐味でいそ がしい中にも芝居例会に足を運び心地よさ、会員であるこ との自己意識を高揚させるのである。サ−クルでの友情の よさだけでなく、芝居そのものの快感を毎回の例会が会員 に与える熱演こそ大切である。今回の民藝はこれに応えた。 大滝は文字通りのはまり役。役者と本人のどちらが本物 か分からなぬ位の迫真性。これ以外に別人の演技者は考え られぬ。奈良岡もわがままぶりと甘えぶり、それで父を想 う娘の心情が切々と伝わる。お転婆性も心にしみる。 彼女の「イルク−ツク」や「払えないの?」も好演だが、 こういうのもじつにいいと思った。ただ、もし、ぼくのわ がままをいってよければ、日色ともゑや樫山文枝の「みこ」 もまたペ−ソスがあるだろう。奈良岡みこのほかに日色み こ、樫山みこもみてみたい気がもたげた。 これはイルク−ツクの奈良岡の印象が強烈であること、 みこの身体に巣くう腎臓の病根をどう表現するか、柾二郎 や清子(お手伝い)とのカケアイにも関係する。 いずれにせよ、「リチャ−ド三世」がチャイコフスキ− とムソルグスキ−の下向音型とするなら、これはモ−ツア ルトの下向音型であり、ぼくは彼のト短調や二短調の室内 楽を聴く思いであった。幕が下りても席を立つ気持になれ なかった。重ねて拍手。脚本もすばらしい。 イカロス 60代 |