香川市民劇場例会感想文集

1998年4月例会 地人会「あかるい郊外の店」

運営委員会まとめ

 四月例会「あかるい郊外の店」は、山田太一作、木村光

一演出、鳳蘭・風間杜夫出演ということで、大いに期待さ

れた作品でした。                  

 「笑いに笑って大いに楽しませてもらいました」と、”

楽しかった”という感想が多かったようです。また「鳳蘭

さんが新鮮な演技を見せてくれました。」「風間さんはひ

ょうきんな面を好演できる方だと再確認しました。」と役

者に対する評価も高かったようです。中でも、野村昭子さ

んの存在感は大きく、「おばちゃんぶりが素晴らしかった

。」などの声が多く寄せられました。         

 今回舞台になったコンビニエンスストアは、昨今、どこ

にでも見かけるようになり、また、ニュ−スでも取り上げ

られるなど、大変身近になりました。「今風であり、何か

と問題を抱えている点でも今日の社会を反映していて、新




しさをかんじました。」「幸せがあるように見えて、実は

孤独な人間のたまり場」と、コンビニエンスストアという

舞台設定にも多くの感想が寄せられました。      

 この作品は、まさに今を描いているので舞台が身近に感

じられ、感想文のほとんどが役者への称賛とともに共感、

不満の差はあるが作品内容にふれていることが特徴です。

 ただ、「テ−マがはっきりせず、伝わってくるものが乏

しい気がしました」「中盤までの展開は興味を持ったが、

それから後は食傷気味となり・・・・・」とあるように、

一幕の盛り上がりが、二幕に引き継がれることなく、鳳蘭

扮する矢川芳美に歌わせるためだけに同じことを繰り返し

ているような印象を受け、内容が十分に伝わってこなかっ

た面もありました。                 

 全体的には、テレビでおなじみの役者の活躍や軽く楽し

める作品として、好評だったといえます。       



感想文

◎「あかるい郊外の店」大変素晴らしく見せていただきま

した。                       

 作品の中で、風間杜夫さんが扮する高月先生が言った一

言「病人さんは立てたらそれが幸せ、歩けなかった人が歩

ければ幸せ」私達は歩けること、立てることが当たり前の

ことになっていますよね。              

 生きていることに感謝することを忘れています。   

この作品では、忘れていたことを思い出させてもらいまし

た。作品は笑いがあり、すごく楽しかったです。    

”感謝”の心を忘れずに生活したいです。       

                  松風 20代



◎4月例会とても楽しかった。            

(私は久しぶりに恩師に逢うこともできました。)   

「あかるい郊外の店」恋物語と早合点して観ていた私には

何とも騒々しい舞台だった。思いがけぬ人物が現れスト−

リ−は続くが鳳蘭の決めたファッション、風間杜夫の医者

そしてコンビニエンスストアの店主等々観客を十二分に楽

しませてくれました。                

 地人会の皆様大変よくやってくれましたね。     

          桜の園 70代以上(女性)



◎あまり流行らないコンビニのイメ−ジ舞台とはどんなも

のか注視したら、眩しいくらい明るい洒落たしつらえに、

ついついぼくは客席から抜け出てカップラ−メンとガムを

買った。それぐらい本物とまがう設定であった。あれで商

いが繁盛でなきゃどうかしている。          

 なのに何故だか、深夜になると人が集まり、その場は売

り買いに関係のない奇声・追憶・ラヴ・変身・歌声・さら

にはことのなりゆき解説までが交錯してドタバタ騒ぎが起

こるのか。                     

 思い返してみたら、ご案内は寓話の夢物語とあった。 

案の定、漁り客、万引き、レジと伝票、刃物強盗、陳列架

をととのえるなどを絡ませた今日的想定を挿入してちょっ

ぴりやまやまをふくらませたのである。        

 だから、ぼくは中盤までの展開は興味を持ったが、それ

からあとは食傷気味となり、わるいけどうつむいたまま終

幕のくるのを待った。                

 でもね、ごくふつうの人がつつましくふつうのくらしに

あけくれて殻を閉じていてはゆめはみまごうし、ときめき

サスペンスは遠のくばかりであり、翔ぶことにかける動機

付けとなったのは確か。               

 あふふふん。わずかばかりの収穫である。翔べるかな。

              六つ松 70代以上



◎地人会4月例会。これは原作、演出の見事さとせりふの

たのしさに息詰まる思いがした。いかにも人工的なのに腹

が立たない不思議さ、これぞ芝居だという醍醐味が押し寄

せるのだ。演者もまたそれを心得て二重人格風に役柄をこ

なしたと思う。しかも、今日どこにでもあるコンビニとい

う舞台設定。そこに、しあわせがあるようにみえて、じつ

は孤独な人間のたまり場、人のすれちがい、小市民的生活

にひそむ、不幸感の堆積が深夜時間の中に覗く日々。  

 それを打ち破るのに何が必要か、中年に、若者に、老年

に、男に、女に何が必要か、われわれにつきつける刃(や

いば)が舞台に閃いたのだ。久しぶりにうれし涙にくれた

市民劇場だった。とくに風間を讃えたい。テレビでも映画

でも表現できぬもの。芝居の原点を提示したアンサンブル

に拍手。       イカロス 60代(男性)



◎今回の「あかるい郊外の店」は「コメディ」としては「

成功」でも、「ドラマ」としては失敗でした。     

 この作品のテ−マはコミュニケ−ションレス社会の象徴

=コンビニのなかでコミュニケ−ションを奪回することに

あった、と私は解釈しております。しかしながら「余りに

も寒々としたコミュニケ−ションのコンビニ」なるものが

十分描写されていなかったので、テ−マの重みがさほど伝

わってこなかったのです。              

 それにしても、今回はことに観客のマナ−が悪かったで

すね。               上田(男性)


◎笑いに笑っておおいにたのしませてもらいました。  

人をわらわせるドラマ作りは難しいと思われますが、意図

的に誘わない笑いはスマ−トで楽しい。このドラマの面白

いところは特に大きな事件を取り扱っているわけではない

けれど、むしろ日常茶飯事のことでありながら、日頃は無

関心を装うであろう他人同士なのに、何かのきっかけで皆

が本音でしゃべりだすという、そして予想もしなかったよ

うな結果を生み出すという、しかしいくらか予想はしてい

たということの可笑しさでしょうか。         

最後にはあの歯科医の話術にみんなのせられてしまいまし

たけれども、あの歯科医に悪意は感じられませんでしたし、

強盗を未遂に終わらせるなどの功労もありましたから、鳳

蘭さんが新鮮な演技をみせてくれましたし、風間さんもほ

んとうに楽しそうに演じていましたね。また野村昭子さん

のおばちゃんぶりも素晴らしかった。あのようなお節介お

ばさんは今は少ないのではないでしょうか。      

舞台がコンビニエンスストアというのも今風であり、何か

と問題を抱えている点でも今の社会を反映していて新しさ

を感じました。                   

人の配置もそれぞれの立場を代表していたと思います。今

は物があふれている時代なのに、人はいつも何かにせかさ

れながら働かされているようですし、職業のないものは社

会のお荷物か落伍者のように見られるという、こんな社会

はおかしいと思わないのはほんとうにおかしいですね。 

コンビニの若夫婦はあのままだと今にキレると思いますよ。

 山田太一さんの作品は人間の本質をついて笑ってばかり

もいられない物を感じました。            

              松風 60代(女性)

◎TVでよく見る俳優さんが出るので楽しみにしていました。

田舎でも来てくれるのが嬉しかったです。ただ芝居の方は

マイクがなかったせいか聞き取りにくい所も何カ所かあり

ました。(特に後ろ向きでセリフを言うとき)又、テ−マ

がはっきりとせず(俳優達が何度も言うにもかかわらず)

伝わって来るものが乏しい気がしました。鳳蘭さんはうつ

むき加減の演技がわざとらしく陽気になったときと変化を

つけようとしすぎたように思いました。風間さんはひょう

きんな面を好演できる方だと再認識しました。野村さんも

適役と楽しんで演じていらっしゃると思いました。   

 もっとコミカルなものとするかミュ−ジカルふうにする

か中途半端な気がしました。             

                 福寿草 40代

◎紀伊国屋ホ−ルで初日の次の日に観たときより、すっご

く良かったです。特に、風間さん!セリフがバッチリはい

っていて、やはり回を重ねるごとによくなっていったんだ

と思います。でも自分の役名、まちがえちゃいけません。

たくやじゃ『甘辛しゃん』になっちゃいます。     

キャストがすごくすきで、岡山の人達にも観せてあげたか

った!                       

 高松の市民劇場の方にはお世話になり、大変ありがとう

ございました。                   

      すくすく(岡山市民劇場) 40代



◎入会しまして2年になりますが、”今”を表現した劇は

初めてのことと思います。              

 限られた空間で表現するのはむつかしいですよね。最近

言われているコンビニの経営実情は、なるほどよくわかり

ましたが、自己変革がテ−マであるなら、中途半端だし、

が、とにかく俳優さんの力でコミカルなテンポの良さで笑

わせていただきました。               

 山田太一氏の伝えたいものは何なんでしょう。    

                 ? 60代女性

◎今回は「空席待ちシ−ル」を貰ったり、初めての経験を

して運営のやりくりのご苦労もわかりました。     

 幕が上がったとたん思いがけないお店が出現、今までの

舞台装置と全然違って一寸ビックリ。品物も充実していま

した。私自身コンビニエンス・ストアに入ったことないの

で面白く感じました。思わず手を叩いたりして。    

 帰って「まくあい」をみて山田太一とありあの人らしお

い内容だと感じ入りました。             

帰りは夜空にくっきりと半月に一寸足りない月がきれいで

した。楽しみを有り難うございました。        

              高橋 70代(女性)