運営委員会まとめ 五月例会青年座の「MOTHER」は、与謝野晶子を中 心に、明治の青春群像を描いた喜劇でした。 与謝野家へ集まってくる「鉄幹のもとを早々に巣立って いった才能あふれる北原白秋」「貧乏に追われた薄幸の詩 人石川啄木」「晶子に強く影響を与えた菅野須賀子」等の 歴史上の人物たちが、互いに影響を与えながらいきいきと 動いていました。 才能ある者を正しく評価し、その信奉者として生きた、 明治男の美学を「男がすたる」という言葉で表した鉄幹が 丁寧に描かれていました。それと対照的に、鉄幹によい仕 事をしてほしいと罵声をあびせながらも、鉄幹への愛がさ めていく気持ちと闘い、鉄幹を愛し抜こうとする晶子が表 現されていました。 文学者としてよりも、女性として、生活者として晶子が |
描かれており、その心情に共感を覚えたという感想文が多 く寄せられ、作者の意図がそこにあった事がうかがわれま す。 また、日本ならではの四季をたくみに織り込んでの脚本 演出も好評でした。特に、啄木が持って帰った桜の花びら が、特高が持ってきた啄木がすでに死んでいたことを知ら せる手紙からヒラヒラ落ちていくシ−ンは、とても印象的 でした。 今例会は、「セリフが聞こえない」という声にみられる ように、内容が十分に伝わりきれなかった事で、残念な部 分もありますが、全体とし鉄幹や彼らを取りまく若者達と の関係を通して、女性として、人間として、どう自立して 生きたかというテ−マが晶子の生き様を通して語られ、ス ピ−ディで楽しめる喜劇になっていたと言えるのではない でしょうか。 |
感想文 ◎人生は出会いと別れのくり返しですが、私はある事で少 し人間ぎらいになっていました。そんな時、お声をかけて 下さって、もう失う物はないのだから知らない世界に飛び 込むのもいい、そんな軽い気持ちで出かけました。タイム トンネルを抜けて大正時代に自分も居るような、そんな気 分になりました。ピッタリと息の合った舞台を観ていると 軽い気持ちなどと失礼な事を思った自分がはづかしく思わ れました。特に、春・夏・秋・冬とさり気ない小道具、花 とか陽ざしとか風鈴とか家具・夕陽・木もれ日、こまかい 部分までの演出と出演者の方たちに、こんな心のいっぱい つまったような世界もあった事を教えていただいて、私も 勇気ある生き方を分けてもらった気がします。ほんとうに いい出逢いをありがとうごいました。 菜の花 60代以上(女性) ◎今回の「MOTHER〜君わらひたまふことなかれ〜」 は素晴らしい劇でした。 机上の理論を第二部でぶつ石川啄木、峻烈なまでに個人 としての独立を保つ菅野須賀子、飽くことなく政治クサイ 理想を掲げ上げる平塚明子。彼らと対照的に地に足のつい た詩作を続ける与謝野晶子。晶子は「グレ−ト・マザ−」 であり、「グレ−ト・ワイフ」でもありました。これは良 妻賢母という封建文化の女性とは異なるものです。晶子は、 「原始のフェミニスト」であったのです。 それから、子どもの存在と動きを演出と演技でカバ−し たことには感嘆しました。 20代(男性) ◎文学史で習った人物の登場にとても親しみを持ちました。 晶子は本能のままに生きた人のように思い込んでいました が、鉄幹を愛し抜き大勢の子を育て多くの作品を残した精 力家でそれでいて仕事のむしでなく、可愛さおかしみのあ った人として描かれていて嬉しくなりました。鉄幹が無断 で売りに行こうとしていた晶子の蔵書が特高によって散乱 した時、私は夫婦ゲンカが始まるかと思いましたら、鉄幹 をかばい通したことに晶子の賢明さを感じました。自由奔 放に性が語られる今日もなお作品が官能的に感じられるの は不思議な気がします。それにしても津田真澄さんの熱演 にはのどが心配になりました。盛大な拍手を送ります。 いいお芝居をありがとう。 福寿草 40代 ◎登場人物総てが写真で見る文豪達に類似しているのは、 大変感心しました。特に鉄幹役の山本龍二氏、啄木役の五 十嵐明氏、大杉栄があの様に豪快な人物なのも嬉しい気が します。物語全体に漂う優しさを感じ、又とない良い舞台 だったと心が暖かくなりました。 マキノノゾミ氏の今後の活躍がとても楽しみです。 扇会 50代(男性) ◎明治の大物が揃いましたね。青年座の皆様本当によくや ってくれました。書物で読みました事思い出し乍ら観てお りました。それぞれの役柄、ム−ド、明治の末期に身を置 いた様でした。自分が主人公になったりしてね・・・・。 でもきれい事ばかりでもなく、とっても面白くあっという 間に時間は過ぎました。 さくらの園 70代(女性) ◎まさしくMOTHER、バイタリティあふれる母親の姿 でした。 で、しずかな場面はしずかでその分台詞が聞こえにくかっ たのが惜しいと思いました。きっと高松公演では改められ たことと思います。 芝居の楽しみ方はいろいろあって、脚本の良し悪しを見 る(?)のが楽しみ、という人も居ると聞きました。今回 は荷下ろしの手伝いをしたのでスタッフも心にとめてとい うふうに香川市民劇場は身近に感じられます。 まつの会 まだ50代 ◎★芝居以前のことであるが俳優達の科白聞こえず、後半 啄木が何か面白い話をしたらしいのだが全く聞こえず興味 半減した。 ★芝居の主題が男女の愛なのか、文壇の交友なのか、世相 の移り変わりなのかはっきりしない。これは台本が悪いと 言ってしまえば酷であろうか。 ★この芝居に大杉栄が出てくるが、大杉栄と言えば殺害さ れたアナ−キスト(?)と言う事を知っている評者にとっ て、大杉栄をこの様に扱うのは見当違いのような気がする。 ★「香川市民劇場」はこの様な歴史的事件を語った芝居が 多いが、「歴史的事件」が劇的でなければ、唯歴史の上っ 面をなぜるだけになるのではないだろうか。 悪例「NH Kの大河ドラマ」(決して見ない) Q |
◎「そんなわたしが好き」と言うあきこさん。そんなあな たがとても好きです。自分を誉めて上げても十分良い人生 ですね。「マザ−あきこ」のミュ−ジカル版でもよいかも と思ったりしながら楽しませていただきました。あとあじ がとっても良かったです。 こくりこ 50代 ◎MOTHER 君わらいたまふことなかれ 演題どおり肝っ玉母さんの与謝野晶子が、人生を前向き にたのしく生きている姿を感じられ、とても楽しいお芝居 でした。 友は友を呼ぶといわれるように、晶子の生き方に賛同し 自然に集まってくる人々、皆本音で話し、強い信頼と尊敬 し合って・・今、人間関係が希薄になっているといわれま す。晶子の生きた明治時代を少しうらやましく感じました。 弾圧に負けず我が信じる道を歩んでいる人々を。 ミッキ−マウス 50代 ◎はじめおかしな題名だナと思ってましたが、マキノノゾ ミ氏の書かれたもの読んで納得しました。「ものがたり」 読んでお芝居観て登場人物が同じ頃生きて交流があったな んて、考えたこともなくおどろきでした。個々の人物とし ては作品や物語で知ってはおりましたが、確かめてみたく 帰ってすぐ何十年も昔の国民百科事典ひらいてみました。 その通りのことがのっており白秋、啄木、大杉は生まれた 年号も同じでどうして今まで知らなかったのかと不思議に 思う程・・・。 あの時代に「君死にたまふことなかれ・・・」なんて堂 々とうたった歌人として尊敬し情熱の人とは知っていまし たが、現実の生活する人としては余り考えたこともありま せんでした。あんなにたくさんのお子を育て(それも電化 された便利な今とちがう時に)ながらまわりのものすべて に愛と真情で体当たりするような生き方、あわただしい動 作それが本当の家庭での姿だろうと思い一層スゴイ女性だ と立派さを知らされました。それだけに、パリに遊んだ鉄 幹との旅、よかったなあ・・とこちらまでうれしくなる思 いがします。マキノノゾミ氏の文の終わりに書かれた様な 気持ちにいつもさせて頂いております。 感謝 70代 ◎物語の時代のパワ−と同時に、私たちの先輩に、こんな にも活気に溢れた夫婦がおられたことを知りました。 自分の生活の中での夫婦、友達関係について、観劇後2 〜3日してから深く考えさせられました。 晶子が劇中で語る「美しいものが好き」という言葉が頭 から、心から離れません。 本当にありがとうございました。 うたかた 30代(男性) ◎今日のお芝居は時代の背景があり、私共には大変興味深 いものでした。楽しく観させて戴きました。 只、声が小さく聞き取りにくいところが多くありました。 願わくば、私共年配となる者は、声の通ったお芝居を鑑賞 致したく思います。故に、マイクを設置していただければ とても幸いと思います。切にお願いします。 60代 ◎あれこれと例会作品を観るうちに「どんな芝居を仕上げ るにも、それぞれの役割を果たす人たちがいるもんだ」と 思うようになり、その出来映えに少しづつ感心したり、ぶ つぶつ愚痴をこぼしてみたりするようになってきた。 私の指定席は(5/29)前の方であった。なのに、さ っぱり台詞が聞き取りにくいのである。そして、何か早口 で喋っているのはわかる。でも、話がみえないから筋道が わからない。わからないからおもしろくない。 マキノノゾミ氏は「お芝居は観て考えるものではない。 観て感じるものだ」とおっしゃっている。演者と観客の媒 体は台詞で結ばれ理解されあう。点と線とが空中分解した ら興味は半減してしまう。 六つ松 70代 ◎与謝野鉄幹・晶子をはじめあまりにも有名な方々の登場 なので、目うつりを感じてしまいました。 若き日の文士、文人、アナ−キストと言われる方々まで 登場させたのは、そのころの時代を物語るためだと思いま した。あの方々はほんとうに元気がよくて、国のことを思 って文字通り口角アワをとばしていました。与謝野家の床 は大丈夫かと心配したほどですが、とても頑丈に出来てい ましたね。実は私も、あの小道具の一つ二つを運びました ので、よく出来ているナと観ました。与謝野晶子の才女ぶ りは世間のよく知るところですが、それに対して鉄幹の凡 庸としたしぐさが面白いと思いました。晶子が婦人解放運 動に加わらなかったこととか、鉄幹が社会運動家の一人を お金で助けたとかはあっても、それ以上彼等にかかわりを もたなかったというのも、このお二人の特徴だったようで すね。 須賀子の亡霊と語らせる所とか、最後の場面で、晶子が 鉄幹に罵声をあびせるところなどは、晶子の気持ちを作者 が代弁しているように感じました。 激しい時代の動きの中に、このご夫婦がどう生きたかを 知るきっかけにもなりました。よかったという評価もあり ました。今後に期待します。 松風 60代(女性) |