香川市民劇場例会感想文集

1998年12月例会 劇団NLT  ばらばら


運営委員会まとめ

 松の内も明け、早や初音を聞く時候となりましたが、慌

しい正月から二月例会を迎えることになりました。   

 さて、今回の「ばらばら」は五人の俳優の旅興行用に書

かれた、それぞれスタイルも内容も違う、まさにばらばら

の小品四つで構成された作品でした。         

 しかし、内容は違ってもそれぞれが「私たちのまわりに

ころがっていそうなテ−マ」で「笑いながら物語の中に自

分を見、友達を見、他人を見る」との感想にあるように、

多くの人に共感を持って受け入られました。      

 今回は、舞台転換も楽しめる演出でスマ−トに処理され、

もっと「大胆にやって欲しい」との感想もありましたが「

舞台で着替える手際よさ、別の人物になりきる早わざ、珍

しいシ−ンでした」、「バザ−」から「ベンチ」への転換

への賞賛など舞台転換も楽しむことが出来ました。   


 五人の役者で四話の様々な役者を演じなければいけない

この作品は、それぞれの役者の力量が問われますが、川端

槇二、阿知波悟美を中心に軽快でアンサンブルのとれた演

技で客席を魅了しました。              

 内容に関わる感想に「何故これが一本のお芝居なのかと

いうことは分からなかった。皆さんは、お分かりになった

のだろうか」と「接続しているようで断絶してしまった人

間関係のネットワ−クを『悲劇』でなく『喜劇』としたこ

とに素晴らしさがあります。『ベンチ』の最後でそのこと

を強く感じました」があります。みなさんは、どう感じた

のでしょうか。                   

 さまざまな感想がありましたが、「面白かった文句なし

に面白かった」に代表されるように、おしゃれな喜劇やド

タバタ喜劇などスタイルの違う喜劇で、1998年の笑い

納めとなったことと思います。            



感想文

◎NLTの川端槇二さんは「NLTが丸亀に来たのは4年

前。オリンピックのようで洲。できれば2年に一度呼んで

欲しい」と挨拶されました。

私も2ヶ月に一回、劇場のある時だけお会いする人がずい

分いますが、できれば、その間にも旧交を暖めたい人がい

っぱいいます。(旧交でなく交流を深めたい、の方が適当

でしょうか)。

 面白かった文句なしに面白かった。周りの人が笑いをす

るのも、劇場でははじめての経験。「ああ面白かった」で

いいのだろうけど、笑いについての、ごくごく私的な一考

察。

 吉本新喜劇が、企業としても大成長。夫や子どもは、わ

ざわざ「吉本」を観に行ったりする。T・Vでも、日頃む

っつりの夫(基本的にはまじめ)「吉本」の時は、どこか

らでてくるのかと思うような種類の声で笑う。子どもも・

・・・・。「あんなどたばた、どこが良い。だいいち品が

ない」と憮然としているのは私だけ。

「ばらばら」で、レストランの給仕が「かしこまいり−ま

した」と何回も観客を笑わせるが、それと「吉本」はどう

ちがうのだろう。ともかく、「ばらばら」を観終わって、

まる一日たっているのだが、あの愉快な気分は思い出して

も心が弾む。

 今度から「家族」が「吉本」を楽しむことを、おおめに

みることにしょうか、でもやっぱり「吉本」は品がないと

思うのだが・・・・・。

「ばらばら」のもとのタイトルが「Confusions」と聞いて

納得。確かに、四つの話しはそれぞればらばら。でも、そ

の1つ1つはグチャグチャ。ただ、何故これが一本のお芝

居なのかということは分からなかった。皆さんは、お分か

りになったのだろうか。   泉水 50代(女性)



◎見る人を泣かす事より笑わせる事はむずかしいと思う。

演じる者が、あまりふざけすぎると、こちらは白けてしま

す。今回は本人がまじめにやればやるほど、はたから見れ

ばとてもおかしい、そんな四話。夢の世界に酔うのもよし

又今回のような日常、私たちのまわりにころがっていそう

なテ−マを息の合った張りつめたなかで大まじめに演じて

いる。思わずつりこまれて笑ってしまってハッとしたけれ

ど、まわりの人たちも笑っていた。笑いながら物語の中に

自分を見友達を見、他人を見る。みんな少し悲しく少しお

人好し、少しわがまま、それでいてみんないい人たち。 

 短時間の間にこんなにも多くの人の個性を演じ分ける方

たちに最高の拍手を送りたい。夢を有難う。      

             菜の花 60代(女性)



◎楽しみにしていた「ばらばら」。本当に賑々しく楽しく

いねむり?する間もなく、あっという間に二時間が過ぎま

した。舞台で着替える手際よさ。別の人物になり切る早わ

ざ、珍しいシ−ンでした。第一話ママ、第二話レストラン、

第3話バザ−、第四話ベンチ皆よく出来ましたが、ベンチ

は特に観ている方でイライラする程よく出来ました。役者

の皆さん関係者の方達、ありがとうございました。   

             桜の園 70代(女性)

 

◎理由あって、荷下しから荷揚げまで、裏方の皆さんと一

緒に居させていただいたのですが、やはり裏方の力がある

からこそ、こんな素晴らしい劇が出来るのだと感動しまし

た。(裏方の皆さんには迷惑をかけたけど)大変勉強にな

りました。それに役者、裏方ともに協力しているのを見て

とても羨ましかったです。 今後も頑張って下さい。  

             菜の花 高校生(男性)



◎「ばらばら」なんて題名、そして俳優さんの名前も馴染

みがないし、つまらない感じで、私どもには賀原夏子さん

の方が親しみがあるくらい、それだけの接点で期待せずに

出かけたというのが本音でした。始まる前「まくあい」を

読んで「ばらばら」の意味がわかり納得した次第。そして

案外面白かった・・・・。

 レストランの場面の二組の男女の客のこみいった会話の

内容はよく分からなかったけれど(それでもいいのか?)

夫々の内面の気持、、特に給仕役の気持などがよく表現さ

れ雰囲気が分かればいいのか−。ワインブ−ムでテレビで

みたりしていたのでワインを運んできてお客にすすめて、

それを手にとり飲むまでの一連の運びを面白く見ました。

 最後の場面、中央に何か先がやぶれた様な黒い大きい物

がぶら下がって、何かと思ってたらしばらくして左手横か

らふとい幹の様なのが動いてきてその下にくっつき、あっ

樹だなと思ったとたん明るくなり、きれいな葉の茂りまで

うき出し、立派な大木となり背景が明るいオランダ風の建

物に早がわりベンチがおかれ、さんさんと陽のあたる公園

になっていました。お見事でした!!。本当に楽しい「ば

らばら」でした。次回雨情の人生ドラマ楽しみにしており

ます。           70代以上(女性)

                

◎「ばらばら」楽しいお芝居でした。特に二話になる時の

舞台の裏の事、川端さんの言葉の変化、本当に面白うござ

いました。阿知波さん、テレビよりずっとずっと美しい方

ですね。劇団NLT応援しています。         

           ビジョ会 60代(女性)



◎漫画的で心に届くものが何も無かった。 年代的に受け

入れられなかっかとも思うが。労演を見直すきっかけにも

なりそうです。        三つ葉会 60代


◎「ばらばら」を鑑賞しながらモ−様(萩尾望都の尊称)

作、野田秀樹演出の「半神」以来の大爆笑をしました。む

ろん「ばらばら」と「半神」とは喜劇としての性格が全く

異なります。「ばらばら」は極めてよく計算されたテクニ

カルな作品です。椎名高志(漫画家)的と言えましょうか。

「半神」はエッセンシャルには「秩序の完全混沌化=揺す

られる快感」の作品でした。楠桂(漫画家)的と言えまし

ょうか。                      

 さて、「ばらばら」では接続しているようで断絶してし

まった人間関係のネットワ−クを「悲劇」ではなく、「喜

劇」としたことに素晴らしさがあります。「ベンチ」の最

後でそのことを強く感じました。           

            ちきり 20代(男性)

                

◎第一話は、あまり好きではなかったが、他の話と転換の

場面非常に良かった。こんな芝居もあるのかと感心。モダ

ンで歯切れがよく、テンポもよく、演技力もすばらしい、

特に川端槇二さん、素晴らしかったです。又来てください、

待っています。     ドラマサロン(60代)



◎わたしは74歳の年嵩爺です。そうですな。当劇場とは

長いお付き合いになりますな。いっとう最初の席なんぞは

勤めをサボっての観劇でしたので、うしろめたさと、して

やったりの心が交錯してそれはそれは浮きうきして落ち着

きませんでした。例会は滝沢さん(民芸)の「セ−ルスマ

ンの死」だったと思います。

 以来、高瀬駅から電車に乗り、高松市内に入り美術館を

うろうろし、本屋を漁り、パンを食ろうて、お茶をのみ定

刻ちょっと前に背筋をちゃんとして会員証の半券をモギっ

てもらい、指定の席に着く。             

 荷下しも体験した。ちらし挟み、知らない人との座席指

定作業はおもしろくあり、みんなで漕ぎあう実感を味わっ

た。そして名ある役者さんをかぶりつきで拝し、モドモド

してその夜は眠れませんでした。佳い例会・おもろうない

作品もありました。そりゃ全部がぜんぶ満点ちゅうわけに

はいきませんわな。時には天井裏の電気笠を員数したり、

どんでん返しの舞台装置にオタオタしたり、冴える拍子木

に目をみはり、なまの伝えに満悦し、いっときの空間を共

生するよろこびはいくたびか。芝居とはこんなものよと、

お脳は高揚し気分はルンルン。あれはいつだったかメガホ

ンを口にした夢見にはっとしたことがある。      

 それにしても、会員の何と女性群の多いことか。ただよ

う色香に、わたしごときは埋没してしまいそう。でも、み

足は懲りずにアクトホ−ルに向う。空は蒼くてきれい。 

              70代以上(男性)



◎キ−ワ−ドは幕間の省略。「こんな調子でつくるんですよ

」と、次幕のための舞台づくりを開示してくれた。ちょい

ちょい見かける技法で、もうサ−ビスの域を脱して本体へ

のつなぎ幕場といえよう。              

 なれば、それなりの対応を「照明とか音声など」を放出

して大胆にやって欲しい。              

 着想と反応の法則は、これはいける=ほんとうにうけた。

いける×うけない。うけないだろう=結構うけた。てなあ

んばいで喝采と知らんぷりは背中合わせ。本体の「ばらば

ら」は無駄がありすぎる。いま少し絞りこんでスリム化を

図り、こだまを糧にしよう。             

         六つ松 70代以上 (男性)



◎おもしろく拝見しました。不況だ師走だということを一

時は忘れて楽しむことが出来るものだと思いました。  

「ばらばら」だとは言え、どれも有りそうな話なので目を

離すことが出来ませんでした。            

 第一話の子育て真っ最中のお母さんはとても元気がよく

て、その孤軍奮闘ぶりには拍手を送りたいほどでしたがあ

れでは身が持たないなという気が致しました。わが子を育

てる目線で隣の人とのかかわりかたにも今少し工夫が欲し

い気がしました。                  

 二話のレストランでは、給仕の演技がとても味わい深く

て面白かったです。二つのテ−ブルの二組の男女の話を聞

くでもなく聞いていて、一見しおらしそうに装いながら最

後はどさくさにまぎれてお代はしっかり巻き上げるという、

まるで落語の話を観ているようでした。また給仕の動きか

たで会話が出たり引っ込んだりという新しい試みも一つの

冒険ではなかったかと思いました。          

 三話のバザ−も、最近各地で行われているイベントの中

の話の一つのようで笑いました。こいう催物は最後までわ

からないものですね。その日の為に主催者側は準備万端と

とのえたつもりなのに、どこか抜けていて冷や汗をかくも

のですが、ほんとうに見事に水入りになってしまいました。

最後のベンチは、人間の欲望やエゴイスチックなものがも

ろに描かれていたと思いました。他人の話は聞かない。し

かし自分はしっかり主張する。自分の居場所は他人に侵さ

れたくない等の気持は私の中にもあると思って考えさせら

れました。でも、これも平和の証だろうかと思いました。

今度は、話がとても豊富で満ち足りた気持になりました。

             松風 60代(女性)



◎お芝居自体は良かったです。でも、一階客席の最後列の

男の人のすごく耳障りで、不快な笑い声と「ブラボ−」の

掛け声・・・・あれは、さくらですか?演出の一部ですか

?もし、そうであるなら、私には理解できないし、したく

もありません。                   

 せっかくのお芝居も台無しになってしまうような気がし

ます。10年程、市民劇場に行ってますが、あんなに不快

な思いしたのは初めてです。

                30代(女性)