運営委員会まとめ 香川市民劇場の99年度の幕開けは、野口雨情を描い た九プロダクションの「枯れすすき」でした。豪華キャ ストの競演による、日本人の心のふるさととも言える童 謡を数多く創っている雨情の物語ということで大きな期 待で迎えました。 作品は、雨情の青春放浪記とも言うべきものでした。 雨情はつると出会って結婚し、経済的に困窮した中で「 枯れすすき」の詩ができます。人生の伴侶を得、そして、 どんなに貧乏しても、詩をつくって生きるのだというこ とに目覚めて、自立することができたのだと思います。 感想文は、「いつまでも深く心に残る作品でした」と いうように共感し、感動したという内容のものが多く寄 せられました。「ひろや子供たちにとっては、よき父親 とはいえない」雨情だったと思われます。しかし、ぼっ ちゃん育ちで、常識にもとらわれない無垢な雨情を、篠 田三郎が淡々と演じていました。それが、雨情の魅力を |
うまく表し、共感を生む結果となったのではないでしょ うか。 また、きっぷの良いまち勇を演じた高田美和や、若く てかわいい頃と年老いてなおかわいくなっつた梅太郎を 演じた日色ともゑに、賛辞が寄せられました。技量のあ る役者どおしの掛け合いは、さすがと思わせるものがあ ります。この作品は場面転換が多かったのですが、日色 ともゑの進行役が会場をわかせ、うまくつないでいまし た。 欲をいえば新藤兼人の映画的ともいえる手法が、雨情 の内面の変化を伝わりにくくしているようで、残念でも ありました。 篠田さん、高田さんは、風邪をおしての舞台となりま した。その役者魂に感服するとともに、舞台での厳しさ を感じさせられました。 野口雨情の詩と同様に、何かもの悲しいけれども、な つかしくて心温まる例会でした。 |
感想文 ◎昨年末頃から体調をくずし、楽しみにしておりました お芝居にも行かれなく残念に思っておましたが、今度の 「枯れすすき」は、みすごすことないと充分体に気をつ けて見せていただくことが出来、胸弾ませて参りました。 私たちの年代ではよく知っていることもありとっても感 動したしました。 特に、日色ともゑさんの若さにはびっくりすると共に、 役者としての徹底ぶりに涙が出ました。篠田三郎さんも かぜを引かれてお熱が出て、何も召し上がることも出来 ず点滴をなさり乍らの役者魂に頭が下がります。ありが とうございました。 南天 70代(女性) ◎楽しみにしていた初めての参加でしたが、感動しまし た。一日中の畑仕事の疲れがいっぺんに吹き飛んで舞台 にひきこまれました。地方でこんなすばらしい舞台が見 られることに感謝しています。そして雨情のすばらしい 歌の数々は今後も歌い継いでほしいものだと思います。 又、会員数が減っているとのことですが、丸亀のステ− ジは是非とも残してほしいと願っています。 もしもし 60代(女性) ◎久しぶりに豪華なメンバ−によるお芝居に、終始興味 深く鑑賞できました。 ユ−モアあり、しんみりとした所ありで、役者さんの 身のこなし一つにしてもベテランの貫禄がみなぎって、 内容もさることながら今回は、役者さんの演技のうまさ に感激いたしました。市内でこんなすてきなお芝居が見 られて本当に幸せです。 さくら会 50代(女性) ◎今日の舞台は、一月にふさわしいお芝居でした。 久しぶりの豪華なメンバ−のお顔の上、一流の演技、 熱演を観劇させていただき、一言「満足」の言葉に尽き ます。 これからも楽しみにしております。有り難うご ざいました。 カメリア 50代(女性) ◎出演者もさることながら、「枯れすすき」期待してい ました。生活の苦労を知らぬ心優しい雨情は誰にでも優 しく、世間体にこだわらず思うままに生きてきたのです ね。結婚して子供が産まれても、父として一家のことを 考えることもなく、好きな人と生活を共にする「考えれ ば無責任この上もない生き方の中で」こそ、あのような 詩をつくり続けることが出来たのでしょうか。篠田さん、 高田さん、日色さん、その他の方の熱演で長時間、楽し いひとときでした。思いつくままに。 70代以上(女性) ◎期待しておりました。そして期待以上におもしろく、 帰路も満足りた気分でした。 何といっても日色ともゑさんのおもしろおかしいナレ −ションが新鮮でよく利いていたと思います(老女役だ ったので一層興を添えた)このような演技を見事にやっ てのけるのはさすが大女優。心にくいほどの演技にもう 一度拍手。 パチ、パチ、パチ・・・。舞台ならではの味わいでした。 時間についての希望ですが、昼間公演の観客は主婦が 多いので、出来るだけ早く始めていただけたらと思いま す。遠方ですので、3時半までには終わるようにご配慮 願いたいのですが・・・。 銀河鉄道 50代(女性) ◎一年前から期待と希望に、胸ふくらませていた「枯れ すすき」がやっと来ました。篠田三郎、日色ともゑ、の 両人も私の大好きな役者の人たちです。 期待に違わず日色ともゑのすばらしい演技力とユ−モ ア、そして篠田三郎の心に泌み入る、人をひきつける素 朴ながらもすばらしい役者根性に、今更に引き込まれま した。演出も良かったと思います。本当に短く感じられ る三時間でした。感激とそこはかとなく漂う感傷に、余 韻を残しながらに終りました。 「シクラメン」のメンバ−は高齢のため、お手伝いも出 来なくて退団の話も出ていましたが、今日のお芝居で、 又元気になりました。2・3年前の有馬稲子、亡き杉村 春子、宇野重吉など、印象深いものでした。会費が高く ても、いいお芝居を希望しています。 シクラメン 70代以上(女性) ◎20年弱の間をおいて再会員になりました。最近の演 劇の幕間の使い方が大変よくなってきました。観客をひ きこみ一体になれるような気がします。 「枯れすすき」は(おじぎ)が実によく使われていて、 言葉の余韻になっていたと思います。日本人として嬉し く又私もきれいに(おじぎ)をしたいと思っています。 どしゃぶり 50代(女性) ◎「ばらばら」上演の際にマナ−が悪かったのは、この 私です。自分の楽しみばかり考え、他人の観劇の妨害に なって大変申し訳ありませんでした。今後は自重します。 さて、「枯れすすき」ですが、主として不運時代の野 口雨情にたいして過度の感情移入をするでもなく、かと いって冷たく突き放して「客観的に」眺めるわけでもな いことに感服いたしました。 野口雨情は「枯れすすき」ではどこか不思議な人とし て描写されている気がしました。彼は、一見「非常識」 な男です。しかし実際はそうではありません。雨情は神 坂一(作家)の作品に出てくる人物同様、それなりの「 尺度」を持っています。他の人もそうです。そして、人 によって「尺度」は異なります。雨情の場合、その「異 なり方」が大きすぎただけです。そして、「枯れすすき」 のヒュ−マンな笑いはそこから生じたのです。 これからも良いお芝居をお願いします。 ちきり 20代(男性) ◎よかった、よかったを連発して帰りました。泣けてし かたがなかったという人も居ました。あのバイオリンや 大正琴の音色にはほんとうに泣きたくなるような響きが ありました。大正という世情不安な状態を奏でているよ うでもありました。歌声も透き通るようなよい声でした。 「枯れすすき」という歌はあまりにもうら淋しくて、 私の好みではなかったのですが、これからはしみじみと 歌ってみたいと思いました。あのすすき野原を思い浮か べながら・・・。あのシ−ンはとても印象的でした。 篠田三郎さんが少し元気がなかったのでは・・・と、 そう言わればそのようにも見えましたが、たとえ汚れ役 を演じたとしても汚れてしまわないような清さが残る、 そういう彼の持ち味の方を私は買いたいと思います。日 色ともゑさんは元気でした。元気印のおばあちゃん役は とてもお似合いでした。この芝居のもり立て役でもあっ たと思います。高田美和さんも美しく新派のような重量 感のある演技でした。いつまでも深く心に残る作品でし た。 松風 60代(女性) ◎久しぶりに「よかったネ、よかった」と友人と話が出 来たお芝居でした。素人として気になったことを書きま す。場面が多すぎる、もっと一場面を長くしてほしい。 終焉の場はいらないと思います。知らない者がとは思い ましたが、よかっただけにもう少し考えてほしいところ を書きました。 ミッキ− 50代 |
◎泣いた。笑った。日色ともゑのコケティッシュな演技 に思わずペンをとって、この感動を伝えたくなりました。 野口雨情は、実に幸せな男だった。彼をとりまく3人の 女性あってこそ、心にしみる歌の数々が生まれたと言え るでしょう。 二人の子供を立派に育て、野口家を守る賢い女性「ひ ろ」、母性愛のような大らかさで雨情を自由に遊ばせた 「まち勇」、若くしなやかな感性と勇気で彼を支えた「 つる」は、それぞれに魅力的で、ある意味では女性向け の劇だったと言えるかもしれません。特に私は3人の女 性の中でも「まち勇」の気っぷの良さ、度胸に心底ホレ てしまいました。それだけに、彼女のみじめな屈辱的な 後半生には心が締め付けられる思いがしました。 最後に、しゃぼん玉、からす、夕焼けと雨情のメロデ ィ−が流れあの浮世離れした「〜やんす」の雨情を思い 浮かべながら、彼の世界に浸ったことでした。 三人娘 40代(女性) ◎雨情の物事にとらわれない風のようなさらさらとした 生き方、しかしこの世ではそぐわない魂の持ち主、その 純粋な人柄に引かれる女たちの女心、よくわかる気がし て心打たれました。 本当はできることなら、私もあのように生きてみたい と思うのですが、そうはいかない世の中なんでやんす! カメリアコ−ラス 30代(男性) ◎向かいから、しふしふと、そのぬくもりがつたひくる から、とかくのことはいわんほうがええ。 率直な気持ちにひたるほうがええでやんす。 似つかわしい人たちが似つかわしい役を、起承転結、純 朴にこなして、雨情抄伝の余情を味わいもらうた。 そして「花の咲かない枯れすすき」の終節までを、い つともなくにくちずさむればそれでええでやんす。 どらごえの抜けた音痴に越したことはなく、いやはや ふさわしくあるかも。 六つ松 70代 (男性) ◎見た限りの雨情像とは。 あっけらかんのお人好しちゅう感じ。あれじゃ暮らしの 営みなんぞは出来はしまい。なのに、おなごはんを三人 も取っ換えた事実は、駄目人間としての才覚は並以上の もの。 さて、篠田雨情。明治、大正、昭和と生きたわりには 容姿不変で押し通した。としを取ることを見せるのは、 そんなに面倒臭いことなのか。 うたづくりにはそれ相応のエネルギ−が要る。葛藤もあ ろう。どれほどの苦渋をついやしたか、期待したのに演 じる前に葬り去られて興味全滅。 帰り際の雑踏中「紙芝居を見ている錯覚に落ちた」の つぶやきを耳にした。つまらない人間・雨情を抉りだす 泥臭い描写・厚みを加える演出がいまいちだった感はあ る。 なの字 70代以上(男性) ◎この度「香川市民劇場」に新入会させて頂きまして、 初めての観劇「枯れすすき」を楽しませて頂きました。 会場へ参りますと、大勢の入場を待つ人々の明るい顔。 受付のお当番の方々のきびきびした整理の姿など、ああ これが”市民劇場”という、皆の演劇鑑賞会だなあ!! と実感致しました。 お芝居は、テレビでお馴染みの篠田三郎さん、日色と もゑさん、高田美和さん等、出演者全員の熱演と、舞台 の転換も早くて、第一第二幕とも集中して鑑賞させて頂 きました。 日色ともゑさんの梅太郎と老婆の二役がとても面白く、 老婆の方はさすがベテランだと感心いたしました。とて も楽しかったです。有り難うございました。次回が今か ら楽しみに致しております。 かたくり 70代以上(女性) ◎「枯れすすき」大変心待ちにしておりました。第一幕、 第二幕共に明治、大正そして昭和各時代をよく表してお りました。やさしくかなでる楽器の音色「同じお前も枯 れすすき」。いやが上にもロマンでした。雨情の人生の 終焉はとてもさみしかった。いろいろ長い人生でしたね。 やはりお芝居は実感が湧きました。幕間にでてくるお ばあさん、とてもユ−モラスで楽しかった。よく出来ま したね。 桜の園 70代以上(女性) ◎同じ職場の友人の誘いにて今回初めて参加させて頂き ました。 大正生まれの私は、子供の頃よりよく聞き共に口ずさ んだ懐かしい唄「枯れすすき」の作者、野口雨情氏の生 涯を、日色ともゑ様のユ−モアたっぷりの演技又目まぐ るしい程早くの舞台変わり、又すばらしい舞台、すっか り魅了されてしまいました。そしてその内容により雨情 氏の人柄の良さ、こんな方が作られた唄「七つの子」「 赤い靴」等々、益々好きになりました。余生幾年か、7 7歳の老婆ですが、今は職場におります。退職しても尚 生ある限り楽しく思い出し、口ずさんで参ります。 有り難うございました。 梅 70代以上(女性) ◎舞台の最後で唄われたたくさんの童謡が、みいんな雨 情の作だったと知り胸にしみ通るような思いがしてきま した。 今まで何気なく明るく楽しく唄っていたのだが・・・。 雨情の歩いてきた人生初めて知り、もの悲しい感動を覚 えました。 でもああ言ういい歌が生まれたわけで、みいんなに愛 唱されて幸せだったと言うべきでしょうか。 つるとの結婚の折り女将まちの態度、昔のよき日本の 姿みた様でした。それだけに老いの身を病に伏している とき、雨情が助けられる身分になつていて、こっちまで ホッといたしました。一人の実在の人間の人生を知り、 心がにぎやかになりました。有り難うございました。又 楽しみにしております。 70代以上(女性) ◎今回の「枯れすすき」、出演者が篠田さん、高田さん、 日色さんと私の好きなスタ−揃いなので、とても楽しみ に待ち、幕開きをドキドキしながら見ていました。 雨情さんの昭和時代は知っていましたが、明治時代に 結婚し、二人の子供がいて最初の奥様と別れたことは全 く知りませんでした。それに雨情さんの育ちの良さとマ イペ−ス型、大らかさがよく表現され、つるさんとの出 会いから人生のどん底に落ち、一粒の米もなく、ぎりぎ りでも他人に頼らず、二人で立ち直るきっかけとなった 「枯れすすき」を生み出したこと雨情さんを通して、人 間のすばらしさ、やはり楽ばかりしていてはすばらしい 物は生まれない。人生のきびしさもよく解りました。 又日色さんの再々登場のおばあさんが、とてもかわい いお茶目なおばさん役で、芝居を盛り上げていて良かっ たです。 椿 50代(女性) ◎野口雨情抄伝・枯れすすきは、詩人とは何であるかを じつに具体的に表出して成功した作品であり演技ならぬ 演技をこなした篠田の好演ぶりが光った。日色はいかに も達人ぶりを示して台本のシリ−アスさにたのしみを加 えた。第二次戦後の日本人は欲ぼけで何でも欲しがる傾 向にあるが、心の浄化を持続するには、何を捨てねばな らぬかをこの芝居は教えた。得ることより捨てる勇気と 天衣無縫さを教えた。イカロス 60代(男性) |