香川市民劇場例会感想文集

1999年5月例会 橙色の嘘
運営委員会まとめ 

「お父さんこれでいいの」娘の叫びにも、茫然とたたずむ

父。そのとき自分ならどうするか。考えながら家路を辿ら

れた方が多かったのではないでしょうか。

 心のつながりを失って、ばらばらとなった親子と対応す

るように、「星川医院」の閉院を決意するところから物語

は始まる。

 思いがかみあわない賢一と恵美の寒々とした会話。一幕

は鈴木瑞穂の老練な重厚さを醸し出しながら静かに進行し

てゆく。

 やがて、三十年以上看護婦として働いてきて家族同様の

陽子の嘘から、テンポよくコミカルな二幕となる。「鈴木

瑞穂さんのベテランの味と、川口圭子さんの若々しい味と

良く息があって楽しかった。松下砂稚子さんも本当に自然

に演じられて、ハラハラワクワクしながら」「青年のよう


な身軽さに驚き」の感想のように、賢一と恵美が賢明に偽

りの親子(断絶しているが、本当の親子)を演じ、陽子や

その看護婦仲間も交えながらの軽妙な台詞のやりとりが、

身近で暖かいものを感じさせてくれました。

「鏡の中を見てごらん、お母さんがいるよ」娘に語りかけ

る父のことばが、再生を予感させながら・・・

 終幕、騙されているのは看護婦仲間ではなく、賢一だっ

たことを知らされる。「観終わって涙がホロリ、男の人は

本心を素直に表すことをしない。妻もしんどい。」の感想

が寄せられました。

 父と娘の関係を縦軸に、陽子の絶望的な愛の吐露を横軸

として重ね、家族を浮かび上がらせてくれました。浮遊す

る家族関係を改めて考えてみたいものです。

 コテ−ジからの夕焼けなども素敵で、鳩時計の音と、カ

ラスウリがいつまでも心に残る舞台でした。



感想文

◎新緑のさわやかな季節に香川市民劇場を観劇させていた

だき、そしてお手伝いを少しさせていただき、新しい御仲

間入りさせて頂き、又明るい笑顔の皆様と出会いをいただ

きました事何より嬉しく思いました。

又お芝居の方もとっても感動的でした。

人間とは親子とは共に愛し赦されて生きていることに気付

かされ、又改めて生きている歓びを感じました。

ありがとうございます。             合掌

               カメリア 50代



◎「橙色の嘘」は底辺に深いかなしみを持った、人情味あ

ふれるコメディでした。賢一も恵美も陽子も軽妙なやり取

りを交わしながらも、「家族」に飢えていたのですね。

でも、それは浜辺にできた砂のお城ようなものでした。

その「城」が消えた地点に賢一は立ちすくんでいた・・・

そのような印象を受けました。ちょうど村上春樹の「ノル

ウェイの森」(私はこの小説を全く評価しませんが。)の

ラストで主人公が電話の前で寂しく立っていたように・・

・。

 これからも良質のお芝居を提供して下さい。

これからもずっと演劇を応援していけたらと思っています。

              ちきり 20代男性



◎楽しくも何だか落ち着かないお芝居だった。

院長が閉院を決意したその時から始まるスト−リ−。暮れ

なずむコテ−ジで繰り広げられる真っ赤な嘘は観客をはら

はらさせながらも三つ巴の熱烈演技は続くそして精一杯の

嘘はやがて橙色に・・・

星川眼科医院さようならスタッフの皆様ありがとうよくや

ってくれました。

            桜の園 70代女性以上



◎’感動が生きがい’とか何かでみましたが、それでは私

などお芝居から感動やたのしみを頂いております。

今日も私よりお年上とみられる方、杖を持ってらっしゃる

方をみて、自分も出掛けられる間は楽しみとしてつづけて

こようと思ったことでした。

運営なさる方々のご苦労感謝しております。

栄えて持続することを祈るのみです。

感想文に「小さき神の・・・」余りよくなかったとかかえ

たのありましたが、続けていろいろみてる中におわかりに

なると思います。

今日の「橙色の嘘」笑って笑ってそして芯には真実がキラ

リと光って?−。最後、拍手で足りなく私手をふってしま

いました。

ありがとうございました。

                女性70代以上






◎鈴木瑞穂さんのベテランの味と川口さんの若々しい味と、

良く息が合って、楽しかった。松下さんも本当に自然に演

じられて、ハラハラワクワクうぃながら観させていただき

ました。ありがとう。

                   60代女性



◎何処の劇団もキビキビと働いていられますけれど、今回

の搬入の時に危険だからと注意や重いもの運ぶ、置く、時

の指示や受け取られる方の”アリガトウ”の言葉と笑顔、

心配りをすごく感じさせられました。気持ちにとても良い

もの残して下さった事感謝です。

お芝居も”桃色の嘘”って何だろうと好奇心一杯でしたし、

身体の柔らかさ、セリフの迫力、とても若いと感心しまし

た鈴木さん。ドラマの中で細胞が若返るだろうと想像され

る筋運び、中高年でも心に刺激を与えられたら生命力が強

くなること、上手に表現されて共感。役者さんが若いのは、

いつも前向きに求め続けていられるからでしょうか。松下

さんの演技からも、スト−リ−からも”医院でも友人にも

良い人間関係を持たれたわね”と声をかけたい思いでした。

まわりの方にも存在感あり、分かりやすいお芝居で、人生

沁々、最後涙がじわりでした。

             三人官女 60代女性



◎現役を退こうとする老医師の心のうつろさや苛立たしさ

をたまたま訪れた娘とのやりとりで表していたと思います。

現代の親子関係のきびさいさは我々には想像できませんが、

労をねぎらうでもなく、対等に親に向き合う娘の姿はこの

場の明るさでもあると思いました。もうこのまま老い込ん

でしまうかと思われた老先生に思いがけない話が出現する。

演技だけとは思えぬほどのハッスルぶりで夫役を演じた鈴

木瑞穂さんは青年のような身軽さに驚きました。やがて、

友達に嘘をついていたことを告げられて去ってゆく彼女を

親娘でなすすべもなく見送るラストシ−ンは哀しい。”嘘

から生まれた真”ということもありますが、この場合も嘘

ばかりではないものを感じ取る老先生の心は一挙に凍って

しまうのではないかと思ってしまいました。これから二人

はどうなるだろうかと、こんなにも思いを残す舞台も少な

いですね。舞台装置もよかったし、幕間に音楽があるのも

よかったです。

               松風 60代女性



◎見終わって涙がホロリ、男の人は本心を素直に表すこと

をしない。妻もしんどい。

                   60代女性

◎・とても解りやすく、楽しかった。

 ・中高年の婦人達のあり方も参考になりました。

 ・話の内容も最近よく見られる光景でなじみやすく、身

  近に感じ、同感する場面もあった。

                 椿 50代女性