香川市民劇場例会感想文集

2001年9月例会 地人会 日本の面影
2001年度四国市民劇場作品賞受賞

感想文

◎人は死ぬのだと、しみじみ思わせるラストシ-ン

でした。永遠の眠りにつくというのはあのようなこ

とを言うのだろうと思いました。虫の声を聞きなが

ら、愛する妻に見守られて安らかに死んでいく。と

ても感動的でした。

 妻のセツさんは、やさしくて賢くて、美人でとい

うふうに描かれるのですが、三田さんのセツさんも

素晴らしかったです。よくま、あれほど動けるもの

だと思うくらい、しかも清々しくて、満点の主婦ぶ

りでした。小泉八雲が奥さんにしたくなるのは当然

だと思います。彼が最初の赴任先が松江であったと

いうのも彼にとって、最も良きことの一つだったと

思います。結局彼の愛した日本というのは松江の人

々の中にこそあったのであって、東京でも熊本でも

なかったというのが、特徴的だったと思います。松

江の人々の人情というのは、あの肉料理を食べさせ

るところに見せてくれました。あの場面は唯一笑わ

せてくれましたね。風間さんの旨い!と言った、あ

の言葉が耳に残っています。

 小泉八雲と怪談話もまた切り離せないお話のよう

ですね。何故でしょうか?子供の頃のあの恐ろしい

戦争体験のせいでしょうか。でも私たちも恐いもの

見たさというところもありますから。

 ”雪女”は、まったく無理なく観ることが出来ま

した。”耳なし芳一”は、ずいぶん工夫されたので

はないかと思いました。日本を愛してやまなかった

という八雲を風間さんは味わい深く演じたと思いま

す。とても印象深い作品でした。

 ロンドン公演も成功しますように。

               松風 60代女性



◎「日本の面影」とてもおもしろくみせていただき

ました。特に印象深かったことが二つほど・・・。

一つは日本語(特に出雲の方言)の美しさをあらた

めて認識したことです。劇中で語られた、いろいろ

な民話や怪談、どれもとても魅力的なものでした。

 二つ目は、ハ−ンの臨終のシ−ン。人間の死とい

うものをごく自然に(生の延長として)受けとめ、

天寿を全うする。こうできればいいだろうなあと思

いつつ、私であれば、まだまだ死の恐怖を乗越えら

れないです。以前、誰かが「ハ−ンの、こういう臨

終にあやかりたいものだ」と言っていましたが、い

まは、この気持ちがとてもよくわかります。という

わけで、この濃密な舞台に、ドップリ浸って、充実

した二時間でした。

 ありがとうございました。フィガロ 40代女性



◎とても良いものを見せていただきました。

 失われつつある日本のよいもの・・・とくに「家

族のきずな」のことを思いました。夫も私も親を東

京にのこしたまま、ここ香川で核家族の生活を10

年しております。両方の親と近所に住んで夕飯のお

かずをやりとりするような暮らしをふと夢みてしま

いました。

 役者さんは達者なばかりでなく、全体のチ−ムワ

−クの良さのようなものが感じられ安心して劇の中

にひたることができました。照明・音響・大道具・

小道具・衣装に至るまでよく吟味されている感じが

しました。

ありがとうございました。  菜の花 40代女性



◎しっかりとしたお芝居を今度も見せていただきま

した、という充実感でいっぱいで席を立ちました。

が、観客はほんの一にぎりの人は「私ノ思ウタ観客

デハナカッタ」と言いたい。

 食べ物のこぼれカスを指先でチッチッとはじきと

ばす人。おもわず「アリさんが来るよ」と言ったけ

れど、座席の下をネズミがかけて音響効果を増す日

がやがてくるかも・・・・・。

             まつの会 60代女性




◎「日本の面影」良きしばいでした。笑の中にも切

なさが伝わってきました。

 小泉八雲は「ココロ」と「モノ」の対立により苦

しんでいたのでしょう。彼は、近代科学と国家が「

ココロ」を失う様をヨ−ロッパでも体験し日本でも

体験したのです。さぞかしつらかったことでしょう。

 話はとびますが、今回も音響はすばらしいもので

した。           ちきり 20代男性



◎「日本の面影」

 これは久々の感動だった。劇中劇にも感銘した。

ここ数年のわが市民劇場の中で指折りの一つである。

幕が上がり幕が下りるという意味と重みをはじめて

感じさせるといってよい。風間も三田も適役で好演

であるし、シナリオも演出も見事であり、脇役のひ

とりひとりもその役割をこなしたし、照明も音響も

それぞれ条件の制約の中で、語るべきものを語って

いた。だから、これは「高松休日」上演でなかった。

くりかえすが久々の絶品であった。こういう芝居を

毎回みたいものである。涙と共に大拍手。

           イカロス 70代以上男性



◎友人の勧めで入会しました。初めて生の演劇を、

それも10列の前の方の席で見、感動の一言です。

 ラフカディオ・ハ−ンの家族愛、妻の愛、人柄、

最後は涙が出てきました。

 次の作品を見るのが楽しみです。

              ごまめ 40代女性



◎フィナ−レの桜の構成が良かった。パッとサクラ

が咲いた?とき隣の席の娘がアッと小さい声を出し

た。

 ハ−ン役の風間杜夫さんはどちらかと言うと優男

なのでどんなメ−キャップかしらと少し心配してい

たが、期待以上で、セツ役の三田和代さんとの結婚

までの営みもよく、只二人の間に出来た子供の姿を

一目見たかったと力を入れすぎる娘の言葉以外は・

・・ハッピ−な一時だった。 

           せせらぎ 70代以上女性



◎現在のすじがわかりよい今風の人情物みたいのが

いいです。             60代女性



◎「昔はよかった」だけで終わっていないところが、

いいですね。

 風間さんの舞台を見るのは初めてですが、今まで

とイメ−ジが変わりました。すごい。「耳なし芳一」

のシ−ンは特にもう一度見てみたいです。

 ありがとうございました。 ひばり 30代女性



◎ハ−ンの小泉セツより受けた松江での幽霊話を怪

談文学に進化させたのは何だったのだろうと私は劇

が終わるまで考え続けていた。

 日本へ来るまで、行く先々でさいなまれていて過

去より何とか脱却出来ないかともがいていたハ−ン

・・・・風間杜夫さんは明治を彷彿させる扮装と長

い長いセリフで分りやすく演じ、それに応える三田

和代さんの平身低頭、余りにも滑稽で手八丁口八丁

のセツとの円満夫婦ぶりこそ、日本の面影を支えて

いたのだと深く感銘した。

 重厚な山田太一さんの脚本、変幻自在の舞台。後

片付けを手伝ってみて照明の念入りさに驚くと共に

この芝居は何処へ行ってももてる、と率直に想うば

かりだった。        さおり 70代男性