香川市民劇場例会感想文集

2001年11月例会 二兎社 日暮町風土記
2001年度四国市民劇場作品賞受賞

感想文

◎「日暮町風土記」は、リドリ−・スコットの「ブ

レ−ド・ランナ−」もしくはウオン・カ−ウァイの

「天使の涙」の二歩手前にいると思いました。コミ

ュニティ−の崩壊過程の「世界」を描写していると

いう点で、ウィリアム・ギブスンやブル−ス・スタ

−リングが観たら(この二人、SF作家です)、ビ

−トたけし(「JM」での演技はすさまじかったで

すね)を起用したサイバ−バンク(SFの1ジャン

ルです。人間関係のドライな世界でドラッグと銃と

ヤクザが転げ回る、とでも表現したらいいでしょう

か)。映画をティム・パ−トンあたりを監督にした

ら、「日暮の空は、空きチャンネルに合わせたTV

の色だった。」(ギブスンの「ニュ−ロマンサ−」

の冒頭のもじり)というモノロ−グから始まるかも

しれませんねえ。しかし・・・ここまでアクトホ−

ル全体が笑いに包まれたのは久しぶりでは?

              ちきり 20代男性



◎指定された席は二階の一番奥。座ったとたん、遠

いなあ・・・。本来なら見上げる梁を見下ろしてい

る。芝居が始まると、そんな不満は何処へやらぐん

ぐん引き込まれる。 四国が舞台とは聞いていたが、

何処の話だろう。伊予の言葉、銅山やみかん畑が出

てくる。でも時に土佐弁風の言葉もある。 つくり

話だけど、わたしの心には少しの違和感もなくはい

ってくる。 久方ぶりに率直に楽しめた例会でした。

                辻 60代女性



◎石野真子が可愛い”アパ−トの鍵貸します”達者

な加藤健一の”銀幕の向こうに”新派と新劇を合わ

せ持ったような”研師源六”国太郎が楽しみの”前

進座”美しくて見事な仕掛けの(ケチのつけようが

ない)”日本の面影”流石は永井愛。うまい!!!

”日暮町風土記”2001年の会員は大儲け(欠席

した方は残念でしたね)

2002年もいいお芝居が見られますように。

             ナカニシ 50代女性



◎日暮町風土記・・・会場に入って先ず目に飛び込

んできたのは、日本古来の立派な柱に支えられた家

・・・重くのしかかるように。何ってうなりました。

また時代劇によく見る井戸らしきもの、素晴らしい

と思いました。まもなくの開演。高橋さん、渡辺さ

んグル−プの良き組合せ。刻とともに今日本から消

えようとしている良き物に対する思い、切々と舞台

より伝わってまいりました。ラストシ−ン、又胸を

じんとさせ心に沁みました。

                  長月 女性



◎今の日本なら、どこにでもありそうな問題。でも

ここまでほれこんで入れ込む渡辺さんの「堀江」さ

んはめったにいなさそう。

 身近に感じたのは何故でしょうか。自分も、こん

なことに出くわした事があるからかもしれません。

 もったいないけれど、生活する為に背に腹はかえ

られない。生きていくことは大変だと思いました。

そして古いものを残す事が、新しく作るよりもっと

大変で、本当は奇跡的なことかもしれないと知りま

した。

 一度こわれたものは直すのに努力と金と時間がか

かります。守っていくのも同じなんですね。

 残されたものに十分愛情を注いでいきたいと思い

ました。だって我家も同じ運命ですもの。

              もみじ 40代女性


◎渡辺美佐子、昔から大好きな女優さんで、しばら

くテレビにも出ないし長いこと見なかったので楽し

みにしていました。

 生憎、空席待ちで心配なので早めに出かけました。

禍転じて福となるとやら・・・二列目中央の席にな

りセリフもよくきこえ皆さんの表情もまるで劇中人

物になったようにハラハラ、ドキドキ目前に見るこ

とが出来まして満足々々。 古いものに対する情感

へのつながり、ふれあいの中での好意以上のものも

感じさせて二時間四〇分。さすがと思いました。あ

りがとうございました。

 来年の予告、顔ぶれを見て又楽しみにしています。

                70代以上女性



◎暗いな!!思わず声に出たそれもそのはず、暗く

て当たり前、140年も続いた由緒ある貴重な建造

物だったのだ。その建物だが、実に見事に作られ、

思わず、実物か?と思った。その暗さに不思議とマ

ッチしていたカラフルなコスチュ−ム。

 ベテランの渡辺さん、高橋さんの重厚な演技に、

さすがだ!と、感動した。最初は単調で暗くて、ど

うなる事かと心配したが、何時の間にやらハマッて

いった。セリフにもすぐなじめ、身近に感じ、共同

企画だけあるな!とうなずいていた。ラストシ−ン

で、胸につかえていた暗さもすっかりふきとび、ス

ッキリした。素敵なロマンをありがとうございまし

た。香川市民劇場に幸いあれ!

               長月 60代女性



◎12月5日夜の部を見たのですが、どうしてもも

う一度見たいと思い、仕事を休んで、6日昼公演を

見ました。とにかく、ものすごい人で驚きました。

中には、遠くからわざわざ特急に乗って来たとか言

う人もいて、ほぼ満員でした。係りの方には、大変

お世話になりました。

 ラストで戸が開いて町並みが見えた時、何故だか

わからないけれど、泣いてしまいました。「どこに

でもある話」のような気もするけど、激しく変化す

る今の時代を、みんな必死で生きているのだと思い

ました。やっぱりお芝居はいいですね。

              ひばり 30代女性



◎それまでの騒ぎが何だったのか、終りに近づいて

来てわかる。じゃ壊すがいい、と、それまで何もし

ないで見ていた若者が突然、櫂など持ち出してきて

荒れだす。それを見て人々は何を思ったか、いっせ

いにその若者を阻止する。時代劇の大立まわりよろ

しく。本当は旨味の有りそうな物件を探しに来てい

たというよそ者の男までが、壊すなと言いはじめる。

もしかしたらこの家は残るかもしれないと思わせる

ラストシ−ンでした。熱いものがこみ上げて来るよ

うな、そんな思いを残しました。舞台には、これま

での劇ではみたことも無い立派な古風な家が出来て

いて、これをまた舞台がはねたら、解体するのかと、

波子さんに似たような心境になりました。

 台詞が地方のそれも特定できない地方の言葉で面

白かったです。色々、経済効果を考えれば、家主の

奥さんのあと地を駐車場にしたい気持ちもわかるけ

ど、と、第三者的立場で、観客にも考えさせるよう

な、現代の問題提起でもありました。あの二人は又

この家で落ち合うのでしょうか?その時、波子さん

は腕によりをかけて、この家の再利用を考える事で

しょう。町並み保存にも一層力を発揮するでしょう。

暖かい気持ちで帰ることが出来まし

た。             松風 60代女性