香川市民劇場例会感想文集

2002年2月例会 五五の会 罠

感想文

◎「罠」という題名そのままに私達観客もすっかり

罠にはまってしまいましたね。

 山本學さん演ずるダニエル氏は被害者の中の被害

者を演じて、私たちを欺いていたなんて・・・。信

じられない。しかし、よく出来た筋書きに感心して

しまいました。

 つゆほども私達第三者に疑いを匂わせない完璧さ

で罠をかけるという、そして最後まで真実はダニエ

ル氏に有ると思わせる巧妙さに思わず声を飲み込ん

でしまいました。推理物の面白さは第三者まで巻き

込むところにあるのでしょうか。最後のどんでん返

しには、ただ驚くばかりでした。それぞれの俳優さ

んもしっかり役どころを演じていたのもよかったで

すね。            松風 60代女性



◎舞台はハラハラしてとても良かったです。入会し

て約2年になります。

 いつも感心しているのですが、役者が登場した時

の拍手は必要なのでしょうか?今回は、特に知名度

のある役者ばかりだったので、新たに役者が登場す

るたびの拍手は芝居を壊すような気がしました。”

せりふ”を言いながら登場しているのに、拍手をし

たら”せりふ”が聞こえません。”拍手を下さい”

というような演出はあるとは思いますが私が今まで

例会で見た舞台には、そういうのは無かったように

思います。一度、考えてみてはいかがでしょうか?

              菜の花 20代女性



◎夜は外出できにくいので、丸亀から高松まで電車

で来て2月2日1時からの公演を見せていただきま

した。

 久しぶりに家事、子育てを忘れてわくわくした気

分で座席に座り、すばらしい2時間半をすごさせて

いただきました。俳優さんたちの声の素敵なこと、

演技の切れ味のよいこと。それに加え、スト−リ−

のおもしろさ・・・原作を一度読んでみたいと思い

ました。こんな贅沢を夫にも味あわせてあげたいと

思うのですが・・・数年後になりそうです。

              菜の花 40代女性



◎2001年度夏に股関節の手術をしたので、しば

らくお休みしていたのだが、精神的に外出したくな

い、松葉杖姿の私がまわりの人から見られるのがい

やだから等、理由をつけて会員をやめようと思って

いたところ、チケットとパンフレットをお世話して

くださる方に持ってきていただいて「行きたい!」

という衝動がこみあげてきた。以前からコンサ−ト、

演劇を聞いたり見たりするのが大好きだったので水

を得た魚のようにワクワクして会場へ行く自分がい

た。山本學さん、大空さん、金田さん、名高さんな

どそれぞれ素晴らしい演技。大空さんの役本当に”

イヤ−な女の人”に見えた。こわい女の人だ。こん

な人に財産をとられたり殺されるのかと思うと人間

不信になった程、迫力があった。どんどんすい込ま

れてくる舞台、本当に思っても見なかったどんでん

返し・・・すごかった。人間って悪い事をしてもい

つかは自分から言ってしまうし、それをたくみに連

携プレイで解決した、まさしく罠だった。これから

もどんどん進んで公演を観に行くことを決意した。

ありがとうございました。   六条 50代女性




◎いつも楽しく観劇させていただいています。

「罠」は、主人公が罠から逃れることができるのだ

ろうかとはらはらしながら観ていました。ところが

−−−最後の大どんでん返しで、エリザベ−トを殺

害していたのは夫のダニエルだとわかり、びっくり

仰天!「罠」は、彼に罪を告白させるためのものだ

ったとは。

 しかし、帰り道ではっときずいたのですが、「罠」

にかけられていたのは、私たち観客なのでした。実

に見事に脚本家、キャスト、スタッフのみなさんに

罠にかけられていたのですね。小気味よいほどでし

た。本当にすばらしい劇でした。 

              鎌田池 40代女性



◎「罠」は原作の秀抜さもさることながら、ヴェテ

ランの役者のアンサンブルをみつつ私は出演者たち

の、俳優としての人生を考えて長い歳月を振り返っ

た。私が山本學の舞台を生でみたのは66年3月の

市民劇場での「オッペケぺ」であり、日本の夜明け

をハダで演じた彼の心意気は見事であった。あれは

今でもつい昨日のことのように思う。

 今回、このようにわが鑑賞団体の意向をうけて「

罠」に再挑戦した。その心意気と若さに拍手したい。

金田、大空、川辺たちはわれわれをたんのうさせた。

しかし、正直に言えば山本はどこか優しさがありす

ぎて演技力のうまさが効果を弱めていまいか。あれ

から36年が過ぎ、市民劇場の会員であることを人

生全体に重ねあわせる自分を発見した。感謝のきわ

みである。      イカロス 70代以上男性



◎昔からファンの山本學様のお芝居が観られ観劇で

した。単純な私は、部長役の金田様まで悪役だった

のか・・・と一瞬思わされました。まさか、主役の

いつも善人役の學様が殺人犯とは意外や意外、楽し

い例会でした。

 少し不満をいいますと、學様の動きは観てて疲れ

るほど演技過剰と山小屋のセットが重厚すぎるので

はと思った点です。      万両 50代女性



◎私は観劇前しばしば題名を眺める癖がある。今回

の罠は特に入念に見入っていた。漢字ばなれの昨今、

この字をいきなり「わな」と読む人はそう多くない。

然し読めなくとも何かを想像することは出来るだろ

う。1人の民に対し頭上の4人が三つの目で鋭く見

張っている。予備知識よりじっくり題名だけを眺め

る方が容易に未知の世界に飛び込める。これが私の

狙いである。頭の4人を払い落とそうとする山本學

さんのダニエル、精力的な動きに、お終いまで身が

持つんかいな、芝居にならんかも知れん、最後頃に

はそんな心配に変わっていた。インタ−バルタイム

で犯人は神父と妻、いや部長刑事かもとの囁きが耳

に入る。後半、始まった闇の中で嘲笑うような軽や

かな音楽が流れると、逆に安心感が生まれ犯人の紐

解きなど知らぬ間に忘却の彼方へ。結局夫が犯人。

山本學さんの痴呆演技に欺されたのは会員の殆どで

はなかったろうか。

 妹尾河童さんの美術、舞台装置の洗練さ、高橋昌

也さんの滑稽な演出の見事さが謎ときを充分支えて

いた。余韻津々の舞台であった。

            さおり 70代以上男性