香川市民劇場例会感想文集

2002年5月例会 こまつ座 国語元年

感想文

◎「国語元年」は、以前TVドラマ化されていたも

のを見た覚えがあるので、内容はある程度知ってい

たのですが、TVと舞台ではここまで違うんですね

え!まるでマシンガンのような「方言バトル!」。

特に河内の女郎のしゃべりには驚かされました。

よく舌をかまないものだと驚きました。

しかし、ま−この芝居が成り立ったのは明治維新が

「上からの革命」で中央集権体制の早期確立を「求

めるものだったからでしょうねぇ。それがために文

部官僚の南郷(佐藤B作)は振り回されちゃって・

・・。笑いが沢山ありましたけれど、「ひどい命令」

を受けたもんだ。ところで観ていてもアクビを一回

もしなかったのは、これが初めてです。

              ちきり 30代男性



◎今回で二回目の観劇でした。前回の「黄金色の夕

暮」もたいへん新鮮ですばらしかったので今回も楽

しみにしていましたが、本当に良かったです。

 むつかしい方言を自分のものにしているのには感

心しました(上手すぎてわからない事も・・・)練

習もずいぶんされた事でしょう。でも、残念な事に

空席の多さに、一生懸命の俳優さんに申し訳ない思

いがしました。      オ−ロラ 50代女性





◎前略  み−様

 お芝居を観るのにも良い気候になりました。今日

は実に面白いお芝居を観ました。芸達者な皆さんの

演技に時の経つのも忘れていました。明治維新は政

治にのみ目がいきがちでしたが、考えてみると言葉

が藩毎に異なっていたのですね。セリフの内容が所

々意味不明で、ついつい我が家でも他県生れの夫に

時々通訳が要る事を思い出しました。

言葉をどう統一するか明治政府としては大きな問題

だったのですね。スペインでは未だ公用語が三種類

もあると聞きました。オ−ストラリアやスイスなど

陸続きの国では、国境近くは言葉が入り混じってい

るようですが、周囲を海で囲まれた小国日本が中央

集権を達成する為には、何が何でも統一言葉が必要

だったのですね。先人の苦労が偲ばれました。言葉

の持つ力、強さを当時の官僚が意識していたとは、

さすがに優秀な人達が当時は居たのですね。あれほ

どご苦労なさった清之輔さんが風狂院でなくなった

等、最後が少し寂しかったです。それまで笑い転げ

ていたものですから、皆さんの最後を知らなくても

良かったのではないかなどと一人胸を痛めました。

それにしても各地から集まった人々の通訳が、山の

手の言葉だったとは。当時から東京がやはり日本の

中心だったようですね。本職の剣さんをはじめ、皆

さん歌が上手だし声が良くでていたのには感心しま

した。舞台俳優は大変な修業が必要なのですね。で

は、いつかご一緒してご感想を       早々

                  60代女性



◎今回も大変心待ちにしておりました。B作さんは

テレビでよく拝見いたして居りますが、お芝居で見

せて頂くのは初めてでした。大変難しいお芝居だっ

たと思われますが、それを鮮やかにこなされた言葉。

皆々様大変なご苦労がおありだったと感心いたしま

した。それだけ見る側のお客さんは、皆さん感動い

たしておりました。

 本当に皆様お歌もお上手で昔を思い出す歌ばかり

で楽しく爽やかな気持ちで見せて頂きました。素晴

らしいお芝居有難うございました。

                  南天 女性



◎B作さんといえばNHK新日本人の質問。心配げ

な笑顔で視聴者を魅きつけるヒゲの博士である。年

末に例会カレンダ−を手にして以来五ヶ月。待ちに

待った今日の舞台。充分過ぎる程手入れをされてい

た口ヒゲは、南郷清之輔になり切る為だったのかと

直ぐ気付いた。

 維新の後、話し言葉の統一という難題にどう取組

みまとめていくか注目していたが、清之輔の心配と

はウラハラに、B作さんの人柄は夫人の演技となり、

南郷家のチ−ムワ−クは固まっていった。訛りは解

かずとも歌なら分かる。五場すべてで演じられた生

活ミュ−ジカル風小学唱歌、この演出は予期してい

なかっただけに凄く新鮮だった。ピアノに合わせた

十二人の二部合唱の見事さ、夜のハ−モニ−は美し

くなかでも元宝塚の剣幸さんのリ−ダ−ぶり、和服

のプロポ−ションのよさと合わせてうっとりとした。

風鈴の囁きも忘れる事が出来ない。フィナ−レの挨

拶がシンプルだったのは、B作さんの思いやりの現

れかと心に残った次第。

            さおり 70代以上男性


◎入会して三回目の公演「国語元年」を観せて頂き

、毎回感動、そして新鮮さを感じて居ります。最近

は「田舎でも方言をあまり使わなかったり、耳にす

ることも少なくなりましたが、本当はもっと大切に

すべきなんですよね。その土地土地のお国訛りは、

なつかしく、又暖かいものなのだと改めて感じまし

た。それに出演者の皆様の美しい歌声大変気持ちよ

く、心がなごみました。又次回が楽しみです。

                ニッキ− 夢子



◎言葉がわからないというのは困りますね。

「国語元年」というのはTVドラマで見て面白かっ

たという記憶がありますが、舞台になると、意味の

通じないセリフに閉口してしまいます。解説は入れ

てくれていたのですがこれもよく聞こえないのです

から、お話になりません。

各地からさまざまな前身の持主たちが方言丸出しで

しゃべり出すという、ほんとうはもっと面白いはず

の場面が、ただわけもわからずがなりたてていると

いう。これでは観客は逃げ出したくなります。全国

統一語という大仕事を成し遂げた南郷清之輔さんは、

もう少し威厳があってもよかった。折角の題材です

から、観客の納得する舞台にして頂いて、またお目

にかかりたいと思います。

               松風 60代女性



◎「おもしろうてやがてかなしき」お芝居でした。

「ことば」にとことんこだわる井上ひさしさんの面

目躍如の感ある話題作・・・ずっと見たいと思って

いましたので、今回の例会でその魅力を堪能しまし

た。笑って、笑って、登場人物たちのお互いを思い

やる暖かさにしんみりして、そして、残酷な結末に

胸がつまり、涙が出ました。暗転の際の不思議な写

真が舞台進行を引き締め、要所要所で歌われた小学

唱歌も、懐かしくてよかったと思います。登場人物

一人一人のお国訛りに、日本の言葉って、こんなに

も表情豊かなんだ、と改めて感じると共に、そのお

国訛りのもつパワ−がそのまま彼等の個性と魅力に

なっていることを感じました。今では、あんなにパ

ワフルなお国訛りも余り聞けなくなったが、私自身、

の高知や広島、沖縄や会津出身の友人のかすかなお

国訛りが、彼女たちの人間的魅力とあいまって、と

ても好きだということを思い出しました。

「ことば」って、本当に不思議なものですね。以前

に観た「ら抜きの殺意」でも感じた事ですが、自分

を表現し相手に思いを伝える「ことば」の大切さを

改めて思い起こしました。それにつけても、現在の

政治の世界での「ことば」は、何と軽く扱われてい

ることか・・・。「ことば」が真実でなくても平気、

問いに対して答えになっていない「ことば」を平気

で繰り返す、やる気はないけれどうつくしい「こと

ば」だけを並べておけばいい・・・というような事

が横行し、議論の場であるべき議会で「ことば」が

「ことば」として、きちんと機能しない悔しさをい

つも噛みしめています。でも、お芝居の世界にひと

とき浸って、笑ったり、泣いたりしているうちに、

もう一度「人間を信じていいんだ」と元気がわいて

くる・・・私にとって大切なお芝居の「癒し」効果

です。

 ところで中ホ−ルでの公演について検討しておら

れるとのこと。私は今回、第一幕は最後列で観まし

たが、座席指定解除後は、前から三、四列目に移動

しました。後で良く見えなかった役者さんの表情が

はっきりと見え、お国訛りのセリフも良くわかって、

違いは歴然でした。お芝居はやっぱり小さなホ−ル

がいいですね。小さなホ−ルでお芝居の魅力を満喫

する人たちが増える事で、会員が増え中ホ−ルでの

三回公演が可能になる・・・というのが理想でしょ

う。若い人がもっと本物のお芝居を観る機会をもて

るよう、高校で演劇部に入っている娘やその友人に

も勧めてみます。 果樹100% 50代以上女性



◎「国語元年」は明治期に「右、左」と歩調をとる

兵士教育に「ハシ、チャワン」といわざるをえなか

った共通語なき国の軍隊の弱点を克服するために、

つまり「右、左」の教育の為に小学校を津々浦々に

置いたという明治政府の施策を思い出させたもので、

「小学唱歌」のもつ共通語政策の歴史的意味を感得

させるものがあった。つまり小学唱歌は全く郷土色

をぬいた不自然不可解な歌詞をもち、またメロディ

−はしばしば外国の借用なのに、われわれの故郷や

幼少期を思い出させるという独特の役割を狙ったも

のもある。言葉のもつ共通構造と共通語の無内容さ

にも拘わらずコミュニケ−ションのもつ、貨幣と同

様の構造連関さをこの芝居は教えた。(後略)

           イカロス 70代以上男性