感想文
◎「国語元年」は、以前TVドラマ化されていたも
のを見た覚えがあるので、内容はある程度知ってい
たのですが、TVと舞台ではここまで違うんですね
え!まるでマシンガンのような「方言バトル!」。
特に河内の女郎のしゃべりには驚かされました。
よく舌をかまないものだと驚きました。
しかし、ま−この芝居が成り立ったのは明治維新が
「上からの革命」で中央集権体制の早期確立を「求
めるものだったからでしょうねぇ。それがために文
部官僚の南郷(佐藤B作)は振り回されちゃって・
・・。笑いが沢山ありましたけれど、「ひどい命令」
を受けたもんだ。ところで観ていてもアクビを一回
もしなかったのは、これが初めてです。
ちきり 30代男性
◎今回で二回目の観劇でした。前回の「黄金色の夕
暮」もたいへん新鮮ですばらしかったので今回も楽
しみにしていましたが、本当に良かったです。
むつかしい方言を自分のものにしているのには感
心しました(上手すぎてわからない事も・・・)練
習もずいぶんされた事でしょう。でも、残念な事に
空席の多さに、一生懸命の俳優さんに申し訳ない思
いがしました。 オ−ロラ 50代女性
◎前略 み−様
お芝居を観るのにも良い気候になりました。今日
は実に面白いお芝居を観ました。芸達者な皆さんの
演技に時の経つのも忘れていました。明治維新は政
治にのみ目がいきがちでしたが、考えてみると言葉
が藩毎に異なっていたのですね。セリフの内容が所
々意味不明で、ついつい我が家でも他県生れの夫に
時々通訳が要る事を思い出しました。
言葉をどう統一するか明治政府としては大きな問題
だったのですね。スペインでは未だ公用語が三種類
もあると聞きました。オ−ストラリアやスイスなど
陸続きの国では、国境近くは言葉が入り混じってい
るようですが、周囲を海で囲まれた小国日本が中央
集権を達成する為には、何が何でも統一言葉が必要
だったのですね。先人の苦労が偲ばれました。言葉
の持つ力、強さを当時の官僚が意識していたとは、
さすがに優秀な人達が当時は居たのですね。あれほ
どご苦労なさった清之輔さんが風狂院でなくなった
等、最後が少し寂しかったです。それまで笑い転げ
ていたものですから、皆さんの最後を知らなくても
良かったのではないかなどと一人胸を痛めました。
それにしても各地から集まった人々の通訳が、山の
手の言葉だったとは。当時から東京がやはり日本の
中心だったようですね。本職の剣さんをはじめ、皆
さん歌が上手だし声が良くでていたのには感心しま
した。舞台俳優は大変な修業が必要なのですね。で
は、いつかご一緒してご感想を 早々
60代女性
◎今回も大変心待ちにしておりました。B作さんは
テレビでよく拝見いたして居りますが、お芝居で見
せて頂くのは初めてでした。大変難しいお芝居だっ
たと思われますが、それを鮮やかにこなされた言葉。
皆々様大変なご苦労がおありだったと感心いたしま
した。それだけ見る側のお客さんは、皆さん感動い
たしておりました。
本当に皆様お歌もお上手で昔を思い出す歌ばかり
で楽しく爽やかな気持ちで見せて頂きました。素晴
らしいお芝居有難うございました。
南天 女性
◎B作さんといえばNHK新日本人の質問。心配げ
な笑顔で視聴者を魅きつけるヒゲの博士である。年
末に例会カレンダ−を手にして以来五ヶ月。待ちに
待った今日の舞台。充分過ぎる程手入れをされてい
た口ヒゲは、南郷清之輔になり切る為だったのかと
直ぐ気付いた。
維新の後、話し言葉の統一という難題にどう取組
みまとめていくか注目していたが、清之輔の心配と
はウラハラに、B作さんの人柄は夫人の演技となり、
南郷家のチ−ムワ−クは固まっていった。訛りは解
かずとも歌なら分かる。五場すべてで演じられた生
活ミュ−ジカル風小学唱歌、この演出は予期してい
なかっただけに凄く新鮮だった。ピアノに合わせた
十二人の二部合唱の見事さ、夜のハ−モニ−は美し
くなかでも元宝塚の剣幸さんのリ−ダ−ぶり、和服
のプロポ−ションのよさと合わせてうっとりとした。
風鈴の囁きも忘れる事が出来ない。フィナ−レの挨
拶がシンプルだったのは、B作さんの思いやりの現
れかと心に残った次第。
さおり 70代以上男性
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◎入会して三回目の公演「国語元年」を観せて頂き
、毎回感動、そして新鮮さを感じて居ります。最近
は「田舎でも方言をあまり使わなかったり、耳にす
ることも少なくなりましたが、本当はもっと大切に
すべきなんですよね。その土地土地のお国訛りは、
なつかしく、又暖かいものなのだと改めて感じまし
た。それに出演者の皆様の美しい歌声大変気持ちよ
く、心がなごみました。又次回が楽しみです。
ニッキ− 夢子
◎言葉がわからないというのは困りますね。
「国語元年」というのはTVドラマで見て面白かっ
たという記憶がありますが、舞台になると、意味の
通じないセリフに閉口してしまいます。解説は入れ
てくれていたのですがこれもよく聞こえないのです
から、お話になりません。
各地からさまざまな前身の持主たちが方言丸出しで
しゃべり出すという、ほんとうはもっと面白いはず
の場面が、ただわけもわからずがなりたてていると
いう。これでは観客は逃げ出したくなります。全国
統一語という大仕事を成し遂げた南郷清之輔さんは、
もう少し威厳があってもよかった。折角の題材です
から、観客の納得する舞台にして頂いて、またお目
にかかりたいと思います。
松風 60代女性
◎「おもしろうてやがてかなしき」お芝居でした。
「ことば」にとことんこだわる井上ひさしさんの面
目躍如の感ある話題作・・・ずっと見たいと思って
いましたので、今回の例会でその魅力を堪能しまし
た。笑って、笑って、登場人物たちのお互いを思い
やる暖かさにしんみりして、そして、残酷な結末に
胸がつまり、涙が出ました。暗転の際の不思議な写
真が舞台進行を引き締め、要所要所で歌われた小学
唱歌も、懐かしくてよかったと思います。登場人物
一人一人のお国訛りに、日本の言葉って、こんなに
も表情豊かなんだ、と改めて感じると共に、そのお
国訛りのもつパワ−がそのまま彼等の個性と魅力に
なっていることを感じました。今では、あんなにパ
ワフルなお国訛りも余り聞けなくなったが、私自身、
の高知や広島、沖縄や会津出身の友人のかすかなお
国訛りが、彼女たちの人間的魅力とあいまって、と
ても好きだということを思い出しました。
「ことば」って、本当に不思議なものですね。以前
に観た「ら抜きの殺意」でも感じた事ですが、自分
を表現し相手に思いを伝える「ことば」の大切さを
改めて思い起こしました。それにつけても、現在の
政治の世界での「ことば」は、何と軽く扱われてい
ることか・・・。「ことば」が真実でなくても平気、
問いに対して答えになっていない「ことば」を平気
で繰り返す、やる気はないけれどうつくしい「こと
ば」だけを並べておけばいい・・・というような事
が横行し、議論の場であるべき議会で「ことば」が
「ことば」として、きちんと機能しない悔しさをい
つも噛みしめています。でも、お芝居の世界にひと
とき浸って、笑ったり、泣いたりしているうちに、
もう一度「人間を信じていいんだ」と元気がわいて
くる・・・私にとって大切なお芝居の「癒し」効果
です。
ところで中ホ−ルでの公演について検討しておら
れるとのこと。私は今回、第一幕は最後列で観まし
たが、座席指定解除後は、前から三、四列目に移動
しました。後で良く見えなかった役者さんの表情が
はっきりと見え、お国訛りのセリフも良くわかって、
違いは歴然でした。お芝居はやっぱり小さなホ−ル
がいいですね。小さなホ−ルでお芝居の魅力を満喫
する人たちが増える事で、会員が増え中ホ−ルでの
三回公演が可能になる・・・というのが理想でしょ
う。若い人がもっと本物のお芝居を観る機会をもて
るよう、高校で演劇部に入っている娘やその友人に
も勧めてみます。 果樹100% 50代以上女性
◎「国語元年」は明治期に「右、左」と歩調をとる
兵士教育に「ハシ、チャワン」といわざるをえなか
った共通語なき国の軍隊の弱点を克服するために、
つまり「右、左」の教育の為に小学校を津々浦々に
置いたという明治政府の施策を思い出させたもので、
「小学唱歌」のもつ共通語政策の歴史的意味を感得
させるものがあった。つまり小学唱歌は全く郷土色
をぬいた不自然不可解な歌詞をもち、またメロディ
−はしばしば外国の借用なのに、われわれの故郷や
幼少期を思い出させるという独特の役割を狙ったも
のもある。言葉のもつ共通構造と共通語の無内容さ
にも拘わらずコミュニケ−ションのもつ、貨幣と同
様の構造連関さをこの芝居は教えた。(後略)
イカロス 70代以上男性
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