香川市民劇場例会感想文集

2003年1月例会 劇団文化座 遠い花

感想文

◎今は外国との物理的・心理的距離を当時ほどには

感じなくなったせいか、「なぜ、まきはシノットの

ところに行かないのか?」「女はただじっと待つだ

けなの?」「ああいう母と息子の関係はちょつとし

んどくない?」などと何となく違和感を感じた第一

幕でした。

ところが、第ニ幕では母と息子、父と息子の関係が

描かれ、そしてクライマックスのまきの写真に埋も

れたシノットの部屋のシ−ンでは、2人は遠く離れ

ていてもたくさんのことを共有していたのだと言う

ことが見事に表現されていました。そして、シノッ

トと清を思い続ける老いたまきの姿に、人間ってこ

んなにも純粋に人を思い続ける事が出来るんだ、と

涙が止まらなくなりました。

 人が愛し合うのに距離も時間も関係ない、なんて

言葉で言うとちょっとしらじらしく聞こえる事をあ

んな風に表現し、私たちの胸にド−ンと響かせると

いうのは演劇のすごいところですね。

 近頃、人との関係で傷つき、人のイヤな面しか見

られない自分自身に対しても自己嫌悪に陥る事が多

かったのですが、こういうお芝居を観ると「人間っ

てやっぱりすばらしい!」と心から思え、自分の中

のイヤな面が洗い流されるような気がします。

 私にとってお芝居は元気の素そして、心の浄化剤

なのです。お芝居ってほんとうにいいなあ!

         果汁井100% 40代女性



◎佐々木愛の舞台ははじめてみました。さすが女優、

ラストの年老いた小川まきの演技みごとですね。

 国際化の進んだ現在さえ国際結婚にはさまざな障

碍がありますのに、明治37年〜昭和14年までの

ほんというにあった話、稀な愛。

 まきのことは女として、まきでなくても、そう生

きた女性はほかにもいることに不思議は感じません

が、ア−サ−・シノットの方のあり方に深く感動し

ました。そういう男性が現に存在したことに。

 憧れますね、一方だけでなく双方だったことに。

だから希有な愛です。

         ひばりU小豆島 60代女性



◎佐々木愛さんの素晴らしい演技に感服いたしまし

た。声も美しく、着付けの上手さ、衣裳もよく似合

っていて、大和撫子はかくありたいと、和服の美し

さにもう一度私も袖を通したく思いました。ア−サ

−氏の毛筆での手紙もさすがと思いました。清君も

よかったですが、麻理子さんもう少し若かってもよ

かったかと。最後のまきさん最高でした。よいお芝

居を有難うございました。

。         さぬき野の花 60代女性



◎「遠い花」の小川まきを演じた佐々木愛さんのふ

くよかな色香には呆然としました、ことにあのうな

じ!和服はうなじを美しく見せるよう機能している

のだなあと何だか納得してしまいました。一瞬しか

見せてくれませんでしたが、はぎのしっとりとした

感触が我が心を洗うように感じました。それから、

「美しく年老いる」ことの素晴らしさを巧みに演じ

るあたりには、「凄み」で観客を圧倒することが「

プロ」にしかできないと痛感させてくれました。

 しかし・・・スト−リ−はありきたりのもので、

人物造形も類型的だったのは非常に残念でした。「

戦前の日本=軍国主義」、「独裁者=悪」という図

式から早く脱して欲しいものです。元共産党ゲリラ

のパク・チャンヒや旧日本兵すらも引き込んだスカ

ルノのような「開発独裁者」に対して失礼です。ま

たベルリンオリンピック頃までのヒットラ−は世界

で最も有能なケインズ政策主義者です。

             ちきり 30代男性

◎大変良かったです。あっというまに時間が過ぎて

大変感動しました。身近な内容がいいような気がし

ます。

 ありがとうございました。次回を楽しみにしてい

ます。           城山 60代女性




◎静かな舞台の流れの中に、戦争の見意味さを訴え

る劇であった。そして、あまりに崇高な純粋すぎる

愛が実録のものとは・・・。

 私は子供たちに、よく戦争の話をし『戦争おばさ

ん』と揶揄されもしたが、そのおかげで子供達は歴

史を正しく認識する力は身につけたように思う。有

能な若人を数多く無駄死にさせた歴史を風化させな

いよう、若い世代に伝えていくことが必要だ。私の

思想的原点は、小学校2年テレビで見た「私は貝に

なりたい」、小4年「ビルマの竪琴」の映画であっ

た。

 平和は『つくるもの』『勝ち取るもの』―我々の

手から知らない間にこぼれてしまわないように。

         オ−・バンビ− 50代女性



◎このドラマは反戦の意思が貫かれていると思いま

した。戦争さえなければ・・・と、まきは何度かつ

ぶやいたのではないでしょうか。戦争さえなければ、

ア−サ−は脚を失うことも無く、いずれ日本に帰っ

てきてくれたはず。戦争さえなければ、息子まで失

うことはなかったろうにと。まきのつぶやきが聞こ

えてくるようでした。比較的、動きの少ない、しか

も茶の間だけの暗い舞台でしたけれども、いかにも

戦争前夜を思わせる、重苦しい雰囲気の中で、もう

帰ることのないア−サ−からの手紙を繰り返し読む

まきの姿は痛ましく悲しかった。

 そんな中で、理解者の一人として姉の存在は救い

でありました。また愛の手紙を舞台いっぱいに張り

出して息子に見せる場面も素晴らしいと思いました。

 ア−サ−とまきとの間に交わされた愛の手紙がお

よそ千通、その事実。今も私達に何かを訴えかけて

いるのではないでしょうか。

 佐々木愛さんの演技はまきさんその人のようでし

た。            松風 60代女性



◎私の年代には久しぶりに心温まる戦前戦後の人間

愛を感じ涙しました。

 今日は、新聞、テレビをにぎあわせている親子関

係を見るにつけなさけなく思っている折にいいお芝

居を観られて感激しています。

 ありがとうございました。

              みち 60代女性



◎佐々木愛の役の立派さに感激!人の一生を改めて

考え直す機会となる愛の尊厳をしみじみとかみしめ

るが、本人の苦しみはいかがばかりか。

 改めて戦争の無惨さを知り、世界の平和を祈るの

み・・・。        福寿草 60代女性



◎原作を忠実に芝居にしている。

ア−サ−からの手紙が中心であるため、「遠い花」

も手紙の朗読を中心に展開されている。ナレ−タ−

(麻理子)が進行役をになっている。しかし、見て

いてこのナレ−タ−の部分をもっと「せりふ」で芝

居に構成できないものかと思った。

 とにかく内容がいい。あまりにも純粋な愛が心を

打つ。「遠い花」は内容で見せる芝居であった。く

りかえすが、芝居としては「もうちょっと何とかな

らなかったものか」というのが正直な感想である。

              長月 60代男性



◎暗い寂しいスト−リ−の中の演技であるにも拘ら

ず知らず知らずのうちに何かに吸い込まれる感じが

しました。演技の構成の特に回想を取り入れるタイ

ミングが実に良く出来ていたと思います。久々に感

動し愛の素晴らしさを充分に堪能出来ました。

         ふぁんふぁんV 60代女性