香川市民劇場例会感想文集

2004年7月例会劇団民藝公演 巨匠

感想文

◎「巨匠のテ−マ」

「巨匠」で作者・木下順二氏がいいたかったことは

何なのか。このことを解く手がかりが「対談『巨匠

』『子午線の祀り』のリアリズムと演劇の本質につ

いて」(「わらび」1991・7月号)の中にある。

 氏は「煎じつめると、そういう問題(巨匠が銃殺

されることを知った上で、全力を傾注して「俳優」

であることを証明したこと)が起こらない、表面平

和な今の時代でも逃避的でない積極的な自己主張を

していかなければならないのではないか」と述べら

れている。

 現在の私たちは一見平和な日本の中にあるようだ

が、ひと皮むいてみれば民主主義や平和が危うくな

ってきている。憲法9条を破棄して戦争をする国へ

まっしぐらに突き進んでいる。

 私たちの民主主義や平和の意識は健在なのか。「

あなたは逃避していませんか、逃避的でない積極的

な自己主張していますか」こう「巨匠」は私たちに

問いかけていると思う。まさに「巨匠」は現代に生

きる我々への警鐘だと私は受けとめた。

 「巨匠」は難解である。幅広い会員の拡大をいう

なら市民劇場にはあまりふさわしい芝居とは言えな

いと私は思う。     長月 70代以上男性

 

◎戦後60年。若い人、中年の人、みんな戦後生ま

れの人。

 私達、戦中派には「戦争って何だろう?」と、今

でも思う。国の政策として戦争をおこし、死んで行

くのはただそれに従った個人だけ。

 幼いころ、空襲となると母さんの手にひかれ少し

離れた田舎の親戚まで歩いていった。今はそれがな

くて幸せ。この平和な幸せを大切にしたい。これが

「巨匠」も含めた、第二次世界大戦で亡くなった人

へのレクエムとしたい。  菜の花 60代女性



◎「巨匠」の感想について。よかったのはナチスの

ゲシュタボがやって来て緊迫とした場面およびその

前後のすべて。蛇足と思ったのはさいごの回想する

両人のシ−ン。これは開幕場面の再現であって必要

といえば必要だが、どうにも説明過剰であって、な

くものなが。スポットライトのみのシ−ンに、語り

だけの声が流された方がよかった。私は斜めのスポ

ットライトの光の照明を見て、チャップリンの「ラ

イムライト」を想起した。

 この芝居は役者とは何にであるか、演劇人とは何

であるかを語った、これ以上のドラマトゥルギ−は

ないとも思われ、マクベスの科白と一人の「人間」

を救うために、知識人が何をしなくてはならないか

を死を賭けた人物の生きざまとが重なり、私の言葉

を失うほどの感銘をうけた。大滝のほか、南風、稲

垣がよい。大滝は迫真の演技である。私は観劇後、

改めて『マクベス』を読み直し、刃物をもってダン

カン王の寝室に向うマクベスの独白を反すうした。

その中身をゲシュタポの隊長はどう聞いたか。役者

とは何であるか、演劇とはどういうことをいうのか、

そしえシェイクスピアとは何者であったか、思いの

奥行きは限りなく深いと痛感。それにしても知識人

という階層、知識人という呼称は20世紀のもの。

21世紀には死語化し、階層としてもこわれている

から、この芝居の醍醐味は75歳以上の「老爺、老

婆」のもの。わが市民劇場会員の全体のものとする

には、かなりの勉強会と感情移入、その昂揚が必要

ではないかと考えます。

 ナチスは「理性と教養」を敵としたのです。そし

て「理性と教養」のある人は何をなすべきか、そし

ていかに死ぬべきか。それをつきつけているのです。

        バ−コット 70代以上男性



◎丸亀と高松とで計2回見せていただきました。大 滝さんに圧倒されました。  大滝さんでなければ出来ない役だと思いました。 大滝さんを香川で拝見するのは2作目ですが、是非 またいらしてください。ますますのご活躍をお祈り しています。      ひばり 40代女性 ◎私ならどうするであろうか?あの場面では多分助 かった!と思うのではなかろうかと感じながら観て いました。(ちょっと対象は違いますが確かコルペ 神父さんが、身代わりになって処刑された事例があ ったと記憶していますが)助かる命を己の俳優人生 を全うするため、旅回りでしか俳優として生きて来 られなれなかった命をを投げ打って、信念を貫くこ とが出来るとはとても私には出来ないと思いました。  それだけの己の職業に誇りと信念を持っていたの でしょうね。それに引き換えこの私は、人にこれほ どの影響を与えることが出来ないし、命を投げ打っ てでも己の職業を誇り得るほど仕事に精出してこな かったな〜と何だか寂しくなってきました。  進行係と出演者が照明の助けを借りてうまく転換 出来て分かりやすいと思いました。またピアニスト の本物の演奏にはビックリしました。もう少し聞い てみたいと思うほどでした。  休憩無しの上演は息もつかせず素晴らしい。そし て重苦しい中、マクベスのモノロ−グが二人の俳優 の違いを見事に浮き立たせてくれました。ともあれ、 とても充実感のある芝居を有難う。                 60代女性 ◎巨匠の芝居 あまり楽しめず、会費が惜しい気がした。他の人に 勧め同行しましたが気の毒に感じた。以降、同類の イメ−ジのものは組み入れないようにして欲しい。               丸亀 60代女性 ◎大滝秀治の巨匠は評判倒れと言ってよい。  初めから何を言っているのかさっぱり分からない ナレ−ション、まるで音声が聞きとれない昔のト− キ−映画をみているようだった。  上映時間1時間20分(休憩なし)とあるパンフ に上演ではなく上映とあり、舞台上は全くその通り で、以降、そのつもりで時間を費やした。  不思議と失望感が湧かなかったのは作者木下順二 さんへの敬愛の念がそうさせたのかも知れない。失 望は願望を生むと言う。次回への期待を高めつつ、 家路についたのは私だけだったろうか。 追伸   このところ、ワ−プロミス多し、校正される方、 集中力をたかめて行って下さいよ!           さおり 70代以上男性 ◎毎回楽しみにしています。 一寸短かった様に思います。内容がむつかしかった もっと身近な話題がいい様に思いました。 ・大滝秀治さんおパワ−に感激しました。 ・南風洋子さん、いつまでもきれいに又元気で!  何才なのかしら? ありがとうございました。    60代女性 ◎内容が分かりにくくて、出演者も一生懸命舞台で 頑張ってくれているのに申しわけないと思いました。 長いセリフも大変だな・・・と思いつつ最後まで見 せてもらいました。見る側も少し勉強して見ると、 また違っていたかも・・・だけど反省もしました。            ひまわり 60代女性