感想文
◎「憲法改正」への警鐘
井上ひさし氏の意表をつく芝居の設定に感心させ
られた。
両極端の考えを持つ二人を仮定の上で論争させ、
国のあり方や憲法論議をさせるところが実に面白い。
政治論争ともなると、堅い話になってしまうのだが、
芝居となると日常の生活言葉になるので、きわめて
具体的であり分かりやすい。
曰く憲法とは、人びとから国家に向かって発せら
れる命令である。(憲法を守るべきは国なのだ。今
の内閣や議員たちの多くは憲法を守っているか)
曰く「三度のごはんをきちんとたべて、火の用心、
元気で生きよう、きっとね」という唄がつまりはほ
んとうの憲法なんだな。等等。
現在、日本国憲法を変える動きが急速に進行して
いるが、「兄おとうと」は大きな警鐘と受けとめた
。いまこそ憲法を暮らしの中のすみずみまで生かす
ことこそ私たちにとって最も大切なことではないの
か。
本当にいい芝居を見ることが出来た。
長月 70代以上男性
◎時機を得た作品の鑑賞
吉野作造については余り知らず、大正デモクラシ
−の時代に民本主義を掲げて世の中の人を啓発に努
めたくらいしか知らなかった。今回その生い立ち兄
弟妻などの絡みが良く分かり有難かった。
今イラク派遣問題や皇室典範の改正など世間は騒
がしいが、これを見てあらためて我が国の憲法に思
いをいたした。
僅か6人で2時間半、いやピアニストも居たから
7人が人を惹き続け飽きることなく魅せ、ただ兄弟
の姉妹の夫婦愛の物語というスト−リ−を追うだけ
でなく、緊張感を持って次の場面を期待させる演技
力の実力に感心するばかりであった。
ここに描かれている大正時代の物言えば唇寒しの
息苦しい世相は今の日本の少数派の意見が声高な強
硬派に押されているという感じに少し似ているとも
考えられ、心して物事の本質を見極めなければなら
ないと肝に銘じた。
それにしても博士も官僚も国民のためにという立
場は同じであっても、誰の為(主人公)にという出
発点が違えばこうも乖離してしまうという見事な筋
立て、実話であってもそこのところを見事に切り出
していて飽きさせない。
ピアノの伴奏否これこそが筋立ての主人公だと思
うほどの見事さ、最後のカ−テンが下りても皆が聞
き惚れ拍手を送るのが良く分かった。
俳優の歌、踊り、よく通る声、剣幸さんはもとよ
り宮地さんの多芸ぶりにビックリさせられ、日ごろ
の研鑽振りが偲ばれた。最近は経費削減か劇団が辞
退するのか花束贈呈がないが、これがあれば余韻を
さらに楽しめるのだが・・・。
みえこのだんな 70代以上男性
※カ−テンコ−ルで花束贈呈がなかったのは、劇団
からカ−テンコ−ルの演出上花束はないほうがよい
と辞退されたからです。 事務局
◎今、憲法があぶない。特に非戦を誓った九条があ
ぶないと言われているこの時期にピッタリの戯曲だ
と思いました。作者の憲法に対する熱い思いが伝わ
ってきました。井上ひさしさんの作品にはよく音楽
が取り入れられていますが、今回もいろいろな曲が
入っていて、しかもピアノで演奏されていたのです
ね。こういうのは新鮮さを感じます。
それにしても良き兄と弟であり頭もいい、姉妹で
ありました。歌声もすみきった素晴らしい声でした。
兄を心配し世間をおもんばかる弟は世俗の人、右翼
につけねらわれても主義を貫こうとする兄の作造さ
んには自信にみちていて清々しさを感じました。「
今度の選挙にはどの政党に投票しますか」というセ
リフにドキッとしましたがさすがだと思いました。
作者の思いがキラリと光ったように思いました。
日本が戦争への道を突き進んでいった過程もとても
よく描かれていて解りやすかったです。
平和という言葉を口にしながら、米軍基地を強化
しようとしていることに、今こそ私達は、”なぜ”
と発しならないのでは、と思いました。
「三度のごはんきっちり食べて・・・」という最後
の歌には平和への願いが込められていると思いまし
た。 松風 70代以上女性
◎「三度のご飯きちんと食べて、火の用心!元気に
生きよう!」・・・それが庶民の願い。憲法とはそ
んな庶民の願いをかなえるために、人々から国家に
向かって発せられた命令なのだ!・・・なんと明快
な憲法論でしょう。
暴走して庶民のささやかな幸せを踏みにじったこ
の国に対して、そんな過ちを再び繰り返させないた
めに国民が発した命令が平和憲法です。でも、国民
の命令よりもブッシュさんの命令に忠実な小泉さん
には、この平和憲法がジャマでジャマで仕方がない
らしい・・・。色々理由をつけて、何とかこれを変
えようとしていますが、井上ひさしさん、こんな今
の時代の状況を戦前の日本の中にくっきりと浮かび
上がらせてくれました。
劇中に散りばめられた楽しい歌の数々・・・なん
となくなつかしいなあ、と思ったら、作詞井上ひさ
し、作曲宇野誠一郎のコンビは、私が小さい頃大好
きでいつも見ていた「ひょっこりひょうたん島」の
コンビでした。
デモクラシ−を説き、ただ説くだけでなく社会を
変えるために自ら行動し続けた吉野作造の行き方に、
このお芝居を通して出会えたことは幸いでした。命
を狙いにきた右翼も「ウ−−ン」とうならせて納得
させられるような、そんな暖かくてパワフルな説得
力を持ちたいなあ・・・と思ったことでした。
果樹100% 50代女性
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◎珍しく幕が上がりっ放しだった。吉野作造博士に
ついて事前スタディを怠ったので、不安解消には耳
目を集中させるより他はなかった。
舞台正面には民主主義のスロ−ガンが半分見え隠
れし、大正時代の思想背景を映し出していた。
臨場感のあるピアノの旋律が糸で操るように役者を
演技にはしらせる。そして歌声が館内をわけなく包
み込む。
流石!作者の井上ひさしさん、演出・鵜山仁さん、
それに影のピアノ朴勝哲さん、三位一体となって舞
台上の役者さんを支え、リ−ドしてゆくさまは、テ
−マの「兄おとうと」にも似た結束感がみられたゞ
たゞ感心する許りだった。明くる朝、私は図書館を
訪れ、作造博士を調べてゆくうち、大正デモクラシ
−はもとより、軍国主義に走った我が国が、敗戦と
いう結末で、立ち直りを助けたのは、取りも直さず
この作造博士の歴史があればこそと、六十年ぶり、
いや七十年振りに頭が洗われた気分になり、得をし
た思いで一杯になった。
さおり 70代以上男性
◎前略 代表の方、スタッフの方々ご苦労様でした。
心より有難く厚く御礼申し上げます。民あっての国
家、国家あっての民、73歳の老生”いつ死んでも
良いなぁ”後継者も立派に育ったし、只々、女房と
老いの坂を味わい居る。幸せすぎる、三次元的には
65歳で完成終了・・・何か命より大切なもの・・
・釈迦が空海が掴んだもの掴んで肉体とサラバと思
っていましたが・・・もう一寸神風日本に生き得た
私、隠居早いかと思ったり・・・
7名のスタッフでようこそ難しい処のものを語り、
笑いと感動と気付き下されました。ピアノさんも生
!すごい!
「菊作り菊観る時に陰の人」、役者さんの努力ハン
パじゃない、と女房共々感動、感心を語りつつ、心
豊かに心温かく帰りました。
感謝、合掌。
ダイヤモンド・ママ 70代以上男性
◎やはり戦間期、第一次大戦から第二次大戦までの
間に生きた男どもはマザコンですなあ。いや、ちょ
っと不思議に思ってたんですよ。「この芝居、吉野
作造・信次兄弟の息子や娘が出てこないぞ?」て。
何のことはない、作造・信次は玉乃・君代姉妹の夫
である以前に「ガキ」なんですよねえ。二人とも大
変なロマンチストです。作造は「民が天を動かす」
明るいロマンチスト、信次は「民が天に動かされる
」陰気なロマンチスト。2006年の日本にこんな
兄弟がいたら、熟年になる前に離婚ですよお。でも、
そこは日本近代女性のシンボル的な良妻姉妹の腕の
見せ所。この二人の悪童のケンカをうまくさばいて
みせます。
それにしても、吉野玉乃役の剣幸さんと君代役の
神野三鈴さんの年のとり方と服のきこなしは実に見
事でした。これは舞台でしか実感できません。TV
の舞台中継なんか見てると空間が狭くなって役者の
息づかいやオ−ラ−が届いてこないんです。うん、
この芝居をこの目で見られ幸運でしたな!
ちきり 30代男性
◎今、憲法を変える動きがある中で、今回の芝居は、
「今の憲法を守りたい」という井上ひさし氏の思い
が伝わってきました。「国が守るべきことを書いて
いるのが憲法、国民が守るべきことは法律」。吉野
作造の民主主義感に納得しました。
2F席でした、役者の声(せりふ)はよく通り、
舞台は色彩的にも大変きれいでした。お芝居は内容
だけでなく、舞台装置の配置や色彩、音響にも「み
どころ」があるんだと初めて気づきました。
ツキスミ 50代女性
◎本当に、本物の芸術の中に、一人身をゆだねて、
役者さんやそのセリフを言わしめている作者からの
メッセ−ジを受け取る。なんて幸せなひとときなの
でしょう!すべての人がお芝居を好きなわけでもな
いと思うが、自分の知っている人たちにはみんなに
観てほしいなと思う。もっと気軽にもっと親しく・
・・。第67回定期総会議案書を読みながら、市民
劇場を支える人々の努力に本当に本当に感謝してい
ます。
兄おとうと、よかった!!
鎌田池 40代女性
◎吉野作造とその民本主義については知っていたが、
その弟が農商務省の大臣であることは知らなかった。
全編ミュ−ジカルであり、議論であり、議論は何
処まで行っても噛み合わないところと、時代時代に
沿った風俗―右翼とか説教強盗とかも面白かった。
ところで老来、小生、記憶力が著しく減退し困難
を感じているところですが、役者の方々はどうして
数字を含む長々とした独白を語ることが出来るので
すか、教えてください。
Q 70代以上男性
◎会員になり初めての公演でした。ミュ−ジカルや
芝居を観る機会がなかったので、楽しみでした。今
回は、ミュ−ジカルというかお芝居というのかわか
りませんが、話の内容もよかったと思います。
7人であんな風にできるってすごいですね。これ
からが楽しみです。
ふぁんふぁんV 40代女性
◎入会して3年目になりますが、今まで観た中で、
一番よかったように思います。
みんな、芝居もうまくて、歌もうまくて、筋書き
もコミカルでよかった様に思いました。
RNCX 50代男性
◎おもしろい。芯があって、でも易しく、楽しくと、
とっても良かったです。
ハ−モニ− 50代女性
◎「三度の食事と火の用心」楽しく元気にくらせる
平和な日常に感謝する大切さに気づかされました。
とても楽しかったです。 馬酔木 50代女性
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