香川市民劇場例会感想文集

2006年11月例会 幹の会+リリックプロデュ−ス公演 オセロ−
感想文
◎古典の持つ今日性
 オセロ−は1604年の作品である。この作品の
一年前に日本では江戸幕府が開かれている(160
3年)。もう一つ言えば、あの歌舞伎の始まりとさ
れる出雲の阿国が京都の四条河原で踊ったのも幕府
の開かれた年、1603年のことである。
 さて、私はオセロ−を見るまで、正直言ってあま
り興味が持てなかった。「まくあい」(371号)
にも書かれている通り「嫉妬と猜疑心から生まれる
悲劇」で単純なスト−リ−だからと思い込んでいた
のである。
 しかし、見終わって「う−ん」と唸ってしまった。
実に今日性を持った芝居だったからであった。勿論、
平幹二朗の見事な演技があってのことは言うまでも
ない。それはどこか。オセロ−のあのクライマック
スのシ−ンである。
 妻(デズデモ−ナ)をベッドの上で絞殺するオセ
ロ−。まさに俺(オセロ−)がやったのだけれど、
その俺は今こうやって立ちすくんでいる。しかし、
その俺を他人のように眺める感覚が俺の中に生まれ
て、しかもその眺めている俺が、おれ自身に分かれ
る。そういう二重の感覚の不安、不安定さが今に通
ずるのではないか。
 すぐれた古典は、古典であるにもかかわらず、不
思議な今日性を持つものだということに改めて気づ
かされた。      長月 70代以上男性

◎「オセロ−」は実に鬼気迫る舞台でした。ことに
イア−ゴ−こと平大岳さんとオセロ−将軍こと平幹
二朗さんの全身からあふれるオ−ラ(?)にはもの
すごいものがありました。
 それにしても、イア−ゴ−の動機を「母親(?)
をム−ア人(?)にレイプされた過去」に求めたの
はなかなかユニ−クですね。原作では、イア−ゴ−
の妻エミリアとオセロ−が密通した疑いを動機の一
つにしていましたが、これを思い切ってバッサリカ
ットしたのは大岳さんのイメ−ジに合っています。
大岳・イア−ゴ−はしっと深い中年男じゃあありま
せんもんね。カラヤンもゼフィレッリもイア−ゴ−
を「おっさん」として演出していましたが、平大岳
さんは、「青年」ですからなあ。
 それにしても・・・あんな有能なイア−ゴ−をど
うしてオセロ−将軍は副官にしなかったのでしょう
か?キャシオ−は女関係はだらしないし、ころっと
人にだまされるし・・・こんな男が島を守っていて
もオスマン・トルコ帝国の放った美人女性スパイに
暗殺されるような気がするのですが?えっ、そんな
しょうもないこと考えるのは私だけですって?!
お言葉ごもっとも。   ちきり 30代男性

◎平幹二朗さんの演出・主演なので迫力には無類の
ものがあるだろうと、開演を首を長くして待った。
 暗がりの中、スポットライトにイア−ゴ−が現れ、
力強くタップを踏み出す。何故かここでフラメンコ
?の威圧的シ−ンからスタ−トした。舞台は何もか
も汚れっぽく目に映る。大きな扉状の側壁には謎め
いた絵が描かれており、それが自在の照明で悪魔や
気違いの、住居のように浮かび上がっていた。
 私は役者のワザはそこそこに、何時の間にか光の
織りなす微妙な変化にセリフを融合させていた。物
語はパンフで充分。
 平幹二朗父子を意識しつ、オセロ−がイア−ゴ−
の手の内を何故察知しようとしなかったのか、ダブ
らせて考えるうち二人共果てていた。イア−ゴ−の
恨みは将軍がム−ア人だったのかも知れない。
 片付け当番でいち早く側壁に向かったがそこには
抜け殻の印象しかなかった。150回公演の証を垣
間見た一瞬だった。 さおり 70代以上男性

◎極上のワインを飲んだ後のような気分です。以前、
市民劇場で「リア王」を拝見した時も、すごいなあ
と思ったのですが、今回も、平幹二朗さんに圧倒さ
れました。また、三田和代さんは「その河を越えて
五月」(平田オリザ作)以来ですが、かっこいい。
平大岳さんも、ハンサムでかっこいい。
 市民劇場で、ぜいたくな時間を過ごせて幸せです。
暗い話題ばかりの世の中だけど、元気に生きていこ
うと思います。     ひばり 40代女性

◎「情けない!」
今回も公演中に携帯電話が一度鳴りました(前回の
着信音と同じ音)
 事務局の方は、開演前にもう少しきつい口調で、
携帯電話について注意して欲しいと思います。
 平幹二朗さん、三田和代さんの熱演が本当にすば
らしかっただけに、よけいに携帯電話の問題が情け
なく、かついきどおりを感じています。
(私も今度鳴らした方がいれば、即注意し、退場を
求めます。)        ? 50代男性

◎何時の世でも男性は嫉妬深いものですね。
迫力がありましたね。あの平さんが見事に狂ってい
く様は恐ろしいほどでした。それに引き換え息子さ
んはちょっと?でしたね。イア−ゴ−の役もそうで
すが大柄で見栄えは良いのですが、ドタバタしすぎ
ではないでしょうか。もっともタップは楽しめまし
たよ。あ−そうそう一階で聴く音楽が耳を劈きまし
た。
 言葉の壁があるのかもしれませんが、男性に対し
て同じ男性が「愛している」というのを聞くと、な
んだかむず痒い感じがしました。それにしても何時
も感じるのですが、シェイクスピアという人は語彙
が豊富で言葉が次から次へと出てくるのですね〜。
こちらが年をとってきたせいでしょうか、聞いてい
て疲れました。
 肌の色違いだけが、あれほど男性らしい軍人にし
ても、劣等感を覚えるのですね。人種差別なんても
のが今以上に凄かった時代にしても、あれだけのこ
とで妻を疑いだすなんて、男ってはっきり言ってバ
カですね。最も今の時代にも新聞などを賑わしてい
る嫉妬心をこの時代に借りて表現しようと出演者が
感じているのなら別ですが。
 大雨の中楽しみにして出かけたのですが、イマイ
チ没頭できなかったのは外国ものだったからでしょ
うか。男女の機敏がもう少し細かく描かれていたほ
しかったからでしょうか。少々残念でした。
 舞台装置は見事でしたね。場面転換などの鮮やか
さに息を呑みました。音響は凄かったの一語に尽き
ました。喧しさと共に。
 投稿欄に若い世代のものがないのが少し気にかか
ります。積極的な若者の意見をもっと聞きたいです
ね。            ? 60代女性

◎生でオセロ−の舞台を見るのは初めてとあって「
絶対見逃したくない」と丸亀まで出かけて行ったの
ですが、その価値は十分にありました。
 ことに座席指定解除後は正面のかぶりつきで観劇
できたので、迫力満点でした。
 「英雄」と呼ばれた男が嫉妬と猜疑心にさいなま
れるさまを熱演した平幹二朗さんもさることながら、
彼の息子の大岳さん演ずるイア−ゴ−の悪人ぶりも
なかなかの味を出していました。彼がメラメラと燃
えるような悪意をフラメンコで表現するところもセ
クシ−でかっこよかった!
 物語の最初と最後のモロッコ風(?)のエキゾチ
ックな音楽、シンプルで美しい舞台装置、黒子役の
人たちのあしらいなど、しゃれた舞台仕立も印象に
残りました。
 猜疑心、憎しみ・・・そんな負のエネルギ−にあ
やつられる人間の悲しさともろさ、そして愚かしさ
を描いて見せたこの芝居。これは人間個人に起った
悲劇ですが、国と国の関係や平和の問題を考えると
きも同じことが言えるかもしれません。
 猜疑心にあやつられ、憎悪や恐怖心をあおられて、
真の解決の道を失うことのないように心しなければ、
私たちは大切なものを失うことになるでしょう。今
の日本は、何かあやつられて愚かしい滅びへの道を
歩もうとしているように思えてなりません。
         果樹100% 50代女性

◎私の好きな幹の会+リリックの公演で、また平幹
二朗さんにお会いできました。これまで、リア王、
冬物語とシェイクスピアの作品を楽しませてもらい
ましたが、今回も、息子・大岳さんのフラメンコで
オ−プニング。オセロ−役の平さん、デズデモ−ナ
役の三田さんと息の合った演技にぐいぐい引き込ま
れました。
 嫉妬や猜疑心が時として悲劇を生むとはいえ、夫
婦、親子、友達が「信じあう」ことを大切にしたい。
えっ!オセロ−とデズデモ−ナが信じあっていれば、
この話はない?
そぼふる雨の中、市民会館では別世界が広がってい
ました。     リフレッシュ 50代女性

◎私は二十五年前市民劇場二十五周年のパ−ティに
参加致しました。確か栗林の方の会場だったと記憶
しております。私の向かい側の席に江守徹さんとか
平淑恵さんが笑っていらして、お顔をつくづく拝見
していたのを覚えています。私も若かったし、当時
一緒だった主人も故人となり何時の間にか市民劇場
もご無沙汰致しておりました。
 今度友人から五十周年の話を聞き又入会させて頂
きました。久方ぶりの例会、感動致しました。年を
加えると又若い時とは違った感情です。オセロ−良
かったですね。楽しみがふえました。
       フレンドリ− 70代以上女性

◎すばらしかったの一言!! 感動しました。
       グレイシスU 70代以上女性