香川市民劇場例会感想文集

2008年3月例会木山事務所公演 出番を待ちながら
感想文
◎「出番を待ちながら」など
ここ三回、「家族の写真」(昨11月例会)、「
セメンタリ−倶楽部」(1月例会)、「出番を待
ちながら」(3月例会)のいずれもアンサンブル
中心の芝居でしたが、「家族」は演出上のポスト
・モダ−ンを感じて、ぼくには難解な面があり、
「セメンタリ−」にはいくらかの不自然さがあっ
て小さな違和感があり、「出番」が伝統的手法と
アンサンブルの卓越性が見事に表現されて秀逸の
一語に尽きる。
要するには、演出とアンサンブルが尻上がりによ
くなったと思う。アンサンブルといえば、モ−ル
アルトのオペラでの重唱であってイタリアのグラ
ンド・オペラも重唱はあるが、なんといってもこ
の方はアリアと合唱が聴きもの、見ものであり、
モ−ツアルトの三重唱、四重唱こそアンサンブル
の絶品。「セメンタリ−」や「出番」にはこのア
ンサンブルあり、とくに「出番」のアンサンブル
は見事そして三重唱、四重唱、あるいは五重唱が
組み込まれて迫真性があった。大道具もよく照明
も伝統的、古典的ながら、人生晩年の人間をあた
たかくみつめるにはふさわしいものだった。
 最後に一言つけ加えたい。「セメンタリ−倶楽
部」のタイトルが気に入った。「セメンタリ−」
とは「墓地」のこと、そのクラブとはなんぞやと、
はじめはいぶかったのだが、芝居を拝見して、な
るほど、パ−トナ−を失った妻女たちのクラブの
ことと合点がいった。ぼくはセメンタリ−の散歩
の愛好者で、パ−トナ−は健在だから、彼女たち
のような資格はないのだが、このクラブの会員と
して、このドラマに親近感が募り、自分が演出者
なら、こうしたい、演技者なら、こうしたい、ア
ンサンブルはこうしたいとの思いがよぎった。そ
の具体的なことはここで記さないけれども、「墓
地クラブ」という芝居をふくらませて想像力を働
かせ、「千の風」以上の、いのちをうたいたいも
のと思ったのである。
         バ−コット 70代以上男性
◎「いくつになっても 出番は来る」
誰もが迎える人生の黄昏時、それぞれの人生の荷
を背負いながらも、泣いたり、笑ったり、ぶっつ
かりあかったり、最後のその時がくる迄、生涯現
役で生き抜きたい、と思う舞台だった。
 川口敦子さん、新井純さん他、皆さん立ち振る
舞い、ノリの良い歌や踊りに、かって女優であっ
たことを髣髴させる。
 私達も「元気」と「しょんぼり」と繰り返しな
がら、Wingsの皆さんのように励まし合って、
人とかかわりあってやっていきましょう。
           リフレッシュ 50代女性

◎さて、私たちの人生の黄昏は?
元・女優たちが人生の黄昏をともに過ごすホ−ム
・・・・・彼女たち1人ひとりの人間像や周りの
人たちとの関わりを描く、ノエル・カワ−ドの視
線がとても暖かく、芸達者な彼女たちがときに歌
い、踊る・・・・・そんな楽しみも加わって、見
ごたえのあるお芝居でした。
個人的には、ホ−ムの女性院長が「らしく」なく
て頼もしくカッコいいなあ、印象に残りました。
 私の周りでも親の老いやその介護を通して、自
分たち自身の老いをしみじみと考えさせられるこ
とが多くなってきました。友人とよく話している
のは、気心の知れた者同士がいっしょに暮らせる
グル−プホ−ムがあったらいいね、ということ。
 さまざまな市民運動をしてきた仲間たちが暮ら
すグル−プホ−ムでは、きっとテレビのニュ−ス
を見てはみんなで「●●首相、けしからん!」と
息巻くことが生きがいになったりするのでしょう。
みんなで杖をついてピ−スウォ−クに行ったりす
るかも。私が認知症になったら、カラオケのマイ
クを持って、きっと街頭演説を始めるんじゃない
かな?・・・・・とか。
 すてきな仲間がいれば、年をとることも怖くな
いと思わせてくれるお芝居でしたが、そんな気持
ちでホ−ルを出て、はたと現実に引き戻されてみ
ると、この国の現実は「後期高齢者医療制度」が
象徴する冷たいものでした。
 人生の黄昏を素敵なものにするためには、仲間
だけでなくまっとうな政治も必要ですね。
           加重100% 50代女性