香川市民劇場例会感想文集

2011年5月例会 劇団青年座公演 族譜
感想文我に創氏改名に抗する意地ありや
 私は台湾で生まれ育ちも戦後引き揚げ喜寿を迎
えた。
 台湾では、「創氏改名」でなく、「改性名」と
いう話で強制でもないが比較的容易に変更してい
たようであった。
そのせいか同級生でも改姓していない者も多々有
った。長じて歴史を学ぶと朝鮮においては民族の
誇りも有ってかなりの抵抗があったことを知った
が、この演劇におけるような話までは知らなかっ
た。植民地政策の違いや民族の考え方の違いや先
祖からの血脈に対する思いが異なることにもよる
のだろう。
朝鮮民族の先祖に対する誇りアイデンティティイ
それらの強烈な思いを知って打ちのめされた。も
っともこれは知識層や富裕層の話で一般の庶民に
はそこまでの気概があったとは思えない。
 私だったらどうしただろうか、この主人公のよ
うな家系図も持ち合わせていないし、権力に対抗
する気概もないし簡単に創氏改名に応じたことだ
ろうと観劇しながら感じた。
 ソルさん(青木氏)の素晴らしい演技、特に役
所に届けることを決心した後の悲痛な叫びの歌に
は涙を禁じえなかった。
 佐藤さんの最後の権力に対して爆発するまで抑
えた演技が実に素晴しかった。転換場面に登場す
る3人の動きで局面の進行がよくわかるしその後
の展開にスム−スに入っていくことができた。
 民族が他民族を支配する今もあちらこちらで見
聞きするが、このような悲劇が起こらず平和な世
界を実現できることを期待しつつ見終わった。
             ? 70代以上男性

◎重いテ−マでしたが幕間の明るく可愛い踊りに
心が弾み、その度に気持ちを和ませながらの観劇
でした。日本人に生まれてこれだけ不幸な過去を
避けて通るわけにはいかんと・・・。これらの不
幸な時代を超えて今、私たちは平和に生きている
ということを改めて認識しなければとの強い思い
!本当に市民劇場ならではの素晴らしい芝居だっ
たと思います。有難うございました。
                たかん 女性加害と被害の狭間
 植民地を支配するものと支配される者の関係を
ズバリ表現した劇だった。それだけに、時を隔て
た現在にも通じる重いテ−マを扱う劇としてやや
もすれば暗くなりがちだが、軽いユ−モアを交え
ながら淡々と話がすすめられたのが印象的だった。
それも演出と演技者の定評ある手練によるものと
思われた。        そてつ 60代男性

◎とても重い内容の舞台でした。秀吉の朝鮮侵略、
戦前の朝鮮の植民地化等は、知ってはいましたが、
それが支配された民族にとっては、何百年も忘れ
ることのできない、どれほど残酷なことだったの
か。
 族譜について語る娘の全身から絞り出すような
語りに、その心の痛み、苦しみがひしひしと伝わ
ってきました。
 語りがこれだけ訴える力があるのかと、あらた
めて演劇の素晴らしさを感じました。   青空

◎「強制ではないが、全員自発的に名前を変えさ
せるのだ」。これは、何十年も前のことではあり
ながら、日の丸、君が代にも通じる現在の問題で
ある。権力者は、必ず「強制はしない」と言うが、
本当に強制しないのなら、そもそも制度を作るは
ずがない。また「愛国心の高揚」が、いかに「反
日分子」を生み出していくかも、とても分かりや
すかった。
 市民劇場の将来の会員を増やすためにも、この
ようなすばらしいお芝居は、中高生には無料で見
せてもいいのではないでしょうか。制服着用、引
率など、条件は適切に決める必要はあると思いま
すが、ぜひ、2階席を若い人に開放して、演劇を
見る人を育てていくことを提案します。
             ひばり 40代女性

◎人はそれぞれ物差しを持っていて、その長さも
形も違う。自分の考えを押し付けることにより摩
擦が生じる。族譜を見ながらそれを感じずにいら
れなかった。
 例えば自分が良かれと思うことでも、相手から
すれば大きなお世話になる可能性もたぶんにある。
 この物語は太平洋戦争へ突入する間際の約70
年前の時代の人々を描いた話だが私は今もこの国
には同じことを感じずにはいられない。
「美しい」「汚い」「奇麗」「醜い」世の中の価
値観というものは沢山あるはずだ。しかし、いま
「善か悪か」「白か黒か」の二極になっていない
か。
 人とは清廉潔白でなくてはならない。そうでな
い人は存在価値すら認められないどころか周りか
ら袋たたきにあっていることをよく目にしている
のは私だけだろうか。そういう人に対して迷惑だ
という人の意見もあるだろう。
 それは健全化のために、「○○が傷つく」とい
う安易なセンチメンタリズムによる自己正当化に
なってはいないのか。安寧の要塞は堅牢になり、
外の世界を憎むようになる。
 法令順守も大事だがこの最近の日本は社会の寛
容さが無くなってきているように感じずにはいら
れない。      ビックア−ト 30代男性

◎族譜?あまり耳にした事がない。興味深く観劇
しました。呼び方が違えど日本にも家系図はある。
「長いものには巻かれろ」もありますが、植民地
支配とは悪い部分がすべて出る。これが戦争に勝
った、うぬぼれ、増長、谷六郎の名前はかすかに
記憶に残りました。     扇会 60代女性

◎過去のこととはいえ、日本人として重い課題を
突き付けられた思い。
 お父さん役の青木力弥は声がいいし、歌はうま
いし、いい役者でした。  RNCX 70代男性

◎重いテ−マでした。でも日本人として知るべき
テ−マです。私の好きな朝鮮の舞踊もみれて、役
者さんはすばらしい。朝鮮は、近くて親しい国で
す。        だいこんの花 60代女性

◎役者さんの演技には感動しました。衣装も非常
によかったと思います。
 劇の内容は、事実その通りですが、あまりにも
日本人の悪態が強調されていて、少しは良い面も
劇に取り入れた方が観劇後の気持ちが変わったの
では?と思った。        お話しの部屋