香川市民劇場例会感想文集

2011年9月例会 劇団民藝公演 父と暮せば
感想文
◎辻萬長さん、栗田桃子さん、味わい深い素晴ら
しい舞台を有難うございました。映画の原田さん、
宮沢さんもよかったのですが、舞台では、また違
った魅力がありました。
 「父を見殺しにして、自分だけ助かってしまっ
た・・・」
 身近な人に対して、そのような思いを抱いて生
きてきた人は、広島にも、今回の福島にも大勢い
るでしょう。少なくとも私は知っております。そ
の人は50年以上も誰にもは話せず、つらい夏の
出来事を胸にしまっていました。
 「父と暮せば」は、被爆者の声なき声を、井上
ひさしが全身全霊で舞台に乗せた名作だと思いま
す。その井上ひさしの言葉が痛い。「広島・長崎
に落ちた原子爆弾は、実はまだ燃えているんです
ね」今も原爆の炎は、広島の人を一人また一人と
殺し続けています。福島の放射能も一人まと一人
と殺し続けるでしょう。悲しいけれど。恐ろしい
現実だと思いました。 ひばり 70代以上女性

◎テレビの映像で「父と暮せば」を見て心打たれ
た。これを生身の人間の芝居で見たら、きっと一
そうの力強さを感じるのではないか、と思って見
に行ったのが動機です。そして思ったとおりでし
た。二人でする芝居というのがかえって一そう迫
力があるのかもしれません。
・私も戦争を体験し、戦後を体験した者の一人で
すので、原爆で死んだ父というその思いがよく判
り、まして原爆が出て来るのですから、日本とい
う特異な立場、竹造の思いが良く判ります。娘の
思いは、若い女としての思いがいじらしく、父亡
き後の日々の暮しも父への思いも切実で心を打た
れます。
・広島弁がこなれていて、何気なく語られる芝居
 というものの良さをつくづく感じました。
・音楽でも、CDやテレビより生の演奏がよいと
 感じられるのと同じように芝居のよさを、特に
 思い知らされた一日でした。
           ひばり 70代以上女性
◎ロビー交流会
 上演時間が1時間20分と短かったので、夜例
会の後60名の参加で行われました。
 司会はディジーサークルの川井陽子さん、まず
は「お疲れのところ・・・」で始まると、父親役
の辻さん「今、芝居が終わったところでとても疲
れていますが、香川の皆さんがやさしい目で最後
まで観てくれ、本当にありがとう・・・」
娘役の栗田さんも「舞台というものは観客の力を
借りて、助けをもらって成り立っているもの、と
ても良い空間で演じることが出来ました」とご挨
拶。「劇中でアドリブは有るのですか」との質問
に「井上ひさしさんが考えられた素晴らしい言葉
ばかりなので、セリフの一つ一つが大切で一言一
句間違いなく、その通り演じています」とのこと。
 昨年亡くなった井上さんの話におよぶと、一気
に疲れが吹っ飛んだように身を乗りだされて「演
じている者にたいして悪いことは何も言わず、良
いことだけをおっしゃる人柄だったので、演じる
役者は皆井上さんの気持ちを尊重してできるだけ
解りやすく言葉を大切に演じています」と。
 劇中で使われている広島弁は厳しく教わったそ
うです。
 会員さん達からの芝居の評価も高く、和やかな
雰囲気の中、素晴らしいお芝居をありがとう!の
エールと拍手で無事に楽しい交流会を終えること
が出来ました。        文責 タカポン

◎観劇感激おしゃべり会では
・広島弁でなじみ難いという意見が出ましたが、
 逆に、その味わいが良かったという意見も多く
 ・・・。
・上演時間が丁度いいくらいだった。
・親の、子に対する深い愛情を感じた。
・目の前で親が死にそうなのに、逃げろ!と言わ
 れて逃げられるのか、自分の身に起こったとし
 たらどうしたのか?想像が出来ない。
・原爆の怖さが、すごく伝わってきた。やっぱり
 井上ひさしはすごい!!総じて好評でした。
そして、やはり大震災・原発事故へ、さらにはエ
ネルギー問題、政治の問題へと、話は拡がってゆ
くのでした・・・
 作品の世界が他人事ではなく、すぐ身近にある
現実問題なのだという思いを深めました。やっぱ
り、井上ひさしはすごい!?   文責 布左子