その5 ミシェル・ファイファー MICHELLE PFIFFER

 
   ’58年生まれだからもう40歳ということになるじゃないスか。綺麗だなあ〜。
白人さんはお肌の老化が早いから、年にそぐわないフケ顔の人がけっこう多いが、反面、女優さんなんかは年齢不詳の美人というのもいて、やたらめったら若くて綺麗だったりする。
ミシェル・ファイファーもそんな美人のひとりだ。


    実はミシェル・ファイファー、前はそんなに好きじゃなかったのだ。
これは本人もしょっちゅう言ってるしまわりも言ってるし私も思ってたんだけど、あの
アヒル、またはカエルを連想させる目の離れたルックスがどうもな〜、と。
『スカーフェイス』('83年)でキレキレヤクザなアル・パチーノの愛人役をやっていた彼女なんかは、ヤクでラリラリだし、ガリガリに痩せていて顔のとんがった、美人だけど全然特徴も魅力もない女、という感じだったのだ。


      ちょっと「ん?これは?」と思い始めたのが『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』('89年)の頃からである。
兄弟ふたりに惚れられて、「けんかをやめて」状態でモテモテなシンガーを演じたミシェル。
私もいっぺんでいいからジェフボーのブリッジス兄弟に取り合いされてみたいもんだとよこしまな事を考えながら観たものの、この映画のミシェルを観て、私はこの人こんなに綺麗だったっけ??とびっくりしてしまったのだった。 しかも歌がうまい。こういうのはたいてい口パク、吹き替えで誰かプロの歌手がうたっているものと相場は決まっているものだが、クラブでピアノにあわせてうたう声が、ミシェル本人だと知って二度びっくり。
うまい、うまいぞ。
女優では他にメリル・ストリープなんかもすごく歌がうまいのだが、美人な分だけミシェルのほうに分があるぜ。このミシェル・ファイファーの歌にはすっかり参ってしまった私であった。カヨちゃん、カンゲキー。(バカッ!)


    『アンカーウーマン』('96年)でもなかなかの声量を披露してくれたミシェルだが、歌といえば…
私の持っているCDに映画のサントラを集めたものがあるのだが、その中に『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』のが入っている。ミシェルのうたっているやつだ。
タイトルには
「歌:ミシェル・ファイファー」
ぶわはははは、誰なんだ
ぷファイファー
確かに頭に"P"がついているんだけど
ぷファイファーはないだろぷファイファーは。
ローマ字教育というのは恐ろしい。


    どうでもいい話になってしまったが、私が決定的にミシェル・ぷファイファーを好きになったのは、『素晴らしき日』('96年)での彼女を観てからである。
この映画、期待せずに観たらなかなか面白くて、アメリカ本国でヒットしなかったのがもったいないのだが、これのミシェル。
相手役のジョージ・クルーニーとラブラブな雰囲気になった彼女は、洗面所にこもってあわてて身支度をする。ここがすごいのだ。
大股を開いて洗面台に
がばっと足を載せ、歯ブラシで舌をゴシゴシこすっているその姿。美人女優がそこまでやっていいのか!?すてきすぎるぞミシェル。
この時から私は決定的にミシェル・ファイファーが好きになってしまった。もう
アヒルだってカエルだっていい
子供もいるなんて信じられないくらいだけど、40過ぎたってまだまだヒロインとしてやっていけそうだ。がんばってね、ぷファイファー。