漢方サウナと足裏マッサージ 2000.5.12 |
最近、忙しい。卒業論文の時期なのです。学生達は就職活動の真っ最中に卒論を提出しなければならないから、もっと厳しいのですが・・・。しかし、卒論と言っても、中国ではゼミがありませんからレポートみたいなもの。5000字以上。でも日本語で書かなければいけません。 ゼミがないから担当の先生は学生が勝手に決めるのです。昨年は何もわからず、ホイホイ引き受けていたら21名中11名を指導することになってしまっていました。事務の方(ほう)からそれはあんまり良くないとクレームが付き、今年は1人の先生に最高6名という規定を設けてくれました。それで今年、私は抽選と情実で7名を指導することになりました。 22日が提出期限なのですが、ぎりぎりまで取りかからなかった学生もいて、私の方もなかなか厳しい毎日なのです。 そんな中、楽しみを見つけてしまいました。 漢方サウナとマッサージ。在住の日本人達も時々行っているそうなのですが、以前マッサージの店は「いかがわしい所」と聞いていたので、行ったことがなかったのです。しかし、「最近は取り締まりが厳しく、表通りの大きな看板をあげている店は絶対に健全、健康である。いかがわしい女性はすべて黄色い散髪屋に行った」と同僚の先生に教えてもらい、最近できたばかりの漢方サウナ+マッサージの「健康中心」に行ってきました。「健康中心」は固有名詞ではなく、一般名詞です。「健康中心」ですから不健康なことはしないでしょう。 さて、大学のまわりの繁華街「石牌東路」には「健康中心」は2つ。その中で一番新しい店に行きました。入り口での説明には、薬サウナ+足マッサージ(1時間)+全身マッサージ(1時間)で88元(1元約15円)。オープン記念セール中だということでした。 受付のおねえさんも、案内のおねえさんもとてもきれい。チャイナドレスを着ていて、「ひょっとするとここは・・・・?」という感じもします。 まず、シャワー室に連れて行ってくれて、シャワーを浴びます。当然ですが、シャワー室の係りの人は全員男です。そしてサウナ。入ると漢方のに匂いで一瞬、気が遠くなります。思わず息を止めてしまいますが、いつまでもそうしていることはできないので、口を小さくして息をすると、口中に漢方の味(?)が広がります。日本のサウナより蒸気が多いようですが、その蒸気には漢方色(私のイメージでは焦げ茶と鶯色の中間)がついているような気さえします。しかし、しばらくすると、この匂いにも慣れます。そのうちに驚くほど汗が出ます。なかなか気持ちが良くなってきます。 かなり大きなサウナ室ですが、お客が入れ替わり立ち替わり、出入りします。どうも広東の人はサウナに弱いようです。そんな感じですので、長い時間1人で入っていると、係員が「だいじょうぶか?」と様子を見に来ます。 サウナから出て、もう一度シャワーを浴び、もらった紙のパンツを穿いて、甚平のようなものを着て休憩室へ。きれいなソファーに腰を下ろすと、またきれいなお姉さんが、白湯とフルーツを持ってきてくれ、どのコースにするかと聞いてくれますが、ほとんど聞き取れないので「88元のやつ」と言うと、「わかりました」。 しばらく汗が引くのを待っていると、白衣を着た足専門のマッサージ師さんの登場。足マッサージ室に連れて行ってくれます。そこには既にマッサージを受けている人が何人かいます。当然、お客さんには女性もいます。男性のマッサージ師さんもいますが、私の担当は50歳位のおばさん。しかも、かなり年期が入っているようで、指はもう短くなってしまっています。 まず、足を小学生の時飲んだ虫下し「まくり」のような液体の入った桶の中に足を入れます。かなり熱い。匂いも相当きついのですが、鼻はさっきのサウナ室で麻痺しています。その中でまず、足を充分ふやけさせ、マッサージクリームを塗って、足裏マッサージの開始です。 日本では香港の足裏マッサージが有名ですが、最近は香港と広州の間にある街、深センが一番有名になったそうです。その影響もあるのでしょうが、広州でも最近この「沐足」の看板を掲げる店が増えてきました。 さて、その足裏診断ではなくて足裏マッサージ。最初はかなり痛い。うめき声をあげそうになるときもありますが、そのうち、「涎が出るほど」気持ちよくなってきます。 「ああ、やっぱり足の裏には何かがある!!」という感じです。特に土踏まずの周辺は、「痛気持ちいい」。最初、この痛さで1時間はちょっと辛いかなあと思ったのですが、あっという間に1時間は経ちます。おばさんは「痛いか?痛くないか?」と何度も聞いてくれますが、そのたびに「痛い、しかし、気持ちいい」というと、「よし」と言って続けてくれます。 そして、終わるとまた休憩室へ。同じ白湯とフルーツがでて、待っていると、今度は同じく白衣を着た別のおばさんが「マッサージ室」へ連れて行ってくれます。そこで全身マッサージ。かなり痛い感じのマッサージです。 私は背骨と首の骨にに小さなヘルニアがあり、寒くなると痛むことがあるのですが、その時には整骨に行ったりします。しかし、そこよりここは「皮膚と筋肉が痛い。」。 日本でよく行くカイロプラテックのお医者さんは、私の骨(本当は腱だそうですが)を「ポキポキ」いわせて、「よく鳴るねえ。」と喜んでくれますが、ここのおばさんは徹底的に筋肉と皮膚、および最近、急に増えてきた私の皮下脂肪を攻めます。皮下脂肪が毛穴から出ていくような妄想が浮かんできます。 マッサージの間、おばさんはいろいろ喋りかけてきます。「外国人だから、あんまり言葉がわかんないんだ」と言っても、「何人だ?どこに住んでいるんだ?仕事は何だ?中国語ができなくても教えられるのか?こないだ西欧人が来たが、ちょっと怖かったぞ。日本人は中国人と同じだな。」などとよく喋ります。 残念ながら、このおばさんのマッサージはこの会話がじゃまをして、つまり私の神経はすべて言葉に集中してしまって、充分楽しむことができませんでした。でも1時間の短いこと。あっと言う間でした。 マッサージを受けた後は、足が本当に軽い。体も軽くなっています。そう話すと、さっそく女房も行ってきました。サウナは「ちょっと嫌」なので、足マッサージだけにしたそうです。1時間35元。マッサージ師さんは若いきれいなお姉さんだったそうで、悪いような気がしたとのこと。でも「絶対足が細くなった」と大喜びでした。 私は今日現在、2回行ったのですが、それ以降、なかなか時間がとれません。毎晩学生が卒論のことや、この金曜日にやらなければならない日本語祭りの打ち合わせに来るのです。 卒論が終わったら、週2回くらい通ってヘルニアを治してやろうと思っています。 【写真】 ・先日健康中心に一緒に行った中山大学の犬山先生ご夫妻 ・健康中心のある石牌 ・夕闇迫る広州 |
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