2006/5/9
中川博司 社民党長野県連合幹事長
改憲のための国民投票法案に反対しましょう!

■改憲前提の国民投票法案

 自民党が、05年11月の自民党結党50年にあわせて新憲法草案をまとめるなど、憲法改正に向けた動きが本格化しています。昨年の衆議院総選挙直後の特別国会では、衆議院に「日本国憲法に関する調査特別委員会」が設置され、すでに憲法改正のための国民投票制度について調査に入り、自民・公明・民主は今国会で「憲法改正国民投票法案」を成立させようとしています。

 憲法改正について「国民の意思を問う」といういっけん中立的な体裁をとっていても、「憲法改正国民投票法」の制定が改憲を前提とした環境整備であり、改憲へ向けて外堀を埋める作業であることは明らかです。

■間違いだらけの自民党新憲法草案

 自民党の「新憲法草案」は、憲法第9条を改悪し自衛軍を設置し、米軍と一体で世界中どこでも戦争ができる国にするためのものです。そのためには国民の権利を制約し、本来「憲法は国家権力を制限するためのもの」であることさえ捨て去ろうとしているのです。憲法の基本精神である「主権在民」「基本的人権」「戦争放棄」を変えてしまうような憲法の「改悪」は、日本国憲法そのものを否定することであり、憲法自身が許していません。

■立法「不作為」?憲法完全実施こそ必要

 憲法に改正条項があるにもかかわらず、国民投票についての法整備がされていないことを、立法「不作為」であるとする主張があります。本来、立法「不作為」とは、ある法律がなかったり、あるいはあったとしてもそれを改善しなかったりしたために、国民の権利が侵害されることをいいます。

 これまでにも、戦後政治のなかで改憲問題が何回となく登場してきましたが、国民の批判や反対で国民投票法案の提出にまではいたりませんでした。これは立法府の「不作為」や怠慢ではなく、国民がその制定の必要性を認めなかったということにほかなりません。国民は一貫して、日本国憲法を支持してきたのであって、改憲が具体的政治日程に上っていない段階で「国民投票法」が存在しなかったことはむしろ当然です。

 現時点でも差し迫った緊急課題として国民の側から改憲が求められてはいませんし、国民投票法がないことで国民の憲法改正権が侵害されているわけでもありません。改憲のための「不作為」を言う前に、憲法の完全実施こそがまず目指されなくてはなりません。