2006/7/9
中川博司 社民党長野県連合幹事長
自衛隊はイラク・インド洋から撤退を!
■イラクは依然として戦争状態
小泉政権は、約2年半にわたりイラクに派兵されていた陸上自衛隊を7月中にも撤退することを決めました。人道復興支援とはいっても、武装した自衛隊が多国籍軍とともに海外の戦地で活動することは憲法で違反である。戦地への派兵を「非戦闘地域への派遣」だと強弁してきましたが、陸自が駐留したイラク南部サマワでも爆弾テロや駐留地への砲撃もたびたび発生し、5月31日には陸自とオーストラリア軍の車列が爆弾攻撃を受けました。イラク全土が戦争状態にあることは米国でさえ認めています。
■自衛隊員の安全と被爆健康調査を
米国防総省は6月15日、03年3月のイラク戦争開戦以来、米兵の死者が2500人を超えたことを明らかにしました。負傷者は1万8490人に達したといいます。イラク国民は、一体何十万人が犠牲になったのか正確には分かっていないほどです。イラク治安部隊と駐留米軍は6月14日、バグダッドで過去最大規模の武装勢力への攻撃を行ないましたが、テロなどにより連日のように死者が出ています。これまで自衛隊員が銃撃されなかったことは奇跡に近く、7月中の陸自撤退までの期間も決して安全とはいえません。自衛隊員が一人の犠牲もなく帰国することを切に願うものです。また、隊員が劣化ウラン弾で被ばくしている可能性も高く、国は隊員の帰国後、責任を持って健康調査を行なうことが必要です。
■イラク派遣は憲法9条改悪のための海外派兵の実績作り
小泉首相は20日、「日本の陸自部隊の人道復興支援は一定の役割を果たしたと判断した」と述べるとともに、航空自衛隊は国連および多国籍軍への支援のため活動を継続し、輸送先をバグダッドやアルビルに広げるとの談話を発表した。外国の軍隊に守られながら陸自が行なったことは、学校修復や水補給など、自衛隊にしかできないという仕事ではなかった。まさにNGOなど民間人が行なっている人道復興支援を、あえて自衛隊に行なわせることで海外派兵の実績を作り、憲法9条を改悪することが狙いだったのです。
■自衛隊は、全て直ちに撤退を
陸自撤退のどさくさにまぎれる形で空自は、テロが頻発しているバグダッドなどに活動範囲を拡大する。一方、インド洋上では海上自衛艦が米軍を中心とする多国籍軍艦に今年3月までに計596回、約2350トンの燃料を補給しています。また政府は、防衛庁の「省」格上げ法案とともに自衛隊を随時派兵できるように自衛隊法を改正し、国際活動を本来任務にする法案も提出しています。すべては憲法改悪に向けた流れとなっています。陸海空3自衛隊は米軍の「付属軍」への道を断って直ちに撤退すべきです。
■北朝鮮のミサイル発射に抗議、軍事力では解決しない!
北朝鮮が日本近海にミサイル発射を行いました。アメリカとの交渉を有利に進めることが目的と言われていますが、軍事力により国際紛争を解決しようとする態度は、アメリカと一緒であり容認することはできません。同時に、今回のミサイル発射により在日米軍の再編をすすめる理由としたり、憲法9条を改悪するために利用されることにも大きな危惧をいだかざるをえません。
■在日米軍が自衛隊と一体となって強化される
5月1日に「再編のための日米のロードマップ」が日米間で合意されました。小泉総理は海兵隊8千人とその家族9千人をグアムへ移転することで、沖縄の基地負担の軽減になると言っていますが、決して軽減にはなりません。それは、普天間飛行場が名護市辺子野古崎移転され半永久的に米軍が沖縄や日本に駐留し続けることを認める内容になっているばかりではありません。横田基地には、在日米軍司令部と第5空軍司令部がありますが、そこに府中にある自衛隊の航空総隊司令部をもってきて日米の空軍戦力が1つになる。横須賀にはすでに米第7艦隊と海上自衛隊の自衛艦隊司令部がすでに同居しています。つまり、憲法9条が変えられる前から、集団的自衛権が行使されようとしていることは大問題です。
■憲法9条は世界の希望
今回の北朝鮮のミサイル発射は「他国から万が一日本が攻められたらどうするのか」という不安を抱かせるには充分なできごとでした。しかし、在日米軍と自衛隊の一体化・憲法9条の改悪は、アジアの国々から「万が一日本が攻めてきたらどうするか」という思いになることは、過去の侵略の事実から容易に想像できます。軍事力で国際紛争が解決しないことは、イラクが証明しています。憲法9条を持つ日本だからこそ、平和外交のイニシアチブをとることができるのです。
世界中の誰もが戦争のない社会を望んでいます。できうるならば軍隊を持つことのない国家を望んでいます。であるならば、「戦争をしない、軍隊を持たない」と明記してある日本国憲法9条は、世界が目指すべき希望そのものです。憲法9条は絶対変えてはいけません。
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