2006/8/9
中川博司 社民党長野県連合幹事長
核も戦争もない平和な21世紀をつくろう
■原爆投下から61年目の熱い夏
ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下から61年を経ようとする現在も、私たちはその被害の深刻さを十分に語り尽くすことはできません。ヒバクシャとその体験を共有しようとしてきた私たちは、「核兵器廃絶」と「ヒバクシャ完全救済」「新たなヒバクシャをつくらない」という強い願いをもって今日まで運動を続けてきました。
しかし、ヒバクシャは十分な救済措置のないなかで高齢化する一方、エネルギー政策の名目で、新たな再処理工場の建設、プルサーマルなどによって、大量ヒバク・大事故の危険を迎えようとしています。
世界では3万発を越す核兵器が存在するなか、新たな核保有国、疑惑国の出現が続き、一方イラクでは米軍侵攻によって暴力と報復の連鎖が続いています。さらに武力紛争は世界に広がろうとしています。
■原水爆禁止世界大会開催される
こうした状況のなかで、世界に向かって平和・反核・脱原発・ヒバクシャ援護を訴えるために、被爆61周年原水爆禁止世界大会が開催されています。
今年はチェルノブイリ原発事故20年目にもあたります。私たちはヒバクの深刻な影響について改めて考えるため、ヒロシマ・ナガサキの実相のさらなる解明とともに、被爆体験の継承、未解決の諸課題(在外被爆者、被爆二世・三世、認定訴訟など)への取り組み強化、ヒバクシャ援護の一層の充実を求めています。
また、昨年のNPT再検討会議がアメリカなどの核大国の横暴によって、成果なく終わったことを受け、東北アジアの緊張緩和、非核地帯化へ向けた世論を高め、世界が核軍縮・核廃絶の方向を明確にする必要があります。いよいよ配備が始まろうとするミサイル防衛も大きな課題です。
■脱原発を進めよう!
さらに日本におけるプルトニウム利用政策の転換を求めるため、再処理・プルサーマル・「もんじゅ」の問題があります。なかでも六ヶ所・再処理工場問題は、アクティブ試験が開始されましたが、稼働阻止に向けた世論の形成が必要です。
「核と戦争のない社会を創る」ことを被爆国である日本が世界に発信することは私たちの大きな責務です。
敵基地攻撃論は憲法違反!
■ミサイル開発・発射実験を規制する国際条約をつくるべき
北朝鮮のミサイル発射実験について、7月6日の英タイムズ紙は、日本の政府やマスコミの大騒ぎを紹介した後、「朝鮮によるミサイル発射は物理的損害を与えず、国際法にも違反しなかった。国際法は、主権国家のミサイル実験を認めている。なぜ、世界中の軍隊が通常やっている訓練にこれほど激怒するのか」と疑問をていしています。アメリカのニューヨークタイムスも同様の論調をはっています。
阿部官房長官はミサイル発射実験について「船舶・航空機の航行の安全に関する国際法」に違反していると言いましたが、その後韓国政府は朝鮮がミサイル発射前に航行禁止区域を設定していたことを把握しており、日本政府だけが知らなかったわけがありません。
現在、ミサイル自体は47カ国が保有し発射実験を行っています。北朝鮮の発射以降でも、インドが核弾頭搭載可能なミサイルを発射、7月7日日本の自衛隊もハワイ沖のリムパック(環太平洋合同軍事演習)に参加し、護衛艦3隻によるミサイル発射訓練を実施しています。問題は、ミサイル開発及び発射に関わる国際的な規制がないことです。開発規制や発射規制に実効性を持つ条約の整備を急ぐべきことを日本政府は主張すべきです。
■北朝鮮ミサイル発射実験を利用する日本政府
しかし、阿部官房長官は10日の記者会見で「ミサイル等の基地をたたくことも法律上の問題として自衛権の範囲内として可能との見解がある。日本国民と国家を守るために何をすべきかという観点から、つねに検討研究を行うことは必要ではないか」と敵基地先制攻撃論を展開しました。これを受けて8月4日、自民党国防部会は「敵基地攻撃能力保有」に関する議論に着手しました。
しかし、敵基地攻撃能力保有論は、侵略を容認するもので憲法に違反すると同時に、アジア諸国に対して大きな脅威を与えるものとなり、許されるものではありません。さらに、政府は北朝鮮のミサイル発射をことさらに脅威として煽り、在日米軍再編の前倒しや自衛隊の攻撃的機能の強化をはじめています。
「自衛のための攻撃力を強化」すれば国民の不安が無くなるのでしょうか?事態は全く逆で、軍事力そのものが攻撃の対象となることは、これまでの戦争が証明しています。
日本は憲法9条を持つ国として、国際紛争を平和的に解決すことにイニシアチブを発揮できるよう外交能力をもつべきです。
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