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2005/03/28
社民党長野県連合代表 山口わか子
改憲の道具に使われた憲法調査会
■自公民共に憲法改悪のすりあわせに使われた憲法調査会
憲法調査会は今年で5年目、いよいよまとめの年を迎え最終報告が出されることになっている。聞くところによると、衆議院憲法調査会の座長中山太郎氏はものすごく急いで毎週木曜日朝9時から午後4時まで議論を続けてきた結果2月24日に締めくくり討論を行った。
私も国会時代に調査会に参加し議論に参加したが、他の委員会と違ってどの党も平等ではあるが、質問時間はたったの5分、党の代表は10分しかないから議員の発言は準備不足、発言はいい加減といった中身が多い。しかも調査会の委員は50人いるが、護憲の発言は、社民党と、共産党の二人だけで後の48人は改憲で議論をするという全く偏った状況である。
委員会の審議状況はまるで非常識そのもの、5年間終始出席が半分以下、自民党は最初だけ顔を出すが5分もしないうちにどこかへ消え、理事の5人程度しか席に残っていない。つまり他党の発言は一切聞く耳を持たない、自分たちの主張を言いたい放題いうだけの場でしかない。こんな状況が5年間続き、何が何でも調査会の名で、自民党の改憲が実現できるための道具にしたいとの思いがありありと出ており、調査会の趣旨などどこかへ吹っ飛んでしまっている。
傍聴はいつも満席で順番待ちといった状況、非常に熱心に傍聴している。中には大学生も数人はいるが、委員の欠席が多すぎるのにはあきれ果て、こんなことでは憲法調査会の意味がないと激怒したという新聞記事もあった位だ。
■土井委員が抗議
社民党の委員である土井たか子前代表は、2月24日の締めくくり討論で「憲法調査会は広範に調査研究をするだけで、議案も、改正案も、決議案も出すところではない。それにもかかわらず国会法を改正して改憲の場とすることは許されない。常任委員会への改組は反対である。」と、(これが正しい主張なのだが)間違った議事運営をしている中山座長に対してきちっと抗議の議論を展開している。ちなみに当日の自民党福田康夫委員は「現行の前文は、その内容が戦争の反省に尽きており、国民に夢と希望を与えるものではないため、改正すべきである」と発言している。前文を全く理解していない発言であり、国民の平和への願いが全くわかっていない。私たちは「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、・・これは人類普遍の原則であり、・・これに反する一切の憲法、法令及び勅旨を排除する。・・」と、世界から永久に戦争が起こらない努力を誓ったのだ。
■日本国憲法は世界中が注目
いま、この憲法は世界各国から大変な注目と日本の行方を見守っていることを忘れてはならない。アジアを始め世界の平和を願う私たち国民は、政府に対してこのように憲法を無視するような暴走を許してはならない。憲法を守る義務は政府と国会にあるからだ。
昨年の11月には公聴会があり、一般に市民9人が公述人になり意見を述べたが、そのうちの7人の意見は「9条は護るべき」だった。傍聴席からも発言でき、若い女性が「とても心配しながら参加したが多くの意見が9条を変えることは反対と聞き安心した」と発言された。このようにこの5年間の憲法調査会は、大半が改憲、国民の多くは憲法を護ってほしいというように、議員と国民とのギャップがあまりにも大きいことが如実に表れた滑稽とさえ思える姿を見せつけられた。こんなことで5月に最終報告が出されるのかと思うとやりきれない気持ちになる。
このような酷い状況の中で、衆議院の調査会の全過程終了後、憲法調査会を「国民投票法案」など、改憲を審議できる委員会に格上げすることに、自公民が事実上合意し、改憲のための手続法である「国会法改定案」をこの国会に出そうとしている。これでは憲法調査会の発足時の約束を踏みにじり、3党が勝手に改憲を進めようとこの調査会を利用しており、到底許せることではない。しかも、日本経団連など財界も憲法の改正を推し進めるための報告書を発表し、マスコミも改憲のムード作りに手を貸している。
■現職の自衛官が国防軍の明記と改憲案に対し告訴
中谷元防衛庁長官の指示で、現職自衛官が9条改正案を作成するという武器なしのクーデターがおこった。さらに小泉首相は、2月2日の衆議院予算委員会での民主党鳩山由紀夫議員の「憲法改正案に自衛軍の保持」発言に対して「自衛軍の明記に賛成だ」と答えている。これは明らかに現憲法を遵守するべき最高責任者の発言としては絶対に許せない発言である。参議院の社民党田英夫議員はこうした事実を国民にもっと知ってほしいと、大田昌秀参議院議員と共に防衛庁「吉田圭秀陸上自衛隊二佐」を告発した。自衛隊法61条で自衛官の政治活動を禁じている大原則を平気で違反している今の政府、国会はもはや国民の代表として政治を行う資格はない。自殺行為そのものである。
一方国民の間には、こうした改憲の動きに反対し、9条を護る人々の声が急速に広がり、全国各地でいろんな運動が生まれている。60年目を迎えた今年私たち長野県でも、いろんな考え方を超えて、多くの人々と共に戦争だけは絶対に許さない、9条を護り活かす大きなうねりにする運動を地域でつくっていこう。
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