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2005/04/18
社民党長野県連合代表 山口わか子
許せない憲法改悪への道
■衆議院憲法調査会ついに最終報告書を議決
15日、遂に衆議院憲法調査会は、調査の目的を全く無視し、平和を願う国民の意思とは逆の「9条」を変え、戦争への道を突き進もうとする報告書が出された。しかも反対は社民と共産両党の2人のみ、自民、公明、民主の3党が賛成という結果だ。国民が選んだ国会議員ではなかったのか、どう考えても国民の9割以上が憲法改悪に賛成だとは思えないし、国民にとって重要な基本的人権の尊重を柱とした憲法を変えたいなどとは思うわけがない。
しかも、憲法調査会の設置目的は「広範な調査研究」、つまり現在の憲法が「どのように実行されてきたか、実行されないものがあったか、それは何故か」を調査することであり、憲法を変えるためにつくった調査会ではない。主人公である国民が何時何のために憲法を変えたいと思ったのか、聞きたいくらいだ。むしろ憲法違反を繰り返し行っているのは自民党政府であり、国民を裏切り続けていることに憤りを覚えている人たちのほうが圧倒的多数である。
この5年間、憲法調査会での議論が目的に合ったものであったなら、武器を持った自衛隊が国際貢献という言葉で国民をごまかし、イラクに派兵したり、北朝鮮脅威論を撒き散らし、武力攻撃事態のための有事関連法案を成立させたりするような憲法違反を調査会で議論するのが本来の姿だ。
その上、米陸軍第一司令部を座間キャンプに移転する案までアメリカとの間で検討していたことが明らかになるなど、憲法違反を平気でおこなっている自民党政府のやり方こそ憲法調査会で明らかにすることが国民に対する義務である。しかし自民党政権は、国民の目をごまかし、調査会を隠れ蓑にして、さも憲法改正が国民の声であるかのように宣伝し、遂に自民党の改憲案まで議論している。どう見ても今回の最終報告書は広範な国民の声ではない。
■欠席が過半数、真剣な議論もなく、公聴会での国民の意見も無視する調査会
憲法調査会の運営は実にいい加減で、常に委員50人のうち半数も出席しないという状況が当たり前になっていた。しかも、公聴会での参考人や公述人など一般市民の声は大半が「平和憲法をいかす」ことの重要性を訴えていたことを思うとき、国民の広範で多様な意見を正確に報告しているとは到底思えない。
社民党は最終報告書に対して十分議論すべきだという当然の要求をしたが実現せず、ただ賛成多数という結果だけで報告書が出されてしまったのである。これでは国民の声は聞き流し、圧倒的多数の改憲派議員の主張だけが国民の声であるかのような欺瞞に満ちた調査会の報告書であり、到底認めることはできない。
■なんとしても9条を変えたい自民党
報告書は、前文に「日本の歴史、伝統、文化を尊重する義務」を盛り込み、憲法そのものの民主主義、基本的人権、戦争の放棄という重要な意義を全く無視している。また、国連の集団安全保障活動への参加、非常事態の規定、自衛権や自衛隊については「何らかの憲法上の措置を否定しない意見が多数」、と憲法9条改正の必要性を強調している。自民党が最も望んでいる集団的自衛権は多くの反対があるから、憲法に盛り込まないとしている。しかしほんの少し、国際貢献のため自衛隊を海外に人道支援に行くことは、必要だとして憲法9条を変えたら命の安全はガラガラと音を立てて崩れ、アメリカと一緒にどこへでも自衛の名前で派兵し、軍備も米軍基地どころか自衛隊の基地も戦争の準備に変わり、子どもや孫は「お国のため」と戦争に駆り出される時代になることを、私たちは見抜いていかなければならない。
■調査会の目的を逸脱した「国会の常設機関」と「憲法改正手続き」
憲法調査会の権限を大きく越え、最終報告書の中に「今後の憲法論議等」と憲法を改正するための常設委員会の設置と改憲を早く通すために「国民投票法案」の制定にまで踏み込んだことはどうしても許せない。
国会の構成を見る限り圧倒的多数の議員が憲法改正、9条改正をしようとしていることは間違いない事実だが、国民の大半が若者を含め、平和への願いは強く、9条改悪は反対であることはアンケート結果にも現れている。つまり国会議員と国民との間には大きな開きがあるという信じられない政治の状況を見るとき、何が何でも国民を憲法改悪に持っていこうとする意図的で危険な臭いがプンプンする。
いま、圧倒的多数の国民は収入も不安定で、リストラや自殺、過労死、職業病、若者の就職率は最悪、仕事もないと言う悲惨な現状に生きる希望をなくしていうる人が増え続けている。その上、預金や生命保険も絶対に確実とは言えず、頼みの年金もどううなるかわからない。子どもや女性への虐待は広がるばかり、治安も悪くなり医療や介護さえお金が無くては受けられない不安な社会となってしまった。大事なことはこうした国民の不安をどう解消するか、自公政治は国民の切実な願いを実現する責任、つまり憲法を守る義務があるのだ。
中国や韓国は戦時国家になろうとしている日本に対して危機意識と不安を募らせ、若者たちの間に抗議のデモが広がっているのだと思う。
戦争を認める9条を変えられたらすべての憲法条文、「基本的人権も表現の自由も、家庭や男女平等を初めあらゆる差別撤廃・・」は崩壊する。
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