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2005/5/16
社民党長野県連合代表 山口わか子
強まる低賃金や労働強化に歯止めをかけよう
■深刻化する格差社会
戦後60年第76回のメーデー、長野県下では休日にもかかわらず多くの働く仲間が参加し、「いかなる戦争にも反対」「雇用不安をなくせ」を掲げ、デモやアピールを行った。最近では労働組合の組織率も低下し続け、20%を切るという最悪の実態となっている。言い換えれば自分たちの職場で働いている人たちの8割が組合員ではないのだ。つまりメーデーに参加した人たちは、職場に戻ればほんの一握りであり、同じ思いや悩みを共有することさえできないなかで、本当にスローガンが共通の運動課題になるのか深刻な不安が付きまとう。
自公政権の徹底した構造改革、規制緩和の流れは確実に労働者に向けられ、その結果正規社員が減り続け、逆にパートや派遣労働、フリーターが増え続けた。その結果年収200万円以下という極端な低賃金労働者が増え続けている一方で、年収が2000万円を超える超高額所得者が増えていることもわかってきた。生活保護費も10年前の3倍に増え、東京など大都会では町中にホームレスの姿があふれ、当たり前に思える情景となっている。
■格差の拡大は大都会だけでなく地方にも波が
日本で最も豊かな町、東京都港区でさえ就職支援センターに、正社員の仕事を求めるフリーターの若者が毎日大勢押しかけてくるという。アルバイトや派遣などの年収は平均110万円余り、正社員との生涯賃金の格差は何と1億5千万円にも上るという。生活保護も10年で三倍にも増えている。
一方で都内の超高級マンションには若くして富をつかんだ経営者が数多く暮らしている。家賃が140万円、ここでは毎日のようにホームパーティが豪華な夜を彩っているのだ。
また、徹底した雇用労働の規制緩和で、賃金は今までのように年功序列から、成果主義に移行した結果、最低月20万円から60万円という考えられない賃金格差が生まれている。極端な例では、企業によっては実績が評価された社員は一人当たり1千万円を越える特別ボーナスが出るという。
これほどひどい格差ではないが長野県でもパート労働者が正規社員の後補充になっているのが現状だ。報道(信毎)によると県内の5人以上の事業所で働くパート労働者は10年前に比べ倍増し、今年2月現在で16万7230人。月給は10万円が精一杯、もちろん雇用保険も厚生年金もない人が圧倒的である。しかも労働組合加入率はわずか3.3%だという。派遣労働も増え続けている。長野労働局によると、県内の03年度の派遣労働者数は23,107人で5年前の何と3倍だという。昨年3月の改正労働者派遣法で派遣できる職種が拡大され、看護師のように技術を持った職種も認められた。しかし、何の保障もなく、派遣先の企業は責任も負わず企業の勝手でいつ首になるかわからない超不安定な環境で、仕事をしなければならず、当然ストレスや不安で仕事に身が入らなくなる。
■健康破壊は当たり前、自己責任さえ問われる異常ぶり
職場では成果が強調され、能力のある労働者が優遇されるなかで、当然労働時間が延長され、サービス残業をしてまで競い合う空気が広がっている。
2004年度では、残業手当を支払わないため、労働基準監督署に勧告され、支払った残業代はなんと239億円、02年と03年の合計額を上回ったという。正規社員の労働時間はこのようにますます延長されているのだ。また、スーパーやコンビニなどで24時間営業が増え、少しでも時間給のいい深夜に働く女性の姿を多く見かけるようになった。 男性の半分しか賃金がもらえない中で、最低の生活費さえ出ないような職場では、家に帰ってから再び深夜労働をするしかない。生活費を稼ぐために体がぼろぼろになってしまい、遂にはうつ病、自殺という最悪の事態が起こっても不思議ではない世の中になってしまった。04年の自殺者の数は3万4千人を超えたと言う。
■労働組合の役割は憲法に保障された生存権の実現
あの敗戦で衣食住に事欠いた時、人々は食の確保が最優先された。公務員でも社員や工員でも皆同じ目標である「食べられる賃金を!」と要求し、急速に労働組合の組織化が進んだ。たった4年の間に労働者の約56%が労働組合を組織し、労働者の賃金や労働条件改善のために大きな役割を果たした。憲法25条で「生きる権利」を当然政府は保障しなければならなかったからだ。
その上、すべての労働者には憲法28条で「団結権」「団体交渉権」「団体行動権(スト権)」を保障した。しかし60年経った今でも、国家権力が一貫して官公労働者に弾圧を加えストライキ権を全面禁止し、世界の労働者意識から完全に隔離された。こうした政策が労働組合の組織率の異常な低下の原因となった。
労働者はお金も権力も無いが、唯一団結して交渉し、要求実現に向かって行動することのできる世界中が認めた権利がある。
誰もが平等であり、共に安心して暮らせる社会、働いても報われる社会、労働者の団結や団体交渉、ストライキ権が保障される社会、貧困や飢餓、差別や抑圧のない社会や世界にしていくことが重要だ。
職場に労働組合をつくろう。1人で悩み苦しんでいても解決しない。幸い一人でも加入できるユニオンという組織もある。労働組合に加入し人間らしい暮らしや社会を取り戻そう。
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