2005/07/11
社民党長野県連合代表 山口わか子

ロンドンで起きた大規模爆破!!今こそ自衛隊の撤退を

遂にアメリカの同盟国イギリスに大規模な爆破が4箇所に起こった。7日、通勤時間帯にロンドンの地下鉄が3箇所と二階建てバスが爆破され、死者が今のところ49名、重軽傷が700人に上ると発表。市民は一気に恐怖のどん底に突き落とされた。前日は、2012年の夏季オリンピック開催がロンドンに決まり喜びで湧いた市内、北部のグレンイーグルズでは、主要国(G8)首脳会議が開催されており、「首脳をテロから守らなくては」と厳戒態勢を敷いていた最中に、手薄になった状況を十分に察知した爆破事件である。結局ロンドンに暮らしている人々を守ることはできなかったという皮肉な惨劇となった。
 2001911日の同時多発テロ、04年のスペイン列車同時爆破に次ぐいずれも米国が引き起こしたイラク攻撃の同盟国が標的にされた。「欧州の聖戦アルカイダ秘密組織」を名乗るグループが「イラクとアフガニスタンでの虐殺への報復だ」と犯行を認める声明をウェブサイトに掲載したそうだ。ブレア首相はサミット会場で声明を発表し、国際テロ組織アルカイダと断定し、テロには絶対に屈しない、必ずテロを打ち負かすと決意の程を見せた。しかもイスラム過激派こそが犯行を引き起こす人類の敵であるかのような声明に普通のイスラム教徒は不安と恐怖にさらされていると言う。

■イスラム教徒に広がる不安
 イギリスのイスラム教徒は約百六十万人も生活している。同時多発テロが起こってから、イギリスで「反テロ法」が施行されたときも、「イスラム教徒を標的にしている」、と反発する声が強まり続けている。
 例えば英捜査当局はイスラム教徒の青年を中心に約七百人の身柄を拘束したが、有罪判決を受けたのは十数人だけであり、世論調査でもイスラム教徒の人々は「反テロ戦争は反イスラム戦争だ」と反感を強めている。世界中に散らばっているイスラムが、ますます欧米に対する憎しみと不安を増幅させる危険な情勢にならなければいいがと願うばかりだ。
 善良な罪なき市民が突然爆破という事件に巻き込まれ、多数の死傷者が出た行為は例えどんな理由があっても絶対に許すことはできない。しかし、なぜこうした「同時多発テロ」が起こったのかその背景も、原因も何一つ声明文には語られていない。
 米国は英国と共に何の理由もなくイラク戦争に突入し、フセイン大統領を倒した。犠牲となったイラクでの反撃はむしろ激しさを増し、開戦以後の米軍の死者は千七百人を超えた。市民の犠牲者は三万人にも達し、報復と治安は悪くなる一方である。

■イラクでの自衛隊の活動に失望と敵意
 何の罪もない民間人が殺され、家を焼かれ、仕事にも就けない貧困と飢餓に苦しむ悲惨な状況が反米を強め、反米武装勢力による攻撃が、米国に従いイラクに自衛隊を派兵している日本でも起こる可能性は大である。
 イラクのサマワでは自衛隊に対する武装勢力の攻撃が昨年8回、今年に入って2回あった。623日の爆破は、走行していた自衛隊の車両四両のうち三両目が損害を受けた。今年5月、「日本に死を」などと書かれた落書きがサマワで見つかるなどイラク国内での日本に対する失望感が強まっている。
 イラクで大多数を占めるシーア派は自衛隊を「占領軍」だと思っており、「陸上自衛隊が米軍の秘密基地を建設している」と言う噂まで流れているそうだ。
 日本でもあわてて治安対策を強化すると、東京都内の地下鉄のゴミ箱を撤去したり、警察官が巡回して警戒に当たるという慌てふためきぶりである。が今回の事件をみても警備が厳重なら事件は起きないという保障は何一つない。
 世界中に広がりつつある武装組織が各国に引き起こす爆破攻撃をなくすことができるのは、イラクに対する米国を中心とする多国籍軍が撤退すること以外に方法はない。武器による攻撃は武器による報復しか生まない。
 今回の主要8カ国(G)のサミットで、ブレア首相は貧困対策と気候変動、そしてテロ対策を強化することを決意したと言う。しかし中東問題、特にイラクやアフガニスタンを一方的に攻撃し占領政策をとっている問題については議題にも上っていない。

■憲法9条が世界を救うとき
 イスラム諸国に対して何の理由もなく一方的に攻撃され二万人にも及ぶ人々が殺され、劣化ウラン弾によってたくさんの子供たちが重傷を負わされ苦しんでいる事実をブッシュはなんとも思わないのか。家が焼かれ、仕事はなくなり、水も電気も無い中で、貧困と飢餓に苦しんでいるその原因をつくったアメリカが、やるべきことは軍隊の撤退を今すぐ決断することである。
 世界中が平和で戦争をなくさない限り、貧困や飢餓もそして環境破壊を防止することもできない。日本はあの世界大戦で、広島、長崎に世界で初の原子爆弾を米軍によって落とされ、数十万人が一瞬のうちに焼き尽くされ、焦土と化した。これはアメリカの人類史上始めての大規模テロではないのか。
 そのアメリカの言いなりに自民党はまたも9条を変えて自衛隊を自衛軍に変え、世界のどこへでも自衛軍を派兵できる憲法にしようとしている。どこまで世界中の人々を犠牲にすれば気が済むのか、戦争や暴力はどんな理由があっても絶対に許してはならない。