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2005/4/25
社民党長野県連合代表 山口わか子
出生が原因での差別は憲法違反
■非嫡出子の国籍を認めない国籍法は憲法違反と憲法史上初の判決
生まれてくる子どもにとって、両親の状況が差別の理由になることは許されない。どんな環境にあろうと全ての子どもは平等であることは当然である。
憲法14条であらゆる差別を禁止しているにもかかわらず、60年もたっていまだに、結婚していない夫婦の子どもは、非嫡出子として差別され続け、まともな生活さえ許されないのが現状だ。
4月13日、東京地裁は「両親が結婚していないことを理由に国籍を認めないのは不当」と日本国籍の確認を求めた訴訟の判決で、「国籍法は、出生後に父母が結婚した子(純正子)と、法的に非婚のまま非嫡出子とに不合理な区別をし、法の下の平等を定めた憲法に反する」と、憲法史上初の判決を行った。
日本の国籍法自体を憲法違反としたことの意味は非常に大きい。事の起こりは、フィリピンの女性が来日、その後既婚者の日本人と知り合い、男児を出生した。男児は、父親に認知され、法務局に国籍取得を届け出たが受理されなかったため提訴していた。
現在の法律では、日本人の父と外国人の母の間に生まれた子は例えば結婚前に出産しても、日本国籍が取れる。が非嫡出子の場合出生後に認知しても国籍を認めない。結婚しているかどうかで子どもが差別されること自体憲法違反である。まして国籍までとれないというのは、子どもの生きる権利を認めない悪質な差別だ。
国連の子どもの権利委員会も、結婚していない両親から生まれた子どもでも、法的な差別をなくし、出生前の認知を国籍取得の前提としないように、日本政府に勧告している。
子供を産みたい人々が増えているときに、結婚そのものが子どもの人生にとって大きく左右するような差別があること自体憲法違反である。今回の裁判で非嫡出子が憲法違反と認め、国籍取得が認められた意味は大きい。
■国内の民法では依然として婚外子差別
ところが日本の社会では、結婚しないで子供を産むと、出生届をすると、非嫡出子と記載することが強制される。また生まれた子どもは相続でも差別され、産んだ女性は「母親じゃない」と非難が浴びせられ、精神的に追い詰められ、入学や就職、パスポートに申請など戸籍が必要となるたびに、母子共に差別に苦しんでいるのが現状だ。先進国といわれている世界各国でこのような差別をしている国は日本だけだ。
差別に苦しんでいる女性たちが、事実婚カップルの子どもの戸籍に婚外子とわかる記載をするのは差別・違法であるとして、東京高裁と中野区にその訂正と慰謝料を求めた裁判で東京高裁は3月24日、原告の請求が棄却された。
戸籍における婚内子と婚外子の記載を差別しないよう求めた訴えについては「不特定な請求であるから不適法」とし、良いか悪いかという判断をしないで門前払いをされたのだ。
結婚していなくても子供を産みたい女性は多い。また生まれてくる子どもは全く差別される理由はない。最近出産した直後に愛する子どもを殺害する事件が後を立たない。妊娠中の苦しさ出産時の苦痛に耐え、生まれてきた子どもを殺したいと思う母親がいるだろうか。
戸籍があるために結婚や父親の認知という高いハードルで出産できないと悩み苦しんでいる母親のことを考えるとき、人間として当たり前に生きる権利を奪い、一切の差別を禁止している憲法があるのに、60年経っても護られていないという日本の政治のあり方の方がよっぽど異常である。
■「民法改正案」が実に7回目の国会提出
こうした婚外子差別や結婚した場合夫婦は同姓でなければならないとする民法を改正して夫婦別姓、婚外子差別撤廃などを実現してほしいという国民の世論がたかまり、社民党の福島瑞穂党首や他党の女性たちが超党派で3月30日参議院に提出した。何と今回で7回目であり、その都度自民党の反対にあい廃案の憂き目にあったのだ。
この改正案は、@結婚できる制定年齢を現在の男性18歳、女性は16歳を、共に18歳にして男女平等にする。A選択的夫婦別姓の導入。B婚外子の相続が婚内子の半分であるという規定を同等に改める。C女性だけに定められている再婚禁止期間を短縮する。というのが主な柱となっている。
いま国民の半数はこの夫婦別姓を含む民法改正に賛成している。何故なら男女平等が少しずつではあるが進み、企業の経営者や、技術の専門家、政治家など、未婚の時の姓をそのまま名乗りたい女性は年々増えている。結婚や離婚で性が変わる不合理や差別をなくすことは当然であると思う社会になってきたのだ。
別姓は家族の崩壊を招くとか、家族や夫婦の姓は当然1つであるべきだとかいう考え方が逆に差別を生み、少子化に拍車をかけていることを考えるとき、何としても民法改正が審議され可決されることを願っている。
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