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2005/06/06
社民党長野県連合代表 山口わか子
民営化がもたらす命の切捨て
■国民とかけ離れた国会の論戦
国会もようやく正常化し、2日から予算委員会に小泉首相が出席、論戦が繰り広げられた。国会を延長してでも郵政民営化に関する法案を成立させたいという小泉首相の「意地」に振り回されている不可解な国会中継が2日、3日と行われた。いくら聞いても特別な理由もなく多くの国民も望んでいないのになぜ民営化が重要なのか理解できない。
「民にできることは民がやるべき」、「郵政民営化は、私が首相でなければできない」「私は、二度の総裁選で郵政民営化を主張し、総裁になった。したがって郵政民営化は国民に対する当然の責任」・どう見ても常識的な発言ではない。 中国や韓国など緊張が高まる外交政策や国民を不安に陥れる年金や医療、介護など社会保障問題が山積しているのに、なぜ今郵政民営化にこだわるのか、理解に苦しむ。民営化をすれば利益をもたらすというが、誰が利益を受けるのか、利益の具体的な中身とは何か、さっぱりわからないのが現状だ。国民不在の政治がこれほどはっきりした国会も珍しい。
■株式会社郵便局とは
首相の答弁では株式会社郵便局になり、今まで通り、どんな山間地でも現在2万4千箇所ある郵便局は減らさない、が中には経営が成り立たない局もあるということを考えて基金を作るのだという。
民間で運営している銀行は全国で1万4千店舗しかないし、山間地では一回も銀行を利用しない人々もいる。が郵便局は一日に数人しか利用者が来ない局でも人々の拠り所として根付いている。預貯金も小口預金に限定しているのに、民間銀行より1万店舗も多い郵便局がどうして民営化という会社経営のほうがいいのか全く理解できない。
今まで郵便局は銀行にも相手にされない生活、特に高齢者がわずかなお金でも郵便局に通い、苦労して貯金してきた。生活費が足りなくなると貯金を引き出し日々の暮らしを何とかやりくりしてきた。これらの人々の平均180万円弱の貯金が全国で227兆円の郵貯残高になっているのだ。こうした人々のわずかな貯金を「おいしい運用」と、民営化し、銀行が食いつぶす可能性が出てくることは容易に想像がつく。
銀行が相手にする利用者は、多額の資金を運用する投資家か信用できる企業、機関投資家であり、郵便局に足を運ぶ利用者にとっては高嶺の花である。しかし庶民にとって郵便局は信頼と安心を第一に担保している。が銀行は貯金を下ろすのにも手数料をとり、一般庶民には簡単にお金は貸してくれない。簡保も途中で資金が必要となれば借り入れも比較的簡単にできる。つまり利用者の便宜を最優先に考え、銀行のように勝手に預金者の貴重な資産を食いつぶし、不良債権化すようなことはしない。これほど安心して利用している郵便局をなぜ民営化するのか。しかも民営化後は当然郵便量の値上げもあり得るとしている。
■何故二年前に公社化をしたのか
さらに理解できないのが、小泉政権になって郵政は2年前に公社化をした。この二年間、利用者の立場でよりよいサービスに心がけ、三事業の健全な財政基盤をつくり、働く職員にとっても将来展望があり働き甲斐のある職場づくりに勤めてきたと生田正治総裁は発言している。そして確実のその成果が現れつつあるという。今でも過疎地の金融機関の74%、生保機関の87%が郵便局だ。たった2年しか経っていないのに、しかも公社化が失敗したわけでもないのに、なぜ民営化なのかその説明も一切しない。ちなみに郵便事業を公社化したときに「民営化等は行わない」ことを法律で決めたのは、国民の代表である国会だ。
■命までが食い物にされる民営化
郵政だけでなく、小泉内閣になってからまるで鬼の首でも取ったかのように「官から民へ」の大合唱で次から次への民営化が全国で行われている。2,000年にはじまった介護保険制度は最初から「サービスは民営化」で始まり、最近では「公共サービスの民間開放」政策で、医療、福祉、教育、農業、公的施設、保育、などなどあらゆる分野にわたって民営化が進んでいる。
民営化の宣伝に使われたのが公務員へのバッシングだ。国民までもが官より民のほうがサービスも良いし、経費節減に努力していると思い込まされている。その上住民の命を守るべき市町村は、合併の大合唱で、この4月にはかなりの町や村が消えてしまった。
さらに医療や福祉、教育などの民営化は、儲けを優先する企業にサービスもろとも丸投げをした結果、今まで働いてきた職員は首を切られ、儲からない施設は閉鎖され統合された。正規職員は減らされ、パートや派遣、登録社員として低賃金、無権利労働者が増え続けている。仕事はきつく、働く時間は無制限で、残業手当など一切出さない、文句を言えば即首。これが民営化の職場だ。
最近では命の「水」まで民営化され、儲けの対称とされる危険性が出てきた。水はどう考えても儲けの対象ではない。世界中の人々の命を守る大切な権利であり、世界中の共有財産である。
生きる権利は国がきちっと保障し、そのために私たちは税金を払っているのであり、その重要な任務である「公」をないがしろにするような小泉政治は、明らかに憲法違反であり許すことはできない。
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