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平成25年度 信濃学園事業報告

 信濃学園は、長野県社会福祉事業団(以下「事業団」という。)が指定管理者として運営し3年が経過しました。この間、それまで当学園が担ってきた県立県営の知的障がい児施設としての社会的役割を継承しつつ、利用者サービスの向上を図ってきました。
 また、利用者のさらなる生活の充実と向上を目指して、社会体験の幅を広げるため、個別での対応及び小規模グループでの対応により、家庭に近い活動を積極的に取り入れました。
 支援内容では、利用者の人権尊重と権利擁護を前提に、安心・安全な生活をとおして、利用者一人ひとりのニーズに即した専門的療育支援に引き続き取り組みました。また、当学園を利用いただくに当たっては、有期限有目標の考えのもとに、個別支援計画を策定し、家族をはじめ、関係諸団体との連携強化を図りながら、利用者が地域生活移行できるよう支援してきました。
 一方、在宅障がい児のための支援では、療育相談事業「こまくさ教室」を実施し、特に公開講座において医学的見地からの「発達障がい」についての講演会には多数の参加者があり、関心の高さがうかがえました。
 また、短期入所及び日中一時支援事業を積極的に実施し、さらに緊急一時保護委託を2回にわたり受入れ、地域のセーフティーネットとしての役割を果たしました。
 これら各種事業の実施に当たっては、利用者及び保護者の意見や要望に耳を傾けるなどしてサービスの適正性の検証を行うとともに、職員の自己及び相互の研鑽を奨励して、質の高いサービスの提供に努めてきました。

総務課

1 経営・人事管理

(1) 経営

ア 効率的・効果的な運営
 職員に効率的・効果的な運営の協力を求め、また昨年に引き続き、利用者の健康管理を踏まえながら経費節減に努めました。
 また、給食業務については引き続き外部委託をしました。委託先との連携を密にとり、行事食、弁当及び病人対応食など、急な食数変更等にも柔軟な対応ができました。
 さらに、日常外出時における費用負担、外食時の費用負担など社会体験を推進するうえの費用を公費負担とすることで、利用者の生活の質の向上に資するとともに、柔軟で効果的な運営に努めました。

イ サービス評価と情報公開

(ア)利用者(保護者)満足度調査の実施 
 学園の入所利用者への学園のサービスに対する満足度調査を実施しました。全般の結果としては、「満足」との回答が多数でしたが、ことばを話さない利用者の思いを汲み取ってほしいという要望を書いてくださった保護者もいらっしゃいました。こうしたことを真摯に受けとめるべく、職員にも周知しました。

(イ)職員の自己評価の実施    
 学園が提供しているサービスについて、職員自身が評価を行いました。結果は、示唆に富む内容でしたが、特に支援に関わる職員の意識の高いことがわかりました。
(ウ)福祉サービス評価委員会の開催
 6月・10月・3月の3回、外部委員による福祉サービス評価委員会を開催しました。提供しているサービスの状況を中心に、学園の現状を報告しました。また、本年度実施した、利用者(保護者)満足度調査結果、職員の自己評価結果及び権利擁護に関する諸調査(権利擁護調査、身体拘束・行動制限等の実態調査、)の結果について報告を行いました。
 6月の委員会では学園食の試食をしてもらい、食事提供における感想、意見をいただきました。


(2) 人材の育成
 事業団レベルアップ研修を中心とした法人内研修等にできる限り職員の参加を求め、内部研修、外部団体主催研修、他事業所研修などに延べ237名が参加し、資質及び技能向上を図りました。
 また、支援員等の研修参加に当たり、長野県現任介護職員等研修支援事業を活用しました。

2 管理業務

(1) 健康管理
 日常の健康管理は、手洗い、うがい等予防に努めたうえ、看護師を中心に支援員との連携のもと、疾病等の早期発見、早期治療を心がけ、関係医療機関との連携を緊密にとり適切に対応しました。
 12月には感染性胃腸炎の発症がありましたが、マニュアルに沿った対応と使い捨て食器での食事提供など、徹底した対応により蔓延することなく早期の収束を図ることができました。
 また、インフルエンザについては利用者、職員とも全員が予防接種を受けました。学校からの感染者は発生しましたが、個室での対応等により学園内での感染拡大を防止することができました。

○通院状況

区分 内科
小児科
精神科
神経科
外科 整形外科 形成外科 耳鼻咽喉科 皮膚科 眼科 歯科
通院 延件数 190 126 4 3   2 8 7 36 376
実人員 161 113 3 2   2 8 6 30 325
入院 延日数                    0
実人員                   0

○検診実施状況

内科検診 歯科検診
5/28
2人
10/2
28人
4/24
4人
11/5
4人

※ 学齢児の養護学校での検診は除く。

(2)食事提供
 成長期における学園利用者への食事提供はサービスの中でも大きな比重を占めています。学園では栄養ケアマネジメントを導入し、管理栄養士を中心に支援員、看護師との連携のもと、個別の栄養ケア計画書を作成し、その内容を保護者にも確認してもらい、年4回の評価と計画の見直しを行いました。
 食事の提供は平成23年度から委託業者により実施していますが、日々の献立、行事食、病人対応食の内容については管理栄養士が作成し、信州郷土食など季節感のある多様な食事提供に努めました。また、利用者の誕生日には本人の希望献立とし好評でした。
 8月には実演そば打ち体験及び手打ちそばの提供、3月には卒業お祝い献立として、実演にぎり寿司の提供を行い、イベント的な楽しむ食事の提供も行いました。
 委託業者とは毎月定期的に給食委員会を実施し、特に今年度は「適温での提供」を重点課題とし、双方の工夫及び対応により改善が図られました。

○栄養摂取実績
 一人一日当たり食事摂取実績(平均値)

エネルギ-(Kcal) 2,058 カルシウム(mg) 832 ビタミンB1(mg) 1.73
たんぱく質(g) 86.2 鉄(mg) 9.7 ビタミンB2(mg) 1.6
脂肪(g) 64.1 ビタミンA(μg) 670 ビタミンC(mg) 120


(3)居住環境等の改善
 居住環境の改善のためエアコンの設置4か所及び冬期間の寒さ対策のため大型暖房設備を設置しました。
 また、経年劣化による厨房給湯管の敷設替え、居住棟給湯管修繕及び居住棟換気扇の改修工事を実施しました。

(4)リスクマネジメントの強化
 当学園では学園生活の各場面で起こりうる事故等に適切に対応するため各種の危機管理マニュアルを定めています。新任職員研修及び会議の場等においてこれらの内容を周知し、迅速かつ適切な対応がとれるよう徹底を図りました。しかしながら、大きな事故には至らなかったものの、服薬におけるインシデント、行動障がいによる他利用者への他害インシデントは複数回発生しました。インシデントの発生については、その原因を分析し、対応策を検討し再発防止に努めました。

(5)防災安全対策
 毎月1回、火災を想定した避難訓練(うち2回は夜間想定)を実施し、利用者はもとより職員の災害時での的確な対応を確認しました。3月の訓練時には併せて消防署員による消火器訓練、地震体験車で過去に起きた関東大震災、上越地震等の再現規模による地震体験を利用者、職員が体感し起こりうる災害に備えました。
 また、9月8日(日)には、大規模地震を想定した総合防災訓練を消防署、地元住民の協力を得て実施しました。
 さらに、学園、波田学院及び地元20区町会との間で締結された防災協定に基づき、12月1日(日)に地区住民13名の参加を得て両施設の消防設備の視察、災害時の協力内容等の懇談会を開催し、災害時の協力を依頼しました。

(6)個人情報保護
 個人情報保護要領に基づき、新任職員研修及び会議において、施設利用者に関わる個人情報の適切な取扱いについて理解を徹底しました。
 特に、外部に発信する広報紙、ホームページへの掲載は、利用者及び保護者の同意を得て行いました。
 また、学生、実習者及びボランティア等についても事前に説明、周知を図りました。

(7)苦情解決の適正運営
 5月27日(月)に外部第三者委員の出席を得て、苦情解決委員会を実施し、前年度の事業報告及び利用者(保護者)満足度調査の結果報告を行いました。
また、外部委員にはのびろ祭、もちつき会等の学園行事にも参加していただき、利用者にとって身近な外部委員となるよう努めました。
 本年度における苦情申立は1件ありました。その内容は、学園と養護学校との連携についての苦情と要望でした。このことへの対応については、苦情解決要領に基づいて検討会を開催し、申立人に納得いただける解決に至りました。職員には、こうしたことについて周知して再発防止を期し、あわせて苦情解決の制度と運用についての理解を深めるよう研修会や会議の場において、改めて説明を行いました。

(8)関係機関との連携
 入退所に関わる事前のケア会議及び入所中の利用者のケア会議を積極的に開催し、行政機関、学校、障がい者総合支援センター等との連携を図り情報を共有し、学園の役割を明確にしました。
 また、通学先の松本養護学校とは年3回の連絡会議、担当者同士の懇談会の実施など、特に緊密な連携のもと統一的な支援に結び付けられるよう努めました。

3 情報発信

(1)ホームページの充実
 情報化社会の今日、より多くの情報を掲載し、不特定多数の閲覧者を想定しプライバシーに配慮しつつ、学園生活の状況や意義、役割を発信しました。また、短期入所、日中一時支援事業およびこまくさ教室等の在宅サービスの情報も掲載しました。

(2)広報紙の活用
 年3回「信濃学園通信」を発行し利用者関係、関係機関等、約200部をメールで配信し、又は郵送しました。
 また、利用者個々の保護者向けに「なないろ通信」を年3回作成し、学園での様子、健康の状況、成長の記録及び栄養管理状況など、家庭との連絡に努めました。

4 施設公開
 本年度は10月5日(土)に松本養護学校信濃学園分室との共催により、学園の文化祭である「のびろ祭」を地元住民にも参加いただき開催しました。ステージ発表、作品展示及び事業団他事業所の製品販売模擬店など行い、約300名の参加がありました。

支援課

1 提供するサービスの質の向上

(1) 生活支援

ア 個別支援計画に基づいた支援
 各利用者について半年ごとに保護者の同意を得て、個別支援計画を策定しました。それを達成するために、月単位で各自のスモールステップ目標を設定して支援をしました。

イ 日常に関するサービス
 利用者一人ひとりの発達に適した支援を日課に応じて提供しました。

ウ 余暇活動に関するサービス
 休日及び学校の長期休業期間中の利用者の余暇を充実させるよう努めました。

(ア)個々の嗜好品購入や社会体験の幅を広げるため、個別外出を行いました。

(イ)公用車を利用してドライブに行きました。

(ウ)七夕会、夏祭り、ピクニック、クリスマス会、初詣、イルミネーションの見学、もちつき会、豆まき会、お楽しみ会等、季節に応じた行事を開催しました。

(エ)寮ごとの行事を計画し実施しました。

(オ)外部イベントに参加しました。
 1月に長野県障害者スキー大会に4名参加しました。

エ 社会体験事業
 公費による社会体験費を活用して、寮の行事において公共交通機関の利用や利用施設の入場料、個別の買い物や外食及びイベント等に参加して、社会体験の幅を広げました。
 全体では個人ごとの嗜好品や消耗品の購入は、利用者の希望に合わせて計画的に使用することができました。
 各寮では、こまくさ寮は、8月に全員で木曽方面の公園に行きました。また、ホットケーキ作りやご飯作り等の調理実習も定期的に行い、家庭的な雰囲気を味わいました。
 東寮は、8月に全員でやまびこ公園やチロルの森に出掛け、お弁当を食べたり、おやつを購入して食べました。
 西寮は、定期的に調理実習や、2~3名でドライブに出掛けました。
 南寮は、夏休み・春休み期間中2~3名のグループで、公園、カラオケ等の娯楽施設、レストランでの外食やキャンプ場でのバーベキューを楽しむなど、季節に合わせた行事や社会体験をすることで、興味の幅を広げることにも繋がりました。

オ 自閉症療育支援事業
 自閉症等発達障がいを併せ持つ利用者の生活の安定及び発達の促進を図るとともに、学園職員個々の療育支援の技量向上と療育支援体制構築のための基盤作りを目的として実施しました。
 事業の3年目となる本年度では、対象利用者を4名とし、その利用者担当が定期的 (月2回) に指導講師から、支援の視覚化等の構造化に関する専門的療育の実践指導を受けました。これにより全職員に構造化の必要性を伝えることができ、基盤づくりに向けて実践を始めることができました。また、このことについて、実践状況及び結果を報告書にまとめました。

カ 各種相談・療法に関するサービス(外部機関講師によるサービス)

(ア)音楽療法
 利用者の皆様の希望をもとに、土曜日の午後、外部講師を依頼して実施しました。

10 11 12
参加人数 9 12 5 5 9 8 8 8 6 9   10 89


(イ)作業療法
 月1回、対象利用者が作業療法を受けました。作業療法を通じて得られた療育支援に関するノウハウを作業療法士と支援員が共有し、個別支援計画に反映させることで、利用者支援の幅を広げました。

10 11 12
参加人数 3 4 4 4 4 4 4 3 4 4 4 3 45


 

(2) 18歳以上の利用者への支援
 本年度18歳以上の利用者が2名在籍しました。日中の活動は、障害者総合支援法の生活介護事業とし、以下のことを目的にサービスを提供しました。

(ア)地域移行や成人施設への移行を進めるため、日常生活動作のスキルや社会生活能力の向上を図りました。

(イ)療育活動、学習活動、健康増進のための活動及び自然との触れ合い等の活動を通して、利用者のQOL(生活の質)を高めました。具体的な活動としては、個別に一日の流れの日課を視覚的にわかるよう絵カードを使用し、日課の流れを理解した上で活動を行いました。各寮で使用したペットボトルを回収・ラベルはがし・洗浄・他事業所への運搬作業や、新聞破き・かくはん・型入れ・乾燥し、薪ストーブの補助燃料としてイベント等で販売しました。
 また、散歩や、調理実習、買い物等の社会体験などの活動も行いました。

(3)地域生活移行の促進
個別支援計画に基づき、児童相談所、市町村、学校及び各圏域の障がい者総合支援センターなど関係機関とのネットワークを活用してケア会議を開催するとともに、障がい者支援施設等での体験実習を積極的に行うなど、地域生活移行に向けた取組を進めました。その結果、本年度末までに、2名の利用者が地域生活移行を果たしました。

○ケア会議開催状況

10 11 12
入所利用者 1 3 4 6 2 7 2 2 2 6 5 5 45
在宅者   1  1 2  1 1 2 4 1 2   1 16
入所希望者       1 1 2 2 1   1     9
1 4 5 9 4 10 6 7 3 9 5 6 70


(4)家族との連携
家族と有機的な関係を築くため、通常の電話連絡などのほか、保護者懇談会、家庭訪問、年3回の「なないろ通信」発行等により情報提供を行い、連携が密になるよう努めました。

(5) ボランティア・実習生等の受入

ア ボランティアの受入
 地域の皆様との交流や連携を深め、当学園の実情を理解していただき、学園の活性化を図るため、さらに福祉体験の場を提供する立場からも積極的にボランティアを受け入れました。

(ア)支援ボランティア
  夏休み期間 12名(松本歯科大1名、県福祉大4名、梓川高校1名、県短大2名、
           飯田女子短2名、個人2名)
  冬休み期間 1名(松本短大)
  春休み期間 3名(松本短大)
  その他の期間 6名(日本福祉大2名、豊南短大1名、松本短大3名)

(イ)作業ボランティア
  のびろ祭ボランティア(四ツ葉会7名、コスモス会2名、豊南短大2名、松本短大4名、
             ひだまりの会2名、個人2名)
  四ツ葉会ボランティア(縫製作業(毎月3名)、もちつき会)
  自衛隊OBボランティア(剪定作業) 9名

イ 実習生の受入
 保育士、社会福祉士等の人材育成への協力及び学園の活性化のため積極的に実習生を受け入れました。
 本年度は年間を通じて、11名の実習生を受け入れました。

2 在宅障がい児への療育支援

(1)こまくさ教室の実施 
 在宅の障がい児及びその家族への療育相談の場として「こまくさ教室」を8回開催し、専門スタッフによる医療・各種療法・心理・発達・生活などの相談に応じ、年間48名の方に利用いただきました。また、松本文化会館において公開講座を開催し133名の方にご参加をいただき、療育への関心を高めていただきました。

(2)短期入所
 介護者が一時的に家庭で介護できない場合また、短期的な療育を必要とする場合に、セーフティーネット機能を果たすため、短期間の入所による支援を行いました。年間9名延べ48日の利用がありました。また、当該利用者の中・長期の生活設計が整うように関係機関と連携しました。

(3)日中一時支援事業
 介護する家族の就労支援及び介護者の一時的な負担軽減を図ることを目的として、市町村から委託を受け、利用者の日中における活動の場を提供して支援しました。年間62名676時間の利用がありました。

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