ハーブ@ガーデン
タイム◆ローズマリー◆ペパーミント◆セージ◆フェンネル
ラベンダー◆レモングラス◆レモンバーベナ◆バジル
◇◆ タイム ◆◇ ガーデンにあるのはシルバータイム。 シソ科のハーブで、地中海沿岸が原産地。日本ではタチジャコウソウとも呼ばれています。 その歴史は古く、メソポタミア文明の粘土板でつくられた医学書には、すでにタイムが用いられていた記録が残っています。 【効用】 タイムの成分チモールは、殺菌効果や防腐効果があります。 二日酔いにも効き、疲労の回復を助け、頭痛、過敏性大腸症候群、貧血症、下痢にも効果があります。 【利用法】 ◇料理 特有の香りは肉や魚の臭みを消す作用があり、加熱しても香りが失われないことから、シチュー、スープストック、肉・魚料理など、さまざまな料理に利用されています。ヨーロッパでは料理に欠かせないハーブのひとつです。 ハーブソルトはいかが? よく乾燥させたタイムをすり鉢ですり、あらかじめカラ炒りしておいた塩とあわせます。ゴマを足してふりかけにしてもOK。 ◇ハーブティー 気管支炎やアレルギー性鼻炎、インフルエンザ、カゼのひきはじめ、咳で喉が痛いときに効果があるので、タイムティーでうがいをどうぞ。すりつぶしたタイムとハチミツを混ぜてなめても効果あり。 口内洗浄になりますから、咽頭炎や歯肉の感染症も予防します。 ◇ハーブバス タイムのハーブバスは、リウマチの痛みを和らげるといわれています。また発汗作用もあるので、新陳代謝が活発になって体が温まります。 体臭予防にもなりますから、汗をかきやすい人は試してみてください。 ◇防虫剤 ドライをタンスやクローゼットに入れたりつるしたりすれば、虫よけにもなります。 |
◇◆ ローズマリー ◆◇ ガーデンにあるのは、種類はわかりませんが、立性のローズマリー。 地中海うまれの「海のしずく」と呼ばれるハーブ。細い葉が対照につく枝を指でなでると、ピリリと独特なすがすがしい香りがします。 【効用】 独特な香りには空気浄化作用、葉には酸化防止作用、消化を助ける働きがあります。 また、抽出液をうがい薬や切り傷に使用すれば、穏やかな殺菌作用があります。 【利用法】 ◇料理 ローズマリーは、お料理に欠かせない基本ハーブの一つ。 クセのある肉、魚の料理に使うと、ひとあじ以上違う風味が加わります。ガーデンパーティの際、株から一枝とってオリーブオイルをつけてお肉の表面をなでながら焼くパフォーマンスを。香りよいおいしい焼き上がりになります。 葉には酸化防止作用があるので、肉・魚の保存用に刻んだものをまぶしておき、そのまま焼いたらローズマリー風味の一品のできあがり。 ローズマリーととくに相性がよいのが、ジャガイモ、鶏肉料理です。鶏肉のクリーム煮にほんの少しのローズマリーを加えます。 刻んでバターに混ぜたローズマリー・バターは、ジャガイモのソテーを作るときに重宝します。 室温でやわらかくしたバターに、きざんだローズマリーの葉、レモンのしぼり汁、お好みで塩・コショウを加えてよく混ぜるだけ。冷凍保存もできます。 煮込み料理に欠かせないブーケガルニには、月桂樹(ベイ・リーフ)、タイムとともに、ローズマリーを加えます。また、ビスケットなどに焼きこむと甘さが引き立ちます。 ◇リース 剪定のたびにリースをつくって部屋にかけておくと、部屋の中のにおいを消し、空気をきれいにする作用があります。これは、昔から使われているローズマリー利用法のひとつ。ローズマリーのリースは、花のない状態でもさまになりますし、もちろん花つきでもすてきです。 ◇ハーブティー ローズマリーには消化を助ける働きがあるので、脂っこいお料理を食べたあとのハーブティーにおすすめです。おなかがいっぱいで食べすぎた日、元気の出ないときには、ローズマリーのハーブティーを。 ◇ハーブバス お風呂に入れると、血行不良を改善し、新陳代謝を高め、さらに筋肉痛をやわらげてくれる効果もあり。すっきりとよい香りで気分もリフレッシュできます。 |
◇◆ ペパーミント ◆◇ ガーデンにあるのはブラックペパーミント。 【効用】 さわやかな香りがイライラや疲労を取り去り、お風呂やアロマテラピーに使っても、メントールの成分でクールな清涼感をもたらしてくれます。 【利用法】 ◇ハーブティー ペパーミントのハーブティーは、はじめてのかたにも比較的受け入れやすいのではないでしょうか。 フレッシュで楽しむ場合は、1杯につき10〜15枚くらいの葉に熱湯を注ぎ、5分ほど置いて出来あがりです。 ドライで楽しむ場合、乾燥後に保存瓶等に入れ直射日光の当らない場所で1ヶ月ほど寝かせてから利用すると、青くさい感じが取れておいしくいただけます。 ◇ハーブバス フレッシュの場合は、枝ごと20本くらいを輪ゴムでまとめてしばらくお湯に漬けこみます。 ドライの場合は目の細かい袋に入れてからお湯に浸すか、袋を鍋で煮たててあらかじめ煮出したものをお風呂に入れて楽しみます。 ◇デザート フルーツに散らしたり、ミントアイス、ミントシャーベットなど。 まだドライのペパーミントを砕いて、パウンドケーキにたっぷり入れて焼いても。 清涼感があって紅茶にピッタリです。 |
◇◆ セージ ◆◇ ガーデンにあるのはゴールデンセージ(写真左)とトリカラーセージ(写真右)の2種。 刺激のある強い匂いは、好き嫌いが分かれるところです。 英語のSageという名が、ソーセージ(Sausage)の語源になったように、食欲がわく匂いだと思う人もいれば、ちょっと薬臭くて好きになれないという人もいるようです。あなたはどちらでしょうか。 セージの仲間はたいへん多く、何百もあるそうですが、料理や薬草として使われるのはコモンセージで、葉は灰緑色でしわと毛があり、花の色は紫・ピンク・白があります。コモンセージと同じ仲間にはレッドセージ、トリカラーセージ、ゴールデンセージなどで、それぞれ葉の色に特徴があります。 原産地の地中海沿岸の国々では、古代ローマ時代より万能薬として利用され、人々の生活から切り離せないほど深く浸透しています。 「庭にセージを植えている者は不老不死」「長生きをしたければ5月にセージを食べなさい」と、ことわざにも残っています。 【効用】 殺菌作用、消化促進など。 血行をよくするので、生理痛緩和に、またエストロゲン類似作用もあるため、更年期特有の症状や月経不順などにもおすすめです。 脳を活性化するとも言われ、イライラや不安で眠れないときに、神経のバランスを整えてくれます。 【利用法】 ◇料理 肉・魚の料理の臭み消しと香り付けに。レバーとの相性も抜群。とても匂いが強いので、使いすぎないよう少量から試してみましょう。 肉のローストには、生ハーブか乾燥した葉・枝を突き刺して使い、調理後に取り除きます。 ひき肉料理には生を細かく刻んだものか、乾燥品の粉を練りこんで使います。 ◇ハーブティー 殺菌作用があり、風邪の予防や、のどの痛みや口内炎の緩和に効果的です。少し濃いめに出したハーブティーでうがいをするとよいでしょう。 |
◇◆ フェンネル ◆◇ ガーデンにあるのはフェンネル(写真左)とブロンズフェンネル(写真右)の2種。 フェンネルの語源は、その乾燥した葉の外観から「小さな干し草」を意味するラテン語のフォエニクルム(Foeniculum)に由来します。 中世ヨーロッパでは、古くから使われていた料理用の代表的なハーブです。 また、寝室のカギ穴にフェンネルをつめる習慣等から、魔除けやお守りとしても使われていました。 この様に、フェンエルは強さ・勇気・長寿をもたらす植物とされ、花言葉の意味もここからきていると思われます。 【効用】 フェンネルシード(種子)の精油(オイル)の主成分は、アネトール、フェンコンという物質で、食欲増進、利尿作用、消化促進、眼精疲労緩和、駆虫、肥満防止作用があります。 アネトールが肉の脂肪分を分解し消化を助けるのですが、そこがダイエット食品として注目されてるところでしょうか。 この他に、殺菌作用もあり、洗眼やうがい薬にも用いられました。 【利用法】 ◇料理 全草に新鮮なアニスの芳香があり、「魚のハーブ」と呼ばれるように魚貝料理に最適です。 葉茎を魚の腹に詰めて蒸し焼きやオーブン焼きにすると、魚の生臭さと脂っこさを消し、すっきりした風味でいただけます。 その他、スープ、煮込み料理、マリネに入れたり、生葉を刻んでサラダにもしてもOK。マヨネーズとよく合いますよ。 シード(種子)は、パン、ケーキ、クッキーや、カレー、パイ、スープ、ピクルスなど入れて使います。 ◇ハーブティー 種子・茎葉はハーブティーとして利用します。 ドライの場合、ティーポットにティースプーン1杯を入れ、熱湯を注いで5分ほど蒸らします。 消化器系の不調に効果があり、利尿作用やガスを排出する作用があるので、便秘でお悩みの方に適しています。 また、種子のハーブティーは母乳の出をよくし、肝臓障害を改善するといわれています。 ◇防虫剤 乾燥した葉はノミが嫌うので、ベッドの下にいれたりして利用するとよいでしょう。 ◇ハーブオイル フェンネルオイルは、歯磨き、お線香、石鹸、化粧品、入浴剤の香料にも利用されています。 ◇ドライフラワー 花はドライフラワーに使えます。 |
◇◆ ラベンダー ◆◇ ラベンダーはアロマテラピーのなかで最もよく使われています。 古代から薬用植物として知られ、沐浴をしたり、ラベンダーの小枝を焚いて流行病をふせいでいたそうです。 【効用】 神経の緊張・不安をやわらげる効果、安眠作用。頭痛の緩和。 殺菌力が強く、鎮痛作用があるので、風邪予防、虫刺され(蚊、蜂、ブヨなど)の毒の中和、火傷に効果があります。 【利用法】 ◇ハーブティー ティーポットにティースプーン1杯のドライハーブを入れ、熱湯を注いで5分ほど蒸らします。ハチミツや砂糖、ステビア等で甘みをつけると美味しく飲めます。 神経を鎮静させるリラックス作用があるので、ストレスがたまっているときや精神的に疲れているとき、眠れないときに飲むのがよいでしょう。 ◇ハーブバス ちょっと贅沢にラベンダーを使いゆっくり入浴すれば、体も暖まるうえ、香りが心を芯からリラックスさせてくれます。 ◇サシェ(匂い袋) 香りをただ楽しむだけでもかなりのリラックス効果が期待できるので、サシェしてベットのかたわらに置いておくのもおすすめです。 ◇防虫剤 ラベンダーは良い香りが長もちする上に、防虫効果もあるので、衣装タンス等に衣類と入れておきましょう。 |
◇◆ レモングラス ◆◇ 「トムヤムクン」などエスニック料理にも使われる細長いイネ科の植物です。 青々とした葉に、レモンを加えたような香りですが、エキゾチックな甘美な香りもします。 インドでは古くから感染症や熱病、虫避けに使われて来ました。 【効用】 心のわだかまりを解き放ち、神経疲労を回復させ、生気や活気を復活させてくれます。 滋養強壮、消化促進、食欲増進にも。 筋肉の乳酸を排出し循環を高めるので、筋肉疲労や肩こり、足の疲れ、むくみ、たるみを改善します。 偏頭痛、月経前症候群や妊娠中の不快な症状や気分をやわらげます。 肌に張りを与え、毛穴や筋肉を引き締める作用があります。 【利用法】 ◇料理 生葉またはドライをスープやカレー、肉・魚料理の香りつけに利用します。 ◇ハーブティー 気分をリフレッシュしてくれ、朝起きた時や眠くなったときに飲むとすっきりします。 お腹のガスを排出する作用があり、胃の働きをよくして消化を助けるので、食後のティーとして最適です。 その他、血行の促進、貧血の改善にも効果的といわれています。 葉が少し硬い為、ハーブティーをいれる前に、葉を揉むようにしてからお湯を差すのが美味しくするコツです。 ◇ハーブバス 日本ではあまり使われませんが、浴剤にするのも良い利用法です。 レモンに似た柑橘系の香りを楽しみながらゆっくり入浴すれば、その香りが心をリフレッシュさせてくれとてもサッパリできます。 |
◇◆ レモンバーベナ ◆◇ レモンバーベナの香りはまさしくレモン。 別名はベルベイヌ、フランス人にとってなくてはならないお茶です。 薄い緑がかった黄色でレモングラス同様、レモンの香りがしますが、同時に蜂蜜(はちみつ)が加わったような芳香がします。酸味の中に甘みが少し隠れています。フィンガーボールの香りづけに用いられたこともあるハーブです。 ヨーロッパでは心身を温め、リラックスさせる飲み物として親しまれており、ティーと同量のワインと調合して鎮静剤としても用いられています。 環境の変化で神経が高ぶっている時や、失敗の連続で自信がなくなっているときに飲んでみましょう。 また、ヨーロッパでは古来、安産のために飲むと良いので「聖なる草」といわれています。 スペインではペパーミントを加えて、ホットあるいはアイスのどちらでもおいしく飲めるティーとして利用されています。 【効用】 葉の精油成分はリモネン、ゲラニオール、ベルベロンなどで、鎮静薬、強壮、消化剤にされます。 のどの炎症や擦傷、打ち身から肝臓、腎臓、胃や口臭、生理不順、月経時の偏頭痛、食欲不振の時には消化促進作用があり、万病薬として役立ちます。 【利用法】 ◇料理 ケーキやゼリーなどお菓子の香りづけ。 ◇ハーブティー 気分を落ち着かせ、リラックスさせるお茶です。 ◇ハーブバス 浸出液をお風呂に入れると、肌を柔らかくいきいきさせてくれます。 ◇ドライ 乾燥させた葉は、長く香りが持続するので、ポプリやリース材料などに最適です。 |
◇◆ バジル ◆◇ 古代ギリシアでは王家など貴人の香水や薬に使われたことから、「王様のハーブ」(Basilikon phuton)と呼ばれたバジル。 日本では、水に浸した種で目に入ったゴミを取り除いていたことから、「メボウキ(目箒)」と呼ばれていました。 バジルが有名になったのは、イタリアンが注目されるようになってからのつい最近のような気がしますが、実は古くから私たちの生活とともにあったハーブなんですね。 【効用】 食欲増進・消化促進作用があり、脂っこい料理に添えると胃がもたれにくくなります。 また殺菌作用もあり、生の葉を揉んですりつけると、虫さされや炎症に効果があります。 さらにバジルは、微量ですがサポニンを含んでいるため、咳止め効果も期待できます。 バジルのエッセンシャルオイルは、数あるハーブの中でも最高の神経強壮作用を持っています。精神疲労、眠気覚まし等に最適です。 敏感肌の人、妊娠中の人は、使用を避けた方がよいでしょう。 【利用法】 ◇料理 さわやかなバジルの芳香は、パスタやトマト料理にピッタリ! そのほかにも、肉、魚、野菜、豆、卵、チーズ料理にと、あらゆる食材に合います。熱や酸化による退色が激しいので、鮮やかな緑色を損なわない様、注意しましょう。 殺菌作用、消化促進作用もあるので、お腹をこわしやすい方もお試しあれ♪ ◇ハーブティー 神経痛、呼吸困難、咳、口内炎に。 ◇ハーブバス 肌を生き生きさせます。 |