走れモンキー!




〔 Z50M編 〕

お預かりしたモンキーZ50M。
最初は、ちょっと綺麗にして乗れるようにとのお話でしたので、私も気軽に考えていましたが、
我が家に持ち帰り、じっくり見ると、結構イッちゃってんですよね〜。
モンキーあたりの年代で、ここまでクサッているのも珍しい部類ですが、
どうしても蘇らせたいとのお話ですし、乗りかかった船なので、なんとかしないと。
完全レストアまではいきませんが、普通に走れる状態にはしてあげないと!
でも、どんな状態であれ、直らないモノはありませんから、なんとかなるでしょう。
私は動かないモノを直すのが、とっても大好きなので、ほんとはこれもワクワクしています。
とにかく走らせてあげたくて!
見た目よりも、動く事がバイク本来の姿ですからね。
でも、さすがにこれは見た目もなんとかしないと(笑)




仕上げるにあたって、まずはバラバラにします。
ここまでサビ&クサリが進行していると、ネジやボルト類も完全に固着と言うより同化しています。
強度も弱くなっていますから、力の入れ方を間違えると、すぐにポキッと折れてしまいます。
ボルト類をおってしまうと、あとの始末が倍になってしまいますから、ここはあせらずじっくりと。
とりあえず各部に潤滑材をスプレーし浸透させます。 時間もあるので時々動かしながら
更にスプレーし一週間ほど寝かせます・・・。

一週間ほど経ってから、ボルト類を外していきますが、ここでも慌てては駄目です。
少しずつ少しずつパーツを傷めないように。
こうして、なんとか全てのパーツがボルト類を折る事無く外せました。 ホッ。
バラしたパーツは、そのままでは作業性が悪いので
整理用にケースに分類して保存します。
今回は、再塗装しなければなりませんから、赤いパーツのみをピックアップします。
使えるモノ、そして使えないモノに更に分類していきます。
なんとか使えそうでも、最終的な仕上がりや、予算等も頭に入れて分類しないと・・・。
分類が終わると、足らないパーツを探す作業に移ります。





一番最初に赤いパーツの塗装から始めますので
程度の良いモノに交換して再塗装することにします。
フレームなどは車体番号まで消えてしまって
走らせる事もできませんし、触るとボロボロ粉が落ちてくるので
オーナーさんより違うフレームを用意頂きました。
しかし、これも新品ではありませんし、タンク取り付け部
など細かい場所も手を加えられているので
本来の姿に溶接して戻し、一緒に再塗装いたします。
結局、他のパーツも写真では形になっていますが
触ると形が崩れて、ポッカリ穴が空く状態です。
さて次の準備に!







バラバラにしたモンキーのパーツの中から、メッキの掛かったパーツを拾い出します。
そして、それらのパーツを更にバラバラにしてメッキの準備をします。
今回は、大きく分けて2種類のメッキをする予定です。
一般的なピカピカのクロームメッキと、機能メッキと言うかサビ止めの為のユニクロームメッキ。
全てピカピカのメッキにする方もいますが、今回は当時風と言う事でユニクロメッキも使います。
ボディパーツを塗り替えさえしなければ、再メッキもしないのですが
再塗装されてしまうと、メッキ類が光っていないと、そこだけ目立ってしまうので・・・。
クロームメッキするパーツ類は、メッキ屋さんの印象を良くする為に
サビだらけだったパーツをゴシゴシとサビを落としてみました。
未再生風にするなら、このままでもと思いますが、再メッキするにはサビの根が・・・。
残りのパーツは、キチンと小分けして分類しながら小袋に入れていきます。
これで小さなパーツも紛失しませんし、後で探す時も一目瞭然です。
メッキパーツは、メッキ屋さんへお願いしました。
メッキの仕上がり次第で、またパーツの確保が必要になるかも・・・。

そして、次はアルミパーツだけを拾い出し、磨きの作業へ!







バラした赤いパーツですが、全て塗装の剥離、そしてサビ落としと進め
フレーム部のタンク留めの板が欠損していたので、溶接にて新規に作ってもらいました。
下地も済み、本塗り&クリアー塗装と高温焼付け、なんとか塗装行程は終了しました。
まだ細かいパーツの塗装や、タンクも待っていますが、とりあえず一区切り!
鮮やかな真っ赤になりました。
今回お預かりしたスベアのフレームですが、一度塗り直しされていましたが、塗装を剥がすと下塗りもなく、
下地もキチンとやっていなかったようで、塗装の中が結構サビが進行していました。
塗り直されているパーツは、塗装を剥いでみるまで解らないので、一種のカケのような感じですね・・・。
やはり長く持ち続けるなら、下地からキチンと仕上げた方が長持ちするでしょうね!






サビサビだったメッキパーツたちを、再塗装に見合うように
再メッキに出していましたが、手元に戻ってきました。
今回はクロームメッキとユニクロームの2種類に分けて
お願いしましたが、サビサビが嘘のように綺麗になりました。
ボルト類は、ホンダ車に拘っている方にお馴染みの
強度を示す8番ボルトも新品のように蘇りました。
このボルト類が、やはり8番でないと納得いかないんですよね。
これをピカピカのクロームメッキにしてしまう方もいますが、
私は、このユニクロメッキが好きです。
まあこればっかりは、仕上げる人の好みですよね。
他のユニクロメッキされたパーツたちも、良い感じ。
クロームメッキは、やはり下地に左右されちゃいますね。
少しでもサビの根が残っていると目立ってしまいます。
研磨でくるものは、なるべく研磨してメッキして
いただきましたが、やはり元が元だったので
多少は目をつぶっていただこうかな・・・。
クロームメッキは元の素材以上にならないので
とっても正直ですね〜。
納得がいかなければ、更に磨きとメッキ・・・と
なりますが、今回はこれで良しという事に。
塗装とメッキが仕上がったら、
次は新たにハーネスを製作し、
その次はアルミパーツの磨きと進みます。
この辺で気が早やって、すぐにでも組み立てたく
なりますが、そこは押さえてじっくりと・・・。
旧車の再生は、じっくりじっくり準備して、
組み立ては一気にが、私の進め方です。






ボディの程度もスゴかったですし、数十年の不動車と言う事で
動かすにあたって、突然の断線や接触不良は危険ですので
新しいコードを使ってハーネスを製作します。
ここで使用するコードは、純正と同じ配線色のタイプを使います。
キチンと純正色にする事で、配線の役割が色を見ただけで解りますし
結線のミスも無くなります。 色にも意味がありますし。
コードを束ねるZ50Mのハーネステープは、銀色のモノを使用します。
純正のハーネステープをバラし、長さを同じに合わせて、ギボシ端子やカプラーを付け
最後に銀色のハーネステープを巻けばOKです。
今日は、6極のカプラーが入手出来なかったので、最終仕上げは、また今度。


結局、6極のカプラーはカーショップやホームセンター等では見つけられず
部品商にて取り寄せしてもらう事にしました。
カタログにて似たタイプの物を見つけ発注しましたが、翌日には届きました。
ただ難点は、一つでは注文出来ずに、最低10個からの発注でしたが
入手できるのであれば、とても有り難い事です。
さて、早速入手したカプラーを付け、あとは銀色のハーネステープをコードに巻いて完成です。
メインキーシリンダーも装着して、無事に新しくなりました。
これで電装のトラブルは無くなるでしょう。







今日は、アルミパーツの磨きをいたしました。
最初にある程度の汚れを取り、クリアー塗装されているモノもクリアーを剥がします。
そしてグラインダーにバフを装着し、青棒を付けて磨きます。
ツルツルピカピカは、あまり好きなタイプではありませんが、
塗装やメッキが新しくなると、アルミパーツも磨かないと、釣り合いが取れませんからね・・・。
深夜の作業なので、近所迷惑にもなりますから、今日はこの辺で終了とします。
さて、そろそろ形にしていきましょうか!







暑い日、寒い日と、寒暖の差が激しく、なかなか身体も調子が出てきませんが、
今日も深夜の作業をしてまいりました。
塗装が仕上がったフレームとフロントフォークを細かいパーツを付けながら徐々に組んでいきます。
形になってくると面白くなって、ついつい先へ先へと先走りしてしまいます。
しかし、組んでいくと、用意したつもりのパーツが揃っていなかったり・・・なんて事も。
一つでも足らないと先送りとなってしまいますので、なるべくキチンと揃ってからの組み付けを心がけていますが
組んでみないと不足が何かも判明してこない事も多々あります。
Z50Mは、他のバイクと共通パーツもあるので、我が家のパーツで在庫しているものもあるので
箱からガサガサと探しながら、のんびり気長に・・・。
サビが無い車体も久々ですが、手が汚れない作業も気持ちが良いですね〜。
でも、逆に傷を付けないか、ちょっと神経をつかっちゃいますね!
フレームに傷がつかないように、モンキー専用にカーペットも購入し、結構気を使っています(笑)
深夜の作業は寒いので、今日はここまで。







せっかく綺麗にお化粧直しをしましたから、私の持っているパーツも合わせて、できる限り新品にしてしまいましょう。
ゴム類はもちろんですが、アクセルワイヤー・スピードメーター・スロットルワイヤーも当時の純正の銀タイプ。
新品パーツは昔から集めていましたが、いざとなると勿体無い病で、なかなか使いませんが
汚れていないパーツは、たまには気持ちがいいものですね〜。
さて、今日は祝日で時間が空いたので、小物をコツコツと組み付けてみました。
そしてシートを組もうとしたら、黒の取り付け金具がサビサビで汚ない事に気づきました。
このままでは取り付けるのは嫌なので、サンドブラストをかけてサビ落とし。
サビを落としてみると、歪んで曲がっている事が解り、慌ててハンマーで直線に修正します。
さて、またサンドブラストをかけ、ホコリを飛ばして、次はサフェーサーを掛けます。
サフェーサーが乾くと、更に黒く塗装して、あとは乾くのを待ちます。
調子が出てきたので、抹茶サビだったホーンもサンドブラストを掛け、同じくサフェーサーと銀色に塗装します。
こちらも乾燥させて、乾いたところで、メッキに出しておいたカバーを中身を組み合わせて完成。
綺麗になったシートの金具をシートに組み付け、ボディに装着します。
段々とモンキーらしくなってきました(ホッ)
後は細かいパーツと、タンク・足回り・そしてエンジンを付ければ完成です。
ご要望で、エンジンも綺麗にして欲しいとの事なので、これまたオイオイと。
こうなってくると、早く完成させて、乗ってみたいですが、そこはあえて押さえて、更に気長に・・・。
慌てると、気が早やって、段々と作業が雑になってきてしまうので。
今日の作業は、こんなところで。







燃料タンクもアイボリーに塗りあがり、フレームに補器類もつけたところで、いよいよタンクを装着いたします。
タンクが装着されるといよいよバイクらしくなってきました。
届いたばかりのエンブレムをタンクに取り付けモンキーらしさも一層湧いてきます。
組み立て始めると、赤がとても眩しく感じます。
部屋の中での作業ですが、眺めては組み、眺めては組みと、眺める時間が長くなってきました。
モンキーって、ほんとに可愛らしいと言うか、見ていて飽きない素晴らしいバイクですね。
みんなが惹きつけられるのも納得します。
今回の塗装は、いかにも塗り替えましたと言う厚ぼったい感じではなく、しっとりした感じに塗ってもらいました。
クルマの仕上げと、バイクの仕上げのまた違うところです。
さて、このバイクの今日の予定は終了なので、時間のあるうちに次のバイクを組みますか!