オールドホンダ学園  その3





〔 バモスホンダ編 〕

たまたま仕事中に通りすがった道路脇のホンダ販売店の車輌置き場に、何やら見覚えのあるシルエットが!
いてもたってもいられずに入っていくと、やはりバモスホンダでした。
それも私が探していた四人乗りのバモスでした。
ホロ骨が残っていなかったのですが、シート形状とホロのホックからバモスフルホロのようです。
早速、ショールームの担当の方にお話に。
回された相手が、そこの社長さんでした。
廃車置場に放置されて随分時間も経過しているようなので、是非動かしてあげたいので
譲っていただけないかと単刀直入にお話しました。
その場では、これはお客さんの預かり物なので譲るわけにはいかないと断られました・・・。
突然現れて、その場で簡単に譲ってもらえるなんて無理な話ですから
とりあえず、またお伺いしますと言葉を残して帰ります。
それから毎月顔を出し、何年経ったでしょう。
時が経つにつれ、最初はブルーシートが掛けられて、直すのかなと想像さえできましたが
段々とシートも破れ、ボディがあらわになって、最後にはバモスの上にTN360が二段積みに載せられて・・・。
このままではバモスがゴミに!
また意を決して譲って欲しいとお願いにいきました。
しかし、最初の時と同じ回答で、あれでも直すとの事です。
そうですかと諦めながら引き返してきました。
そしてバモスの事も少し忘れかけたある日、私が結婚式を終え、新婚旅行へ行って戻ってきたところへ
何やら聞き覚えの無い方から一本の電話が。
例のバモスの件だけど、バモスオーナーが直すのを諦めたから買わないかとの話。
見つけてから、およそ6年の月日が経った時の事でした。
今さら・・・、更にこんな時期に・・・。 どうせ譲ってくれるなら、もっと形になっていた時に言ってくれれば。
と、こちらの都合を言っても始まりません。
結局、譲ってもらう事になりました。
友人たちからは、結婚したらクルマもバイクも段々と減っていくもんだよと言われながら
新婚旅行から戻ってきた日にバモスホンダを購入する事になるとは・・・。
これも、私の考える運命とご縁かなと。
タイミングが合わないと、いくら頑張ってもどうにもならない時には、事が始まりません。
しかし、こちらが予期せぬ時でも、ご縁があれば待ったなしで目の前に現れます。
そんなタイミングを逃してしまうと、この先いつ現れるかわかりませんし、
もしかしたら、その時が最後で出会えないかもしれません。
私は悩んだり考えたりする前に、とりあえず話に乗ってみろと即決してしまいます。
駄目なら駄目で、勉強したと思うしかありませんし。
勉強をすればするほど、変なご縁に引っ掛からなくなりますし。
何事もやってみろ! ですね。

続く




こうして我が家に来る事になったバモスですが、その場で自走できるように
つぶれたタイヤを交換し、エンジンをかけられるように整備して
ついでにブレーキも、その場で直して走れるようになりました。
そのホンダの販売店の裏の敷地で整備させていただいたので、動きましたよと見せにいったら
ちょっとムッとされてしまいました・・・。
ちょっと喜んでくれるかなと思ったのですが、他の従業員の手前
早く引き揚げて持って帰ってくれと。  残念。
そこから我が家まで距離もありましたので、積載車を借りて我が家まで運びました。
とりあえず我が家に運ぶと、ガレージの中に入れてあげました。
長い間、待たせたね!

さて、改めてバモスを掃除したりゴミを片付けたり、欠品しているパーツをコツコツ揃えたり、
バモスらしく見えるようにしてあげました。
シートの骨などもクサッてしまって欠けているところもあったので、別のシートに換えたりと
とりあえず普通に乗れて快適となりました。
本当は当時のボディ色に戻してあげればいいのですが、また次回に。
今回は、形になって動いたから良しと言う事にしましょう。
これは、まだ卒業まではいきませんね。

終わり