Celeron900(SL5MQ) - 1345MHz

BXチップ最後のCPU、cD0コア。
Celeron900-1345MHz  π1分44秒。

  2001.07.22  Takapen Signed


BXチップセットでは、cD0コアが最終のCPU

BXチップセット、i815E(P)のAステップでは、CoppermineコアのcD0が、
使用可能な最終のCPUとなります。

製造プロセスルールを0.13μmに微細化したPentium III・Tualatin(テュアラティン)コアの、
Pentium III-Sは、システムバスが変更されているため、対応チップセットが必要です。
Intel 815のBステップ、VIAApollo Pro266T、Apollo Pro133T、ALIのAladdin Pro5T、
SISのSiS635T、SiS633Tなどが、Tualatinに対応しています。

Celeronの商標は、cD0コア以降は、Tualatinコアを採用した「Tualatin-256K」に引き継がれ、
2002年第2四半期より発売される予定のようです。(「Tualatin-128K」という情報もあります。)
Celeronにこだわれば、i815のBステップマザーの購入もありますが、
メインストリームは2001年末より、0.13μmプロセス478pin仕様のPentiumIV「Northwood」に、
移行するはずです。CPUの動作クロックは、2GHzを越えるのは確実です。
メモリーもDDR-SDRAMかRDRAMに移行します。

懐にゆとりがあれば、2001年をTualatinか現行PenIVのWillametteで乗り越え、
2002年にさらにNorthwoodに乗り換えることになりますが、
コストパフォーマンスが悪すぎるような気もします。
長寿のBXチップで2001年をがまんして、2002年に一挙に環境を変えるほうが得策ではと思います。
その点で、今回のcD0コアの実力に期待していました。延命の救世主となりうるか?

<cD0コアのBXチップセットマザーでの動作問題>

なお、BXチップセットマザーでcD0コアが動作するかどうかですが、
私の所有するEPoX BX6SE、ASUS P2B-F、では問題なく動作しました。
多くのもので動作可能なようですが、なかにはNGのマザーもあるようです。
通販の「DreamStation」さんの、cD0 Testレポートに動作実績が記載されています。
当然、Vcoreの適合をあわせることや、FSBの設定で工夫が必要なものもあります。
このあたりは、過去のTipsやコラムの記事を参考にしてください。応用で解決できます。
いずれにしても、大半が規格外での運用となりますので、自己責任ということになります。
また、限界を試そうとすると、FSB133以上になりますから、メモリーやAGPカードの耐性や、
マザーの電源周りの許容量、電源などチェックが必要です。

発熱は少なめですが、発熱は電圧の2乗に比例し、動作クロックに比例しますので、
定格電圧1.75V FSB100-900MHz を「100」とした場合、
Vcore2.10V FSB145-1313MHzでは「209」と、倍以上の発熱になります。
結局、熱をいかにコントロールするかがOC動作のポイントになります。
特に今年は猛暑。大阪では気温36℃、室温は40℃に迫りますので深刻です。
(以下の実験は、クーラーのない西日の「サウナルーム」にて行っています。あつ〜っ)


cD0のCeleron900については、後述するように、熱に非常に敏感なようです。
cC0コアのように、Vcore電圧を上げれば比例して耐性があがるという単純な図式になりません。
電圧の2乗に比例して増加する発熱を、いかにコントロールするかが、OCのポイントです。
限界を引き出すには、なかなか技術のいるCPUで、逆におもしろい!といえます。


EPoX BX6SE Rev0.31にて、耐性上限をさぐる。

マシン構成です

パソコン(メイン)
  Case
  マザーボード
  CPU
  CPUクーラー
  CPUドータボード
  Memory 1 (2228Fast設定)
  Memory 2 (    〃    )
  Memory 3 (    〃    )
  UltraATA66ボード
  Hard Disk 0(U66)
  Hard Disk 1(IDE)
  Hard Disk 2(IDE)
  CD
  ビデオカード
  サウンドカード
  ネットワークカード
  内臓Modem
  マウス
  キーボード
  スピーカー
  Printer
  OS
 
Faith Inspire Takapen's Special (98.12) 
  Freeway FW-OTX-XS 250W
  EPoX BX6SE Rev0.31  
Vio3.55V-3.60V
  
Celeron900(SL5MQ) cD0コア
  
α-PEP66U(山洋6cm高速ファン)
  
MSI MS-6905Master
  ノーブランドSDRAM 128MB(PC133 CL=3) Mosel V54C365804 VCT7 0037PR (00.12)
  ノーブランドSDRAM 128MB(PC133 CL=3) Mosel V54C365804 VCT7 0003PR (00.4)
  ノーブランドSDRAM 128MB(PC100 CL=2) GBCL2 16M*8 SDRAM-8-T(00.12)
  Promise Ultra66 (00.4)
  Maxtor DiamondMaxPlus60 5 T030H3 30GB 7200rpm(01.01)
  IBM DTTA371010 10GB 7200rpm (99.4)
  Quantum FBEX-6400A 6.4GB 5400rpm(98.12)
  AOpen CD-950E 50倍速
  SUMA Platinum Geforce2MX PewerUp(00.12) Core200/Mem200MHz
  Labway XWAVE6000 YMF754(01.1)
  Melco LGY-PCI-TL(10Base-T)
  Diamond Supra 56K PCI
  Logitech First Mause+  PS/2
  112日本語
  EP691 アンプ内臓ステレオ
  EPSON PM670C
  Windows98SE + IE5.5 ACPI電源管理

共通条件 PCI 1/4(FSB133以上)  AGP 2/3  Vio3.60V  メモリー128MB*3(2228Fast)

       
cD0 Celeron900−−SL5MQ Q122A745-0079 Malay


定格電圧1.75Vでは、FSB135-1216MHzまで

CoreVolt FSB

CPUクロック

BIOS CPUboost Win98 Superπタイム  

1.75V

100

900MHz

定格電圧

1.75V

133

1200MHz

 

1.75V

134

1206MHz

 

1.75V

135

1216MHz

 

1.75V

136

1224MHz

×

×

 

1.75V

137

1240MHz

×

×

×

 

 

起動限界 Vcore2.10V、FSB149-1345MHz
安定域  Vcore2.05V、FSB145-1313MHz

CoreVolt FSB

CPUクロック

BIOS CPUboost Win98 Superπタイム  

2.00V

133

1200MHz

 
 

140

1265MHz

1’51”

 
 

143

1288MHz

1’49”

 
 

145

1305MHz

×

×

 
 

147

1320MHz

×

×

 

2.05V

143

1288MHz

 
 

145

1313MHz

1’46”

 
 

147

1320MHz

 
 

148

1329MHz

1’44”

Winの起動失敗も
 

149

1345MHz

×

×

 

2.10V

145

1313MHz

1’47”

 
 

148

1329MHz

1’44”

 
 

149

1345MHz

1’44”

Winの起動失敗も
 

150

1353MHz

×

×

 
 

151

1361MHz

×

×

 

2.20V

148

1329MHz

1’44”

 
 

149

1345MHz

×

×

 
 

150

1353MHz

×

×

 
 

151

1361MHz

×

×

 
 

152

1369MHz

×

×

 
 

153

1377MHz

×

×

 
 

154

1385MHz

×

×

×

 

cC0では、Vcore2.40Vまで印加に比例して耐性が向上しましたが・・・。cD0では
・ V-Core電圧のアップに、耐性が素直に追随してきません。
・ 2.20Vにすると、CPUboostではFSB153-1377まで確認できましたが、
  Winの起動限界やπの耐性は逆に低下します。
・ 限界付近では、発熱に相当敏感です。発熱は電圧の2乗に比例して増加します。
  電圧印加による耐性の向上よりも、発熱による耐性の低下の影響が上回るCPUのようです。

常用域は、なにを基準にするかが人それぞれです。
ベンチマークでいえば、SuperπやFRはCPUに厳しく、3Dmark2000系はCPUにはやさしい感触です。
MP3エンコーディングやゲームは、負荷が高いものが多く、実用基準になるでしょう。
私の場合は、Superπ1677万桁が通る。使用ゲームが落ちない。NetやOfficeが落ちない。
言わば、私の使用状況で、Windowsやアプリが落ちることがない!を基準にしています。
(当たりまえですね。「俺はもっと厳しい使い方をする」という人は、ご自分で基準を見つけてください。)
常用域は、Vcore2.05V FSB145-1313MHzです。これが、一番バランスが良いMaxでした。
西日の当たる、ノン・クーラーの部屋で、夕方は室温が40℃に迫りますが、安定しています。

<まとめ>

その意味では、cC0と比べるとcD0は「気難しいCPU」と言えます。
冷却に相当注意しないと、限界ぎりぎりのマージンは引き出せないかもしれません。
また、ベンチテストの耐性は、3Dmark2000,2001は楽に通っても、Superπが苦手です。
OverClocker'sDreamのcD0コアの分析とも共通した感触です。ぜひ参照してください。)
1300MHzを越えるポテンシャルはたいしたもので、ひさしぶりのじゃじゃ馬ですね。
おもしろいです(ё_ё)!


Data of Celeron900

2.05V FSB145-1313MHz   Superπ104万桁 1分46秒





2.10V FSB149-1345MHz   Superπ104万桁 1分44秒





2.20V FSB153-1377MHz  CPUboostにてWin起動後変更