PEP66 Grease-UP Know-How

αPEP66で、コアとの密着性を高めるグリスアップのノウハウ。

    2000.11.27  Takapen Signed  


グリスの工夫で変わるコア温度と耐性。

コアとヒートシンクの密着を高めると、よりコアの温度を下げることができます。

経験的には、上手なグリスアップをすると、2〜5度程度、ピーク時のコア温度を下げることができます。
これを、耐性向上に換算すると、1度当たりFSBで1〜2MHz
電圧昇圧加印時の安定性(熱暴走回避)で、2度当たり0.1V昇圧できる、という感じです。
限界を追求するには、極めて大きな影響があると思います。


グリスのいろいろ紹介。

左から

DSグリス
 ダイアモンド粉が入っていると言われるHotStuff製。

SCH-20
 サンハヤトの定番グリス。やわらかく、伸びがよい。

PA-080
 熱伝導酸化金属配合。DSグリスよりやわらかく白い。

普通のシリコングリス
 PA-080と同じく白い。効果の違いはないみたいです。

Unickチューブ
 上記ふたつよりさらにやわらかい。

  3Mメンディングテープ   PEP66の足の高さ調節に使います。
  中折れストロー       グリスを伸ばすのに使います。 
 


わたしは、発売以来、DSグリスを愛用してきました。熱伝導性能は、優秀ですね。
が、Coppermineコアになってから、DSグリスを使うと、コアの保護樹脂(青い膜)に細かい擦りきずがつきます。
転売する時のことを考えて、今はサンハヤトのSCH-20にしています。
SL4PC/566の1ギガオーバーが1枚、この傷のため手元のストックになっています。もったいないな〜。


Coppermineコアの傾きの個体差

Coppermineコアのセレロンは、これまでに5枚試しましたが、コアは微妙に傾いています
また、Mendocinoコアは4隅が盛り上がっていましたが、Coppermineコアは中央が盛り上がっています。
このため、PEP66を装着すると、接地の中心が相当ずれてしまいます。
これを補正するため、メンディングテープをPEP66の足に貼り付けて、足の高さを調節しています。


SL4PC cC0 566MHz Q039A181-0269

向かって左上 1枚
向かって右上 2枚
のメンディングテープを張った状態です。

まだ少し中心が少しずれています。


SL4PC cC0 566MHz Q038A283-0706

上記のQ039と同じく
向かって左上 1枚
向かって右上 2枚
のメンディングテープを張った状態です。

中心が下に大きくずれています。


SL4PC cC0 566MHz Q038A283-0706

上のテープを剥いでみました。
メンディングテープなしの状態です。

少し右にずれていますが、ほぼOKです。



現在使っている、cC0 Celeron600 SL4PB では、以下の様になります。
向かって右上 2枚
向かって右下 1枚
のメンディングテープを張った状態で、どんぴしゃ!



グリスの塗り方

グリスは、「均質に、空気が入らないように、できるだけ薄く塗る」が原則だと思います。

以前使っていたDSグリスの場合は、堅くささくれるのでかなり苦労していました。

現在使っているサンハヤトの物は、やわらかく伸びがいいので、
PEP66のばね圧で、余分なグリスは排出されます。
空気の泡を抱きこまないよう、少し厚めに塗っておくのがコツと思います。


グリスを塗る道具は、定規を使う、下敷きを切って使う、など、みなさんいろいろ工夫されています。
私がもっとも具合が良かったのは、先折れのストローでした。
ストローの腹(長辺方向)で、少し押さえてす〜っと伸ばしています。


  厚めに伸ばした所



  最近は、薄めに伸ばし+真中にごま粒2つ分くらい置いています。


シンクとコアの接地面の中心合わせで、ピーク時のコア温度がどれだけ変わるかというと、
2度くらいです。(測定環境の誤差の範囲と言えなくもありませんが)
気持ちの問題ですが、私は変化していると思っています。
限界で不安定なものが、安定します。
533A、566 での1ギガオーバーも、600での1.1ギガオーバーも、
このセンター合わせをちゃんとして、安定させることができました。

Coppermineコアのオーバークロックは、各も微妙な冷却のノウハウの固まりかもしれません。
多分に、心理的ともいえるほどに(^^ゞ