Copper-Cele Cooling Know How

Coppermine-Celeron(FC-PGA)の、空冷とグリスの工夫。
  (
UPDATE:2000.05.09)


中央が盛り上がる Copper-Celeron。L2の位置。

昔のCeleは、四隅が少し高くなり、コア中央がへこんでいましたね。
ですから、「平面磨き」が流行ったのですが・・・。
Copper-celeは逆に、中央が少し盛り上がるようです。
グリスの跡を観察すると、
┌─┐     
│●│
└─┘   
のように、中央が密着して、周辺にグリスが厚く残ります。

同じクロックで、FRや3Dmark2000が通るのに、πがこけるということは、
L2がさきに音を上げているのでは、と予想しています。
スペックシートによると、L2の位置は、上側になっています。


   (出典:Intel Celeron Datasheet「24365811.pdf」
       Figure16.Processor Function Die Layout)

また、FC-PGAですので、裏面冷却ができません。
CPUの裏面(ピン側)と、ソケットの間に熱がこもるのも、問題になります。


グリス塗りは、どの方法がいい?

グリスを塗るのは、CPUコアとヒートシンクの隙間を埋め、
空気の層が間にはいるのを防ぐのが、目的だと思います。

熱伝導率からいえば、
銅 > アルミ > 金属酸化粉入りグリス > シリコンオイル > 空気
の順でしょう。
ということは、CPUコアとヒートシンクは、できるだけ直接密着させ、
その凹凸を空気でなくグリスで埋める、というのがベストと思います。

浜ちゃんからも、「できるだけ薄く、平らに」密着するように塗るのがコツ
とアドバイスをいただきましたm(._.)m。
浜ちゃんのアドバイスは、まさに理にかなっています!

私は、今までのPPGA−Celeronの場合は、DSグリスを米粒大に盛って、
すり合わせでやっていました。
PEP66の説明書にも「厚めに盛って・・・」とありました。
ところが、Copper-Celeの場合は、コアが剥き出しのため、すり合わせが難しく、
硬いDSグリスでは、はずしてみるとかなり厚いグリスの層が残っていました。
グリスの重要性は、あちこちで言い尽くされていますので、ここは改善が必要です。


グリスと冷却、3つの工夫。

そこで、思考錯誤の上で、3つの対策を施してみました。

1.PEP66の足を調整して、CPUとシンクの接地面の中心を、少し上にL2側にずらす。

2.シリコングリスは、サンハヤトを、全体に薄く、中央に厚めに盛って、
  密着して押し出された結果、均質になるようにする。

3.下駄のソケットとCPUを1mm程浮かせ、通風を可能にする。

特に、3の作業には注意が必要です。
以前ソケット5で、下駄を使用し、K6-II、K6-III を載せた時、
差込があまいと、起動エラーの嵐がくるのを、経験済でした。
CPUはピンが見えなくなるよう、下駄にはしっかり刺す!が基本でしょう。

今回は、プラ板、ボール紙を使って、四隅用のスペーサーを作りました。
┌────┐     
│。  。 。/
│ 。   。/ 
│。 。/ 
│ 。/
└─┘   
のような、ピンが通る穴をあけたスペーサーです。

まず、1.5mm厚のスペーサーでは、<失敗>
Win98に、Config.sys定義のファイルの読み込みに失敗して、
結局、レジストリをぶっ壊して、起動不能に・・・(^^;;

やれやれと、レジストリを修復して、

1.0mm厚のスペーサーでは、<成功>

空調は、ファンからの強い風を、フードで方向を変えて、上を通過させます。
そうすると気圧差で、ソケット、CPU間の1mmの隙間から、
温まった空気が吸い出されるという仕組みです。

            ───┐
← ← ← ← ←      │ フード
← ← ← ← ←      │
← ← ← ← ← ↑↑↑│ 
             ■■■ ファン
  │──┤─↑┤┌──┐ 
  │──┤──┤│    │ 
  │──┤─↑┤│    │ 
  │──┤──┤│    │ 
  │──┤─↑┤│    │ 
  │──┤──┤│    │
  │──┤─↑┤└──┘
基盤  ソケット CPU シンク
  │     ↑↑
│││
└─┘   
Slot1

3つの工夫で、こころもちだが確実に耐性UP。


結果は、少し耐性があがりました。
室温が30度を越える環境での実験です。

旧      FRループ  3Dmark  π419万桁
880MHz    ○      ○     △
896MHz    △      ○     ×

新      FRループ  3Dmark  π419万桁
880MHz    ○      ○     ○
896MHz    ○      ○     △   (△はときどきこける)


また、シートシンク裏の銅部分の温度が、旧より新が1.5〜2度上昇しました。
(ビデオカードのシンクとの相対測定です)
これは、コアからヒンクへより多くの熱が移動している証明となります。

効果性は2、3、1の順かなと思っていますが、
微妙な違いですので、はっきりはしません。

真夏は880MHzでの常用となりそうですが、
その前に、5月末の価格改定を受けて、
6月には533Aでの空冷1GBへの挑戦、
500Aでの高FSBでの動作挑戦をしているのでしょうね(^^ゞ。


文末ながら、親切にアドバイスをいただいた浜ちゃんには、大感謝です。
ありがとうございました。